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転生したトリマーがもふもふ尻尾なケモ耳娘と旅に出る  作者: ひょーう.CNP


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69話 個人戦、第3・第4試合

 カエデとの絆が深まり、俺とカエデは余韻に浸っていた。


「……人の目があるのに、良くやるわね貴方達」


 俺の尻尾とカエデの尻尾が絡み合っているのを、まじまじと見つめながらも呆れた風を装うレイン。

 分かってるぞ、羨ましいんだろう?と思っていると。


「羨ましいっす……」


 羨ましがってたのはソルトの方だった。

 ソルトもレインの隣で、指を咥えながら俺達の絡まりあっている尻尾を見ていた。

 心做しかソルトの尻尾が元気なさげにゆらゆら揺れている。


「コウガ様、イチャイチャするなら人の目がない所でやりなさい。朝の続きのつもり?」


 見かねたメイランから指摘を喰らう。


「ここ数日、朝と夜しかカエデと会えてなかったからつい……」

「つい……じゃないわよ! 周りから見られて恥ずかしいんだから、続きは帰ってからにしなさい!」


 顔を赤くしながら怒るメイラン、周りを見渡すと確かに痛い視線を感じる……まぁ、仕方ないか。


「「はーい……」」


 大人しくメイランに従う事にする。その代わり帰ったらいっぱいもふもふしてからいつもの手入れをするんだ!


「ご主人が何か企んでる顔してるっす! きっとイチャイチャするついでに色んな所触られるっす!」


 ソルトって俺が何か企むと大体気付く、センサーでもついてんのか?

 それとも、マジでそういう企み顔してるのだろうか? 自分では分からない。


「ソ、ソンナコトシナイヨー」

「片言っす! 絶対何かされるっす!」


 ソルトはお尻と尻尾を押さえるように隠した。


「はいはい、もういいから試合見ましょう。もう第3試合始まってるわよ」

「おっと危ない。気付かなかった」


 改めてステージを見ると、もう既に20人程になっていた。

 俺達が良く見なきゃいけないのは生き残りそうな4名なのだが、バトルロイヤルだと詠唱の長い魔法が飛びにくく、ちゃんとした強さを測れないのが難点なんだよな。

 カエデのような物理専門なら良いのだが、ティナのように物理も出来て隙を作れば魔法も打てるような人だっているだろうし……多分俺のように力を出さず勝つ人が殆どだと思う。なので誰が生き残りそうなのか?が少し分かりにくい。

 現状、強そうな奴は1人いる。20人になってからしか見ていないが、俺が見始めてからこの短い時間の内に連続で3名倒している。

 そいつはアックス使いで、種族は巨人族ってやつだ。かなり体格がデカく、身長も軽く2m超えている。

 周りがあまり強くないのかもしれないが、この短時間で撃破数を伸ばしているのは評価出来る。

 ティナ達の目から見たらどうなのだろうか?


「なぁティナ、ティナ目線からしてめぼしい奴はいるか?」


 ティナにそう問い掛けると、少しだけ間が空いたが答えてくれた。


「ふむ、そうだな……見た事ない奴だが、2人程気になるヤツがいるな」

「その2人とは?」

「先程から撃破数を伸ばしてる、あのでかい巨人が1人目。2人目は先程から攻撃を全て防御魔法で防いで、素早い詠唱による初級魔法のカウンターを入れて反撃している、あの魔法使いだな」


 やはりあの巨人はティナからしても気になる存在らしい。

 そしてティナの指さす方を見ると、彼女の言っていた魔法使いを見付けた。

 敵の攻撃を、左手で発動させた魔法壁で防ぎつつ、右手で初級魔法を発動させて反撃している。

 前世で読んでいた小説にもこういう2重に魔法を使うキャラクターが居たのを思い出す。この世界で何と言うか分からないが、多分並列魔法や2重魔法ってやつだ。

 そんな器用な魔法を使う魔法使いは、全身コートで包まれているので容姿は分からないが、顔を見るに男っぽい?そしてよく見ると耳が長く見える。もしやエルフか?


「あれってエルフだよな?」

「うむ、エルフだな。魔法に長けた種族だぞ」


 なるほど、魔法に長けた種族か……それならあの魔法の使い方をしているのも納得だ。

 今の所、初級魔法らしきスキルしか使っていない。詠唱が無い俺よりは発動は遅いが、今まで見てきた中では最高の発動スピードだと思う。


 その2人を中心にしっかり観察していると第3試合の4名が決まった、勿論、注目していた2人も生き残っていた。


「コウガさん、あの魔法使いには注意した方がいいですね」

「確かにな。あの防御性能と左右の手で別々の魔法を操れる相手、なかなか厄介そうだ」


 俺もあんな風に魔法を2つ同時に使ったりとか出来るのだろうか?

 もし使えるのなら使ってみたい。


「只今第4試合の選手入場準備中なので、暫くお待ちください! 次の第4試合が終わったら1時間半の休憩、休憩後にトーナメント表を発表致するので、ご確認おなしゃーす!」


 そろそろ昼食の時間か、何だかんだであっという間だったな……昼から厳しい試合が続くだろうから、しっかり食べておかねば。


「第4試合が終われば一旦昼食ですね、実は今日皆さんの分までお弁当作って来てるんです。終わったら皆で食べましょう!」


 お弁当だと!?まさか昼食まで頂けるとは有難い、外の売店か食事処で済まそうと思ってたからな。


「マジか、ありがとう!」

「いえいえ、2人には頑張って欲しいですから! 明日も作って来ますね」

「ありがとう、有難く頂くよ!」


 ミツキやヴィーネの作ったご飯が最近の楽しみでもあった、何せ前世の再現料理だからな!

 ミツキが居なかったら、未だ米にありつけていなかったし、自分で作るしかなかったからなぁ。


「さぁ! 第4試合出場選手が出てきました! バトルロイヤル最終試合、誰が勝ち残るのか!?」


 お、ラストの組だな。

 誰か強い奴は出てくるのか否か。


「皆さん構えてください! 行きますよ!?」

「レディーーッ、GO!!」


 個人戦第4試合が始まった。


 始まった瞬間、ステージから飛び上がり翼をはためかせて空を飛ぶ選手が1人いた。

 俺の隣にいたメイランがビクッと身体を震えさせて、俺の耳に告げ口をした。


「……コウガ様、グリーンドラゴンです」

「あれがグリーンドラゴン……」


 メイランの故郷の話で、村で小競り合いをしていたというドラゴンの一種、風を操るグリーンドラゴン。

 メイランのような赤みじみた色ではなく、薄い黄緑のような色をしていた。


「はい、彼女の名はエリスタ。彼女個人としてなら仲はそれ程悪くなかったわ。村としては戦わざるをえなかったから、戦う時は周りに気付かれないように、お互い協力して手を抜いて戦ったものだわ」


 ドラゴン同士、全員が全員他ドラゴン種と仲が悪いって訳じゃないんだな、少し安心した。


「そうだったのか。もしかしてブルードラゴンの事……何か知っていたり?」

「聞いてみないと分からないわね……この大会中に声掛けてみようかしら? もしかしたら、フードの男やブルードラゴンに繋がる情報があるかも知れない」

「だな、昼食後とか時間があれば声掛けてみるか?」

「そうね、そうしましょう」


 視線をステージへ戻すと、グリーンドラゴンのエリスタが風のようにスーッと滑らかに滑空し、地上にいる選手達へ物理攻撃を仕掛けていく。

 エリスタは空を飛んだ事により目立っていた為、上手い人はしっかりガードするが、防御が弱い攻めっ毛のある選手達は吹き飛ばされる、これだけで5名場外へ。

 ちなみに場外は失格だ。

 空を自由に翔けるエリスタだったが、1番端に居た騎士団の鎧を着けた男の盾に受け止められる。

 騎士団の男の足元を見るとステージに亀裂が走っていた、衝撃が強い証拠だ。


「あれは騎士団隊長、オルガーですね……騎士団を誇るタンクです。個人戦にこの3人が出場してるみたいですし、恐らくは団体戦も……」

「だとすれば、あんま早くに当たりたくないな」

「ですね」


 2人の攻防を眺めていると、その他選手がどんどん減っていき4名になって4試合が終了した。

 やはり強い人以外の参加者が即座に落ちていくから試合時間が短い短い……正直手応えがなかったと思う。

 俺個人として、注目の選手は。


 俺の可愛い相棒 カエデ

 騎士団団長 ノシュタール

 騎士団隊長 ゴリスター

 騎士団隊長 オルガー

 狐人族の刀姫 セシル

 グリーンドラゴン エリスタ

 2重魔法使いのエルフ

 巨人族の巨人


 くらいか。


 出来れば真っ先にカエデとやりたいが……セシルともやりたいな。

 そう思いながらも、俺はミツキ達が用意したお弁当を食べるのだった。

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