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小さな違和感

ライブ終了後の話で、今回も少し短いです。

あれ…?ここはどこ?辺り一面真っ暗だ。

私、何をしていたんだっけ…?


「お前は本当に何をしても駄目な奴だな!」


振り返ると顔が見えない男性の姿があった。


「ごめんなさい、お○さん…」


あれ?私今、誰の名前を呼んだんだっけ?

この男性何処かで見覚えがあるような気がするけど…誰だか全くわからない…


「あんたなんか○○なきゃ良かったわ!」


今度は顔の見えない女性?言葉の一部にノイズがかかったような気がしてうまく聞き取れなかった…


「ごめんなさい、○○○○…」


まただ…この人の事を知っている筈なのに名前を呼んでいる筈なのに私が言った言葉もノイズがかかったみたいで…


「何であの娘が特別扱いされてるのよ。此方は忙しいのにさ。」

「あの娘、上司に媚びを売ってるという噂だよ。」

「嫌だ~。あんな何も知らなそうな顔してそんな事するなんて。」


今度は顔の見えないけど…悪口を言って嘲笑いしている女性達…?

何で…?何でこの人達の言葉を聞いてると心が痛くなるの?苦しくなるの…?

私は…私は…


「おい!起きろ、起きろよ!桜!」


大きな声で目を覚ますとそこには海斗が心配そうな顔で私の顔を見ていた。

そうだ、海斗と嵐のライブが終わってさあ帰ろうとした時に二人と一緒に車で帰る事になって、初めてのライブ鑑賞だったから疲れて眠って…ということはあれは夢?

変にリアルな夢…待って?あの夢の中に出てきた人達は元の世界の…


「桜、魘されていましたが、何か怖い夢でも見ていたのですか?」


嵐も心配そうな顔で私を見てる。あれ?嵐が声をかけてくる前私は何を考えていたんだっけ?


「桜、やはり具合でも悪いのでしたらもう少し眠っていた方が…」

「あ!ごめん!少し考え事していてもう大丈夫だよ!」

「本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫だってば~!」


いけないいけない。私のせいで二人に余計な心配をかけちゃった。でも本当に私は

()()()()()()()()()()

「桜、もう少しで家に着くからな。帰ったら何食べたい?」

「鶏肉の照り焼き食べたい!」

「そう言うと思ってもう下準備はしてありますよ。」


私を見つめる二人の顔はとても嬉しそうに笑っていた。


桜、元の世界の事を忘れかけていますね。このまま全部忘れるのか?それとも思い出すのかどちら何でしょうね?

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