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No.30:村田に求めるモノ

ズバンッッ!!




『ボール!!フォア!!』






村田(やべー。全然ボール走んねえ。)





西口『村田!ここ踏ん張りどころだ!頑張れ!!』



村田(毎日毎日練習で下半身しごき過ぎて全然ボール走らないんだけどどーなってんだマジ。)





西口(1点リードのツーアウト満塁、ここは絶対に打たれたくない。丁寧に来い。村田。)


村田(オラァ!)



ビュッッッ!!!!




西口(バカ!!甘過ぎ!!)


村田(やっべど真ん中!)




カキィーーンッッ!!!!





『回れ回れ!!!』

『よっしゃぁ!』

『ナイバッチ!!』



西口(ったく…。あんなボール打たれるに決まってんだろ…。)



村田(あー思い通りにならなくてイライラする~。)





 ***



西口『7回途中8失点。今日は大いに反省してもらうぞ村田。これが夏の大会だったらどーするつもりなんだ。』


村田『こんな体の状態で投げられる方が俺はおかしいと思うけどね。』


西口『開き直んな。7回の満塁からの逆転タイムリーで終わればまだよかったものの、そっから切り替えつかずズルズルと失点していったのは完全にお前の怠慢だ。』


村田『だってボールが思ったところにいかねえんだもん。しゃーなくね。』


西口『お前がそんな状況なのはわかっている。ただ言いたいことはそんな状況でもなんとか修正しようって気にならんそのテキトーさだ。そんなんで夏戦えると思ってんのか。夏は一発負けたら言い訳無しで終わるんだ。ましてやピッチャーなんだからもっと自覚持て。』


村田『はいはーい。全部自分が悪ぅござんした~。』


西口『ぶっ殺すぞマジで。ちゃんと聞け。』





 ***


試合後、帰り道にて



西口『なぁ哲都。今日は散々だったな。チームとしては。』


小宮『ここ最近は自分達のペースで試合を展開できてないからね…。状態が悪くても勝ちきれる様にならないと…。』


西口『この前までは状態悪くても勝った試合が多いけど今日はな…。』


小宮『相手が岐阜の名門、県立岐阜農業だったし、簡単には勝たせてくれないね。』


西口『村田、なぁ。アイツが夏に必要なのは間違いないんだが、いかんせんアイツ自身が責任ある立場にいることを理解できてないっつーか…。』


小宮『そうだね。少しマウンドで冷静さを失うケースはあるかもね。しつこく言い続けるしかないよ。』


西口『だな…。疲れる奴だ…。』


小宮『原田くんはまだ夏に投げられるレベルに達してないし、翔真先輩に全試合完投ってのもきつい話。村田くんの力は勝ち上がる為に必須と言ってもいいね。』


西口『だな。実際村田は高校入って今日初黒星。今まで練習試合で連勝してたのは村田のピッチングも大きかったし。』


小宮『でも、まだ入学してちょっとしか経ってない1年生に大きなこと求めるのも酷だよね。僕達上級生中心に引っ張っていかないと。』


西口『確かに…な。去年の悔しさを知ってる俺達がもっと頑張って1年生の負担を減らしてやりたいな。』


小宮『村田くんにも求めることはあるけど、僕達にももっとやらなきゃいけないことがある。あと3週間後には抽選会。頑張ろ。』


西口『おう。ぜってー甲子園、行こうぜ。』









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