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No.38:夏

キーン・コーン・カーン・コーン!



『そこまで!全員筆記用具を置いて後ろから解答用紙を回して!』





村田『ヤットゼンブオワッタ……。』


酒井(ふぅー。今回は順位落としそうだな……。)


原田(なんとか平均は取りたいなぁ…。)



『今日は連絡事項は特に無し!テストお疲れ!さようなら!』






村田『終わったっひょーい!!』


酒井『これで野球に専念できるな。』


結衣『どう?直政くん。出来た?特に最後の物理。』


村田『中間よりは出来た気がする……。けど赤点じゃないとは言い切れねえ……。』


結衣『あれ?佳奈に教えてもらったんじゃないの?』


村田『教えてもらったけどイマイチ理解しきれなかった。』


酒井『にしてもこの時期のテストは全国の野球部員の敵だな…。ほんと…。』


原田『でもまぁ、終わったことだし。練習はあと1時間後開始。それまでに練習の道具出さないとダメだし、はやく昼ごはん食べよ。』


村田(いや、でも追試で引っ掛かれば練習しなくても済むな……。でも追試の勉強するのも怠いな……。)


結衣『どうしたの?』


村田『あーっもう知らね!飯食うぞ飯!』




 ***





カキィーン!


西口『ライト!!球際!!』


パシッ!


村田『うおおお。入った。』



西口(最初よりは大分マシになったが、やっぱ若干危なっかしいな。)



カキィーン!


西口(センターの小野崎とレフトのフジは安定してるし、そんな外野陣全体が危ないって訳でもないけど、どうしても村田はライトの経験が浅いこともあってヒヤヒヤする場面が少なくない。守備だけなら三井、平本みたいにあいつより上手い1年は居るんだが、あの打撃を見ると村田を使いたくなるんだよな。)




村田(ふぇー。ライトも簡単じゃねーしつまんねーし。やっぱピッチャーやりてー。)





西口(内野も見てみると大分安定してきてる。ショートの文哉さんも元外野手とは思えないくらい軽快だし、セカンドの林も安定感抜群。サードの佑介も相変わらずのセンスの良さだ。ファーストも左投げに転向したとはいえ、哲都がかなり無難にこなしてるし、全体としてはかなり守備も仕上がってきてる。)





(あと三日後は開会式。四日後は初戦。)



(チーム状態は悪くない。)





 ***


時は過ぎ、開会式前日の金曜日





佳奈『明日が開会式なんだって?』


結衣『うん!いよいよ始まるなって!楽しみ。』


佳奈『結衣も唯一のマネージャーだからベンチ入るんでしょ?いいなぁ。』


結衣『うん。でもまだマネージャー歴も浅いから足引っ張らないようにしないと……。』


佳奈『もう緊張してんじゃん。』


結衣『そうなんだよね~。困っちゃうなー。』


佳奈『ハハッ。結衣らしいっちゃ結衣らしいね。がんばって。ファイトファイト。』


結衣『ありがと。結衣もスタンドから応援よろしくね。』


佳奈『任せて~。全力で応援する!他の野球部員にも頑張ってって伝えといて!』


結衣『わかった。』




 ***


川越『今日の練習はここまで!各自家に帰ったらカーボロイド(炭水化物中心の食事:主に大会前のスポーツ選手が行う)をしっかりと実行すること。わかったな?』


『はいっ!!』



川越『明日は10時に開会式が始まる。9時に中村公園球場に集まれ。当然遅刻厳禁な。』


西口(やっと始まるか。)


氷室(この1年、長かったような、短かったような。)


慶野(俺と翔真にとっては最後の夏。絶対に勝ち抜いて甲子園に。)




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