24話 少女の遊園地その①
私は遊園地に来たことがほとんどない。
遊園地に来たのはせいぜい修学旅行でしかなく、両親と遊園地に来た思い出なんて私には無い。
だからって自分が可哀想だなんて思ってないけど、同級生から聞く家族と行く遊園地の話には憧れを持っていた。
秋羅さんと翔真くんが遊園地に行くって聞いた時やっぱりいいなぁ……って願望が私の中に現れた。
でも、子供にとっては夢を叶える場所である遊園地も大人になれば現実を突きつけられることは多い。
特に金銭面でいえば遊園地は軽い気持ちで行けるところではない。
だからこそ……行きたくても自分の預金を思い出して諦めざるえなかった。
そこからはなんだかんだ言いくるめられたり翔真くんの乱入で結果的には秋羅さんにお金を出してもらう形で遊園地に行けることになった。
なぜだか行けるようになったことはすっごく嬉しいはずなのに、それ以上に2人の優しさが嬉しくて、それ以上に2人の家族としてカウントされてる気がして幸せを感じた。
それから当日までの間は楽しみすぎて眠りが浅くなり、恥ずかしいことに前日はほとんど眠れなかった。
そして当日は朝からモンキーランドのテーマを歌う翔真くんが可愛くて、ぬいぐるみ帽子を被る翔真くんに癒される。
私がカチューシャ選ぶ秋羅さんを見て、カチューシャをつけている秋羅さんを妄想していると私の分のカチューシャを選ぶように秋羅さんに言われてつい変な声が出てしまう。
私は知っている……遊園地の物は全て金額が高いことを……私は恐る恐るカチューシャを手に取って値段を見て体が固まる。
カチューシャでこの値段…買えなくはない…買えなくはないけど……。
この時の私の考えは世の中の女子大学生達からしたらありえないのだろうけど、1度ついた貧乏症はなかなか取れないものなのである……今も貧乏なのは変わってないし。
「ここでもお金ないからカチューシャ買わないなんて言ったらまた翔真が僕のお金で買うとか言い出すよ!」
そんなお金という魔物と脳内戦争をしている私の耳元で呟かれる。
この瞬間カチューシャ購入軍に大将軍翔真が加わってお金もったいない軍が追いやられる。
「ここは俺がだすから好きなカチューシャ選んで!」
半ばパニックだった私の脳内戦争に第3勢力秋羅さんが加わったことで脳内戦争は和解の道へと歩みを運ぶ。
「貸しにしておいてください。」
結果……秋羅さんにお金を借りてカチューシャを購入する形で話は収まった。
私は1番無難で1番値段が安そうなモンチーちゃんのカチューシャを手に取った。
すると秋羅さんが私のカチューシャのペアになるモンキーくんのカチューシャを手に取る。
ペアのカチューシャ!?そそそれってあのカップルがよくやる!?
私は秋羅さんの行動の意味がわからなくて秋羅さんのカチューシャを凝視する。
「パパと彩花お姉ちゃんのカチューシャセットのヤツだねぇー!!」
第三者である翔真くんに指摘されたことで私はさらに意識してしまい顔が暑くなり、自分のカチューシャを……秋羅さんとペアのカチューシャをただただ見ることしか出来なかった。
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明日、朝6時に25話を投稿します!25話も読んでいただけるとありがたいです。
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