15話 緊急事態と似たもの親子
「えっ……分かりました!今すぐ向かいます。」
金曜日の朝……俺のスマホが鳴り響き、スマホの画面に映るのは課長の名前だった。
「悪い!彩華ちゃん!俺急遽仕事行かなきゃ行けなくなったから翔真を頼めるか?」
電話の内容は入社2年目の後輩くんのPCがつきっぱなしなのを早く出社していた課長が気づいてそのPCの画面に目をやるとPCのディスクトップの真ん中には(皆さんごめんなさい)と書かれたメモがあり、そのメモを開いたところ「仕事を始めたのですが、どうやればいいのか分からなくて、みんな忙しそうなので聞けなくて、後回しに後回しにしてしまって……もう僕には無理です……仕事辞めます。」と書かれていて嫌な予感をさせたながら課長が仕事のフォルダをに開くとそこにはほぼ何もしていない仕事のデータしかなかった。
課長は電話越しに、「新しい仕事を後輩くんに渡したのによく進捗を確認しなかった私のミスだ、すまないが、秋羅くん手伝ってくれないか?」と言われ、俺は了解した。
「私は今日大学もバイトもないですしいいですよ!行ってきてください!」
「とりあえずなにか会った時のためにここにお金置いておくから遠慮しないで使ってくれ!」
俺は財布から渋沢さんを2枚出して机の上に置いて、寝癖が着いたま急いで家をでた。
「はぁ……疲れたァ……」
死ぬ気で仕事をしていた俺と課長だったが未だに終わりは見えず、昼になったことで一旦休憩時間を迎えた。
俺は朝以来のスマホを開くとそこには母さんからの「オッケー!翔真ちゃんは私にまかせて!でも!秋羅も無理しちゃだめよ!」というメッセージが表示されていた。
俺はスマホの画面に微笑みを浮かべ母さんからのメッセージに逆行するかのように気合を入れてエナジードリンクを口に運んだ。
母さんのトーク画面を閉じた俺は次に彩華ちゃんのトークを開く。
「悪いがすぐには帰れそうにない」
俺がまず謝罪の言葉を送ると、すぐに既読が付いた。
「どのくらいかかりますか?」
「まだはっきりとは言えないが少なくとも今日は会社に泊まることになると思う」
おれが返答を返すとノンタイムで既読が付く。
「なんですか!それ!!今時泊りがけで仕事とか!黒も黒!完全なブラック企業じゃないですか!!」
「あはは……」
俺はついスマホに向かってぷんすかしている彩華ちゃんの様子を思い浮かべて、笑いがこみ上げてくる。
「今回は緊急事態だから特別だよ、それに今回の件が片付いたら2日間の休みもらえるらしいからうちの会社は優しいよ!」
「ぷぅ~!!」
俺のメッセージに彩華ちゃんからはほっぺを膨らませたブサイクな猫のスタンプが送られてくる。
「秋羅さんって愚痴ったりしないんですか!?なんか!秋羅さんの話聞いてると私が悪い子なんじゃないかって気がしちゃいます!」
俺はそのメッセージを見た瞬間固まってしまう。
「秋羅くんを見てると私が穢れてるんじゃないかって思っちゃうなぁ~」
美穂が昔言っていた言葉、風景、表情が俺の頭にフラッシュバックする。
自然と俺の瞳から涙が一滴零れ落ちる。
「俺だって不満に思うことだって、不安になることだって、いじわるになると気だってあるよ」
俺は確かめたくなって、あの時と同じ返答を彩華ちゃんに。
「なら!不満に思ったときは私に愚痴ってください!不安になったら甘えてください!いじわるしたくなったらいじわるしてきてください……仕返しますけど……そんな秋羅さんの暗い部分も私は好きになりたいですから!」
彩華ちゃんの答えを読みながら俺は頭で美穂の答えを思い出す。
「そうなの?なら……私にはそんな姿も見せてよね!!私はあなたのすべてを好きになりますから。」
ほんとに……似てる……似すぎてる……まさか、この年になって、愛する美穂を失って、また、この感情を感じるなんて想いもしなかった。
お読みいただきありがとうございます!!
ごめんなさい!15話と14話逆になってしまってました!急遽!同時に上げさせてもらいます!申し訳ございません
16話は明日の6時に投稿されます!
また、面白いと思っていただけのなら評価・レビューいただけたら幸いです。




