14話 少女に進路について男は願う
「いやぁぁぁぁぁぁ~~~~~!!だぁ~~~サヤッチぃ~大学辞めないでぇ~」
さっきまでニヤニヤしていたミサッピはどこに行ったのか、私が大学中退宣言をすると号泣しながら足にしがみついてきた。
「仕方ないじゃん……家……お金ないから……」
ミサッピには詳しいことこそ言っていないが、私の家がほぼ父子家庭であり、お金がないことは言ってあるのでミサッピを納得させるために言う!
「だったら!私がバイトしてサヤッチのスポンサーになる!」
ミサッピは名案を思い浮んだかのように目を輝かせて言う。
「私も大学費稼げないかと思ってバイトしたけど、大学生のバイト代じゃ大学費稼ぐのはきついよ……それにミサッピにそんなに貢がれても返せないし、ミサッピの苦労したお金で大学通っても申し訳なくなっちゃうかな!」
「うーん……なら!大学のみんなでクラウドファンディングするのは!?それなら一人一人の負担は少ないし!」
私の否定に、ミサッピは最初こそ顔を下に向けたが、すぐに次の名案が浮かんだようで勢いよく言ってくる。
「それこそ人数多すぎて返せないし!」
「クラウドファンディングだから返さなくていいの!」
私がまた否定をしようとしたら食い込ませるようにミサッピが反論してくる。
「それこそ申し訳ないよ!!」
「申し訳ないと思うならサヤッチのブロマイドでも配ればいいんだよ!」
「恥ずかしいよ!!!!!」
「はぁ……大変だったな……ミサッピほんとにクラウドファンディング始めようとするんだから……」
私は秋羅さんの家で夜ご飯の食器を洗いながら今日大学であった親友の美咲との出来事を思い出していた。
「なんか大学で大変なことでもあったのか?」
大学のことに頭をいっぱいにしていた私は気づかなかったが、翔真くんを寝かしつけていた秋羅さんがリビングに来ており、私のつぶやきを聞いたようで質問を投げかけてくる。
今の秋羅さんはパジャマ姿であり、同居を始めてから秋羅さんのパジャマ姿は何度か見ているのにその普通なら家族しか見れない秋羅さんの姿に、私の心は幸福感で満たされ、鼓動が早くなる。
「いや!何でもないです!」
私が今日のことを言ったら秋羅さんはきっと大学費を払うって言ってくれるだろう……そこまでわがまま言えない……。
「そうか……そういえば大学って言ったら……次の学費の支払いつあるのかと金額教えてくれないか?それまでに準備しておくから。」
「えっ……?」
「ん?」
私は秋羅さんが何を言ってるのか理解できなくて聞き返すと秋羅さんもポカンとした顔でこちらを見てくる。
「いや……この前言ってた美穂に借りてたお金ってどう考えても大学費全部じゃないだろ?だから残りの金額と支払い期限を早めに聞いておこうかと思ったんだが……。」
秋羅さんはまるで当たり前かのように言ってきており、私がおかしいのかと思えてくる。
「えっと……もう私、秋羅さんにお金借りる気なかったんですけど……」
「いやいや!?そしたら学費どうするんだ?さすがにバイト代だけじゃ足りないだろ?一緒に住んだ感じバイトだってそんなに大量に入れてる訳じゃなさそうだし。」
確かに秋羅さんの言う通り、私はバイトをしているもののそんなに大量にシフトを入れている訳ではない、その理由としては2つあり、1つ目は大学費用を稼いでいるというのは秋羅さんについた嘘であり、大学費は母が払っていて私は生活費を自分の分だけでも稼ぐことで毎月母から父に渡されてる生活費を少しでも少なくしてもらう為のものなのでそんなに数を入れていないということ2つ目は父は仕事もしていないのに家事もあまりできないので私が代わりに家事をしていたのでバイトを沢山する余裕がなかった。
「……大学は……中退しようと思ってました。」
「はぁ……そんなことだと思ってたよ……大学が嫌なわけじゃないんだろ?」
私が俯きながら吐き出すようにつぶやくと秋羅さんは深いため息をはいて、子供を宥めるような優しい声色で問いかけてくる。
「……はい……大学は楽しいです。」
一瞬私の中にはここで大学がつまらないだったり行きたくないっていえばいいんだと思ったはずなのに何故か今まであんなに嘘をついて来たのに私の頭の中に現れた美咲がそれを許してくれなかった。
「なら!俺が金は払うから大学に通ってくれ!」
「でも……大金だし……これ以上秋羅さんに迷惑は……」
秋羅さんは多分なんにも気にしてないような優しい顔で今私を見て当たり前のことのように大学に通っていいって言ってくれているんだろう……だからこそ……私は秋羅さんの顔を見ないように俯いたまま否定を口にする。
「うーん……でもさぁ……ここまで美穂は彩華ちゃんに大学卒業して欲しくてお金を貸してたんだろ?それなのにここで彩華ちゃんが大学辞めちゃったら美穂の気持ちが全部無駄になっちゃうだろ?…そんなこと美穂の旦那の俺が許せないんだ……だから……彩華ちゃんにはこのまま大学に通って欲しい……これは俺からのお願いだ。それに!俺の金って言っても美穂の保険金が入ったからそこから出すようになるだろうし!前と同じで美穂から大学費借りたぐらいで考えてくれればさ!だから!お願いだから大学に通ってくれ。」
どこまでも優しく……どこまでも暖かく……どこまでも頼りたく、甘えたくなっちゃうそんな秋羅さん……やっぱり私が秋羅さんのそういう所が好きで、甘えちゃう。
「わかりました。お願します。」
私は秋羅さんの願いを承諾し、顔をあげると、そこには私が言葉や声色から感じた優しさの中に母のことを思い出して芽生えた悲しさを隠そうとしているぎこちなさのある表情を浮かべる秋羅さんが居る。
あぁ……さっきまであんなに頼りたいと、甘えたいと思っていたのに、そんな表情見ちゃったら私は秋羅さんを守ってあげたいし、甘えさせてあげたい。
頼りになる甘えさせてくれる秋羅さんも守ってあげたくなる母性本能をくすぐる秋羅さんもどっちも素敵でどっちも尊くて……私はやっぱり秋羅さんを好きで好きで好きで好きで、私のものにしたくて仕方がない。
お読みいただきありがとうございます!!
ミスって、先に15話を投稿してしまったので、本日一気に15話も投稿します。
また、面白いと思っていただけのなら評価・レビューいただけたら幸いです。




