表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
干支(えと)十二支物語  作者: 諸葛孔明(ライトニング)
3/3

第2章 丑(うし) 鶏口となるも牛後となるなかれ

鼠さん。よく頑張ったね。1着おめでとう。

01


ワシはこの旅 (レース)の途中、田舎の畦道あぜみち鼠女史ねずみじょしと会話をしていた。

鼠女史は言った。

「ねえ牛さん。

私は、『鶏口けいこうとなるも牛後ぎゅうごとなるなかれ』よ。

私はどんなに大きなものの後ろになっているよりも、私はどんなに小さくってもいつでも先頭に立ちたいわ。」

ワシは、道草をみながら鼠女史殿に言った。

「ふ~ん。そんなもんかね。

ワシは一番手なんぞにはなりたくはないね。

ワシはワシなりにマイペースで行くよ。」

ワシはお腹いっぱいに草を食べたらなんだか眠たくなってきた。

「牛さん。『食べてすぐ寝ると牛になる』わよ。

って、モウ~牛か。うふふふ。

牛さん。

どうやら牛さんには何を言っても、『牛のつのはちが刺す』。『牛に経文きょうもん』。『牛に対してことだんず』。『牛の小便と親の意見は長くてもかぬ』ね。

私は先に行くわ。

牛さん。じゃあね。バイバイ。」

と言うと、鼠女史は行ってしまった。

「う~ん。

食べてすぐ動くよりも眠った方がお腹には優しいのに・・・・・・。

ハア~~~。ムニャムニャ。」


ワシは欠伸あくびをして、その場で眠ってしまった。


02


・・・・・・しばらくすると、ワシに声をかけてくる者がいた。

「やあ。牛さん。牛さん。

是非、それがしを乗っけて行ってくれないかなあ? 」


ワシに声をかけてきたのは人間であった。

なおも声をかけてくる。

「やあ。やあ。牛殿。牛殿。

ここはどこだか知っていますかな? 」


ワシは半目を開いてその者に言った。

「ムニャムニャ。う~ん。

ここは、織田信長公が『牛耳ぎゅうじる』、美濃みのの国の岐阜という地名だと思うがのう。」

「さすが、『牛のしりがいとことわざとははずれそうでも外れぬ』だね。

当たりだよ。」

「そう言う人間のあなたは一体、何者かね? 」

「それがしか?

それがしは、『九牛きゅうぎゅう一毛いちもう』に過ぎないが、織田家に仕えている羽柴秀吉殿の家臣、竹中半兵衛たけなかはんべえと申します。」

ワシは驚いて完全に目が覚めて起き上がった。

「ええ~!?

ではあの、『今孔明いまこうめい』との異名を持つ天才軍師、竹中半兵衛様でございましたか!!

これはこれは失礼いたしました。」

竹中半兵衛は、ひょう々とした感じで言った。

「まあ。なあに。

そんなに恐縮しないでくださいな。

ねえ。牛殿。

お願いですから是非とも、それがしをあなたの背中に乗せていってください。」

ワシはその願いにも驚いて慌てて言った。

「竹中半兵衛様。滅相もございません。

ワシなんかノロくてノロくてなんのお役にも立ちませんよ。

どうせなら、馬さんに乗っていってはいかがですか。」

竹中半兵衛は自分の顔の前で手を横に振り言った。

「それがしは馬は好かぬ。

なんだか乗っているこっちが急がされている気になってしまうんでね。

それがしは『牛歩ぎゅうほ』の方が好きだね。

ゴホッゴホッ・・・・・・。」


03


それからというもの。

ワシは竹中半兵衛様を背中に乗っけて旅をした。


竹中半兵衛様はなんでも知っていた。

裏道。隠し道。獣道。ショートカットルート・・・・・・。


『牛の歩みも千里』。

『牛に引かれて善光寺ぜんこうじ参り』ならぬ、

『竹中半兵衛様に引かれて善光寺参り』。


・・・・・・あっという間に、お釈迦様がいる世界一高いタワーのもとに辿り着いた。


竹中半兵衛様は、

「良い旅であった。」

と言った。

そして竹中半兵衛様は、ワシの背中の上で亡くなっていた・・・・・・。

竹中半兵衛様は、やまいを患っていたのだった・・・・・・。

竹中半兵衛様は、若くして病没した。


04


世界一高いタワーにのぼってみるとそこで、鼠女史と猫とが戦っていた。


すると、鼠女史の方が奇跡的に勝利をし、猫はタワーから落ちた・・・・・・。


ワシは思った。

「やはり一番手にはなりたくはないのう。」


結果。

鼠女史が1着。

ワシは2着。


鼠女史殿がワシを見て言った。

「あれ~? 意外。

牛さん。結構早いじゃないの! 」

ワシは言った。

「いやあ~。

2着とは、ワシは10着くらいでもよかったのになあ。」


ワシは、『鶏口となるも牛後となるなかれ』けり。

の、スタンスでは無い。



            第2章 【終】

第3章 とらへとつづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ