響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテストで「チーム高坂」が敗れた理由 ②
部員投票による部内オーディションで三位にも選ばれなかった理由としてまず考えられるのは奏者の実力不足。
ちなみに、アニメでの部内オーディションの順位であるが、一位はクラリネット四重奏で曲は「革命家」、二位は金管七重奏チームで曲は「金管七重奏のためのティータイム」、三位はサックス三重奏で「スペイン舞曲集よりガランテ、バレンシア―ナ」となっている。
そして、演奏者であるが、一位のクラリネットの四人組は京都大会、関西大会を勝ち抜き全国大会へ進んでいる。
三位のサックスチームは全員がコンクールメンバーであり、二位の金管七重奏、通称「チーム平和主義」も七人中五人がコンクールメンバーとなっている。
では、通称「チーム高坂」はどうか?
高坂麗奈はトランペット、黄前久美子はユーフォニアム奏者の中でトップの実力。
井上順菜と森本美千代は一年生からコンクールメンバーに選ばれるほどの実力者で実力はパートメンバーで一番と思っていいだろう。
一年生の小日向夢は実力者が揃うトランペットパートでコンクールメンバーになるほどの実力者。
そうなると、実力不足という理由であれば、残る三人に問題があったということになる。
そのうちの塚本秀一は、トロンボーンパートで一番上手ということにではなかったようであるが、一年からコンクールメンバーとなっているので除外する。
一年、二年とコンクールメンバーに選ばれていなかった釜屋つばめは黄前久美子も高坂麗奈も驚くくらいの素晴らしいマリンバの演奏を披露しており、弱点も黄前久美子のアドバイスによって改善している。
そうなると、もうひとりのメンバーで釜屋つばめと同じく二年生ながらコンクールメンバーに選ばれた経験のない加藤葉月がこのチームの足を引っ張ったということになる。
これについては、彼女のパートであるチューバでメンバー選考をおこなっていた高坂麗奈がもともと考えていたのは別の生徒であったと思わせるシーンがある。
面白いのは、高坂麗奈がメンバーにしたかったチューバパートのトップの実力者である鈴木美鈴を引き込んだ「チーム平和主義」だが、実はホルンパートに予定していた生徒を別チームに抜かれたと語っている部分がある。
そして、これを踏まえて考えると、「チーム高坂」の敗因は、他のメンバーが高水準であり過ぎたために、一段実力が落ちる加藤葉月が目立ったために、いわば玄人である部員から避けられたという可能性は否定できないだろう。
それは「チーム平和主義」にも言えることで、ホルンパートが希望通りのメンバーであったのなら一位に選ばれたのかもしれない。
ついでいえば、このメンバー間の格差によって評価を下げる可能性は、この年の関西大会での北宇治高校でも起きていた可能性がある。
超人オーボエ奏者との掛け合いによって本来下手ではないフルート奏者の技術が劣っているように聞こえた。
それが全国への切符を逃した理由であったかもしれないのだから。