外伝3
Maki's view
今日は悠木が学園を休んだらしい。
どう考えても私のせいだよな? 電話でもかけてやればよかったのだろうか。でも、私。電話が苦手で、うまく話せない。相手の顔が目の前にあると大丈夫なのだが、電話は顔が見えないから不安になるんだよ……。
でも、あいつは体力もありそうだしそんなに心配しなくてもいいだろう。明日にでも学園に来たら謝っておくか。
「マキちゃん。マキちゃん」
私の親友である穂乃香ちゃんがやってきた。
「どうしたの?」
「この前薦めた小説は読んだ?」
穂乃香ちゃんが薦めてくれた小説は、忙しくてまだ読んでいない。
「ごめん、まだなんだ」
まだ読んでないけど、恋愛小説だってことはわかる。だって、穂乃香ちゃんは恋愛小説読まないから。
私はファンタジーとかも好きだけど、穂乃香ちゃんとは話が合わないので最近は恋愛小説ばかりを読んで、その内容をよく二人で話している。
「そっかー、あの話は面白いよ! 主人公の娘と幼馴染の純愛がいいよ」
「純愛ものなんだ。久しぶりだね。最近はドロドロしたのにハマってたんじゃないの?」
最初は重いのは読みたくないと思っていたけど、薦められて読んでみると人の内面が詳しく書いてあって面白く感じ、穂乃香ちゃんのお勧めをほとんど読破してしまった。
「そうなんだけど、私の一番好きな作家さんの新作だから! 前から楽しみにしてたんだ!」
「そういえば、穂乃香ちゃんは悠木の知り合いだったよね?」
前に穂乃香ちゃんの思い人の親友が悠木だと聞いたことがある。
「そうだよ。それが、どうしたの? ……。あ、そうか! 池宮城さんと奏音君の話だね。あの二人はどこまでいったの? 池宮城さんのお父さんが奏音君と話すために学園まで来たんだよね?」
「悠木は旦那様に認められたよ。でも、旦那様がこのまま何もしないとも思えないけど……」
旦那様はそういうお方だ。自分の好きなものには、わざと試練を与えようとする。
「親公認になったんだ……」
そういうと穂乃香ちゃんは険しい表情を見せた。
「もしかして穂乃香ちゃん、悠木の事が……」
「あはは、それはないよ。私には周君がいるもん!」
穂乃香ちゃんには犯罪的なまでにアタックしてる思い人がいるのだから、悠木のことが好きということはないだろう。
普段はそんなことしそうにはみえないんだけどね。
「そうだったね。でも、悠木ときたら旦那様に認めてもらったのに、お嬢様に全然会いに来ないんだよ? だから私が仲を取り持とうとして……」
「それで、奏音君は学園を休んだんだね?」
穂乃香ちゃんにはお見通しみたいだ。
「うん。でも、今回は失敗しただけで次回は成功させるから!」
穂乃香ちゃんは何か言いたそうだったけど、結局言わなかった。
私の手伝いでも申し出てくれようとしたのだろうか?




