3話 葬式で出会った金髪少女のプロポーズ
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏~」
俺が美穂との記憶を思い出し終えると、そこはもう葬式の会場であった。
一瞬何が何だかわからなかったが、なんとなく、美穂が亡くなってから週末の今日まで俺が上の空のまま生活していた記憶がよみがえってくる。
(はぁ……翔真の為にも俺がしっかりしなければいけないのに何やってんだおれ……)
俺は自分の駄目さ加減に呆れ気持ちを切り替えるために前を向くと、そこには黒い額縁の中央で美しい笑みを浮かべる美穂の写真と、その前に純白の棺桶が置いてある。
それを見てしまった俺の涙腺から涙があふれそうになったので、俺は急いで視線を背ける。
移動した俺の視線の先では、参列者たちが焼香をしており、その列の中にひときわ目立つ金髪の少女がいた。
金髪の少女が歩くたびに長い髪が揺れ、その隙間から金属製のピアスが輝きを放っていた。
(美穂にあんな若い女の子の知り合いいたのか?)
少女は見た感じ大学生くらいであり、美穂にその年齢の知り合いがいたのかと驚く。
俺が物珍しそうに少女を見つめていると、少女は顔をこちらに向け、微笑みを浮かべる。
おれはその少女の顔になぜか美穂を重ねてしまった。
(何やってんだ!おれ!美穂が亡くなって憔悴してるからってあんな若い子を美穂と重ねるなんて)
いつも参列者として行く葬式はあんなに長く感じるのに、美穂の葬式はあっという間に終わり、俺は美穂の骨壺を抱えながら家へとトボトボ歩いて向かっていた。
ちなみに翔真については実家で預かってくれるらしい。
俺が憔悴してるのを気づいたいとこが「今日は翔真くんを家で預かるから美穂さんと二人で過ごしな」と言ってくれた。
「俺が情けないせいで迷惑かけちゃったなぁ~」
俺が自虐を零しながら自宅の近くまで行くと、暗くてよく見えないが、家の玄関前に座っている人影を見つける。
「ひっ!こここんな夜中にだれだ!」
俺は家の前に座り込む黒い影に恐怖を覚えながら骨壺を優しく片手で抱え込むと、ポケットからスマホを取り出し、スマホのライトをつける。
「えっ!?……君って……」
黒い影の正体は美穂の葬式に来ていた金髪の少女だった。
「ん……うん~はわぁ~やば!わたし!寝てた!!」
俺のスマホのライトに照らされて、目を覚ました少女はガバッっと効果音がばっちり合うような勢いで立ち上がると、俺と目が合った。
次の瞬間少女はあわあわと焦りだし、カバンから手鏡を取り出すと串で髪の毛を整え始め。
こちらに向かって歩いてくると目の前で直立した。
「私を吉田 秋羅さんのお嫁さんにしてください。」
聞き覚えのあるその言葉を真っ赤に染った顔で白い息を荒く吐き出しながら言う少女の姿はいつも余裕に満ちていた美穂とは正反対なはずなのにどこか懐かしさを感じてしまった。
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最初は5話まとめて投稿します引き続き4話も読んでいただけるとありがたいです。
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