表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
修羅道  作者: サムライソード
妖精の楽園
40/129

宝石の王

不気味にも蹴破った先には何もいなかった。女妖精や男妖精が襲ってくる様子もない。後ろで木造の建物が燃える音以外は何もなかった。


壺の中で寝ていた間に夜になってしまっていたようだ。花畑は月明かりに照らされて幻想的だった。よく見ると遠くで妖精が転がっている。一応麻痺の果実は食べたらしい。



ボスを探して歩き回ると巨大な妖精が倒れているのを発見した。それを見て驚き、そして疑問に思った。猪や人間はこのボスのために用意されたものであるはずだ。ボスが果実を食べないだろうと予想していたのだが…。



ボスの腹を見ると美しい宝石がボスの腹から零れ落ちていた。月明かりに照らされたエメラルドの宝石は不純物が一切なく見事に照り輝いていた。まさに光が織りなす芸術。それを特等席で観覧している気分だった。この世に生まれたことを今日ほど感謝した日はない。



しかしよく見ると宝石の足元には男妖精や女妖精の屍が転がっている。


その宝石は人型をしていて、硬く翡翠の外皮はさながらフルフェイスの甲冑のようであった。


二つの緑の剣を手にし、どこか退屈そうに見えた。


直感が過去最大級に警告を鳴らしている。それでも近づこうとする足を止めることができない。本能が告げる。こいつがボスだ。叩きのめせと。



火は花畑の方まで回ったようだ。遠くで甲高い声の悲鳴が聞こえた。


気づけば駆け出していた。距離を一気に詰める。軍刀で突きの姿勢をとる。


間合いの大きく外でエメラルドの宝石は二つの剣を縦に振った。ふわっと優しい風が吹いた後強烈な斬撃が体に浴びせられた。


軍刀を握る手は守られたが、脇差を握る手は肘から体と分離していた。


これが妖精の斬撃の完成形なのだろう。無くなった左手を見て頭が冷えた。無気を思い出せ。こいつは俺の攻撃の意識を読んで今先手を潰したのだ。今度は向こうから攻めてくる。右肩から左脇に抜ける。



未来予知のように敵の攻撃がわかった。直感のレベルが確実に上がっている。勝手に審査したらパラディンに怒られるだろうが今までとは確実にレベルが違う。【直感 3】だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ