委員会
ふぅと僕は一息をつく。
今僕は自室で今日のことを思い返してみた。
初めて…というより、久しぶりの小学校はてんやわんやだった。
クラスメイトの興味もそうだが、なにより舞桜ちゃん…僕が思い出すとはどういうことなんだろう。
そして帰ってきてからも疲れた。
父さん達は僕が帰るなり大丈夫だったか?、変なことはされてないか?と質問攻め。
舞桜ちゃんのことを話そうと考えたが止めておいた。
もしキスされたなんて事を父さん達が知ったら間違いなく学校へ行けなくなってしまうだろう。
蒼海ちゃんにも幸いキスされた事は知られていないのがよかった。
父さん達と蒼海ちゃんはご飯を食べたあと作戦会議と言って3人で何やら相談をしていた。
僕は1人部屋でこれからのことを考えていた。
「小学校かぁ…懐かしい筈なんだけど、なんだか新鮮だな……」
あべこべのせいで前世での知識が役に立たない。
共通しているところもあれば真逆のところもあるので結局のところ一から覚えていかなきゃなと思う。
「明日はちゃんと授業受けられますように…」
そう祈りながら僕は眠りについた。
翌朝、僕は蒼海ちゃんと一緒に家を出た。
今日からは普通に登校なので一緒に行くと決まっていたのだ。
ランドセルを背負い、黄色い帽子をかぶって歩いていく。
外見にはあまり違和感はないけど、自分としてはなんだか恥ずかしい。ちょっとしたコスプレ感覚だった。
登校中蒼海ちゃんはギュッと僕の手を握り締めて周りを警戒しながら歩いている。
「ねぇ?蒼海ちゃん?そんなに警戒しないでも、多分大丈夫だよ?」
「ダメよお兄ちゃん!昨日みたいにいつお兄ちゃんのクラスメイトが集ってくるかわからないじゃない!」
「流石に登校中はないでし………あっ…」
ないでしょと言おうとしたところで止めた。
学校が近づくにつれて生徒も多くなってきたのだが、キョロキョロと僕を見ている生徒…女の子が数人。どれもクラスにいた女の子だった。
え?ほんとに?登校中でもおかまいなし?
僕は初めて蒼海ちゃんの言っていたことが正しいと思った。
「ほらね!お兄ちゃん!ああやって、隙あればお兄ちゃんと関わろうとか近づこうとかする奴るんだから!」
「う、うん…でも、蒼海ちゃんは危なくないの?大丈夫?」
「私は大丈夫!ママから教わったとっておきの技があるから!」
「へ、へぇ~…こ、心強いなぁ…」
母さんのと聞いて悪い予感がした。
いい意味でも悪い意味でも、母さんはオーバーな人だ。蒼海ちゃんに変なこと教えてないといいけど…
学校につき、僕は自分の教室へ向かおうとするのだが蒼海ちゃんも後からついてくる。
「…蒼海ちゃん?蒼海ちゃんの学年って確か下の階じゃ…」
「教室まで送るの!昨日決めたんだから!あ、あと休み時間の度にお兄ちゃんの教室に行くからね?待っててねお兄ちゃん!」
昨日行われた議会によって僕の保護法案が可決されていたらしい。いや、過保護法案か。
「う、うれしいけどそれ蒼海ちゃん大変なんじゃ…」
「大丈夫!お兄ちゃんの為ならなんでもできるよ私!!」
蒼海ちゃんは目を輝かせてそういった。満面の笑みで。
「あ、ありがとう…無理はしないでね?」
「心配してくれるの?!さすがお兄ちゃんっ!ありがとっ!」
なんだろ…自分がすごくダメな奴に思えてしまう…。
いや、妹に守られてる時点でダメだな。
早く学校に慣れて、蒼海ちゃんに迷惑掛からないようにしないと!
教室の前まで来た。
すると、今まで僕の一歩前を歩いていた蒼海ちゃんが僕の後ろへ隠れた。
「お、お兄ちゃん…扉、開ける…?」
「え?開けなきゃ入れないよ?」
「う、うん…そうだよね…ちょっと待ってね。心の準備するから…」
「え?」
僕は蒼海ちゃんの言葉を聞き終わる前に扉を開けた。
「ッ!!」
蒼海ちゃんが強ばる。
扉開けた向こうには、舞桜ちゃんが立っていた。
「おはよう蒼空くん。よく眠れた?」
「あっ…お、おはよう舞桜ちゃん。うん、よく寝れたと思う…」
「?どうかしたの?」
舞桜ちゃんが不思議そうに僕の顔をのぞき込んでくる。
一方僕はというと、後ろに隠れた蒼海ちゃんがシャツを思いっきり握り締めていたため、喉が締まりかけていた。
「う、蒼海ちゃん…シャツ…シャツ離して…」
「あっ!ご、ごめんなさいお兄ちゃん…」
そう言って手を離すが、今度はズボンを握り締めていた。
「…ふぅ。蒼海ちゃん大丈夫?……そんなに舞桜ちゃんが怖い?」
僕は意を決して蒼海ちゃんに聞いてみた。
「…こ、怖いっていうか…その…あの…」
「蒼海ちゃん?ちゃんと話さないと蒼空くんが困ってるよ?」
言葉を詰まらせながら答えようとしていた蒼海ちゃんに舞桜ちゃんが話しかける。
「ひぃッ…ご、ごめんなさいお兄ちゃん…」
「い、いや…大丈夫だよ、うん。」
「……っ!わたし、自分の教室行く!お兄ちゃんまた休み時間にね!」
そう言って蒼海ちゃんは逃げるようにして教室へ向かっていった。
「あ、もうすぐ七海先生来るよ。席に着こ?」
「う、うん…」
舞桜ちゃんに誘導され席に着く。
朝一の接触からして今日も授業をちゃんと受けられるか心配になってきた。
七海先生が来て朝のホームルームが始まり、そのまま1時間目が始まる。
「さて、今日の1時間目はみんなに委員会を決めてもらいます!」
委員会。
生徒会や放送、給食、美化と様々な活動事に決められた委員。
前世では中学からだったけど、この世界では小学生の時からやるんだなぁ…
「はい、それじゃあ各委員会は二人づつ入れるからね。まず初めに美化委員会入りたい人手を挙げてー」
しかし誰も手を挙げない。
「うーん?他にやりたい委員会でもあるのかしら?それじゃあ、次は放送委員会のひとー」
またもや誰も手を挙げない。
「みんな何がやりたいのかしら…それじゃあ、次図書委員のひとー」
図書委員と聞いて僕は興味がそそられた。
図書委員。つまり、図書室を管理したりする委員会だ。
図書室には沢山の本がある。この世界のこともきっと詳しく書いてある本があるはず!
僕はそう思い手を挙げた。
「お、そら…野上くんね。あとは―――」
「「「「はいっ!!」」」」
「っ?!」
他のクラスメイト達が手を挙げた。
ほぼ全員じゃなかろうかというくらい。七海先生も突然のことに驚いている。
「えっと…そんなに図書委員が人気だとは…」
予想外だったのだろう。どうやって決めようか七海先生は悩んでいた。
「よし!決めたっ!先生にジャンケンで最後まで買った人が図書委員で決まりってことで!」
「「「「おおおーー!!」」」」
クラスメイト…女の子達は雄叫びをあげていた。
こんな声出せるんだ女の子って…僕は少し女の子の見方が変わってきていた。
「それじゃーいくわよー!さーいしょーは!」
「「「「ぐー!!」」」」
「じゃーんけーんっ!」
「「「「ぽんっ!」」」」
じゃんけんの結果、図書委員は見事舞桜ちゃんに決まった。
それも一発で。
舞桜ちゃんは一言「よろしくね?蒼空くん」と僕にニコリと微笑んで席についた。
その後の委員会決めは前世と似たような雰囲気で行われていった。
いくつか候補がかぶり、その都度じゃんけんで決められていく。
その中でも一つ、学級委員だけはスムーズに決まっていた。
「それじゃー学級委員やりたい人ー」
「はい!」「はーい」
男女の声が聞こえた。
1人はこのクラスで僕を含め3人しかいない男の子の一人、杉田正人くん。
もう1人はなんだかおっとりしてそうな女の子、星野美奈さん。
「お、今回もやってくれるのね。四年生のときも二人は学級委員やってたし、先生も安心して任せられるかな?よろしくね?二人とも。」
「はいっ!」「はぁーい」
二人はそれぞれ返事をして席についた。
その時ふと、男の子…杉田正人くんが僕の方を見たような気がしたが、僕は気に留めることはしなかった。
新キャラがどんな男であろうともNTR絶対ありえませんのでよろしくおねがいします。
NTR!ダメ!絶対!




