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第42話「【ガソリンスタンド】Lv4」

 チュンチュン、チュン!

  チチチチチ……!


「んがっ?」


 なんか、身体が重くて目が覚めた。

 なんだろうと思って起きれば──……。


「ぷひゅ~。ぷひー♪」

「ルルか……」


 そういや昨日一緒に寝たな。

 シャンプーの匂いもさることながら、子供特有の甘い匂いがするー。


「んー。髪の毛ふわふわー」


 くんくん。


 うん! 臭くない!!

 まーったく、こんなかわいい子を魔族だなんだと差別するなんて嘆かわしいね。


 そも、な~んでルルってオークとかに捕まってたんだろ? この子自体も、その前後がよくわかってないみたいだし、なんか事情があるのかなー?


 そもそも、魔族の忌避感情がある割に、誰もその辺のことは知らないし知ろうとしないとか(いびつ)ー。


 普通は、親元に返さね?


 いや、でも、魔族だから無理──とか、そんな感じなのかね?


 ……それって一方だけの感情じゃん?

 昔の日本だって鬼畜米英だのなんだの……。それは相手側だって同じだ。もしかして、魔族側が人間のことを魔族って言ってたりしてー。


 ちなみに、チラッとミルヒ君とかにもその辺聞いたけど、どうやらこのあたりの国は直接戦闘してないから、本来なら魔族だのなんだのは本来、無関係らしい。


 だけど──それはあくまでも大多数を占める人間の感情。

 それ以外の──例えばエルフとかの他の長命種とかが嫌ってるとかで色々あるみたい。


「つっても、あのギルマスはあんましそう言う感じじゃなかったな」


 ルルを見ても何も言ってこなかったし。

 まぁ、人間社会に溶け込むようなエルフは割と変わり者って側面もあるみたいだけど──。


「ながせー?」

「ん? 起きた、ごめんねー狭くて」


 おーよしよし。

 お姉さんは起きるけど、寝てていいよー。


「おきるー」

「ん。そんじゃ着替えしよっか。ばんざーい」


「ざーい♪」


 ルルを、いつもの私の昔のツナギに着替えさせてガソスタキャップを被らせれば、あっという間に小さな店員さんだぜー。


 あーん?

 子供働かせていいのかっね?


 労働基準法?


 はっ!! ここは異世界だよ、諸君。

 そんなもんあるわけねーだろ、げへへ(黒い笑顔)。


「ま、労働もなにも、家の手伝いは認められてるからね。……もう、ルルちゃんウチの子でもいい気がしてきた」


 最初は子供育てるなんて無理かなーって思ってたけど、ルルちゃん素直だし、アホっぽいけど、賢い(?)し、

 なによりガソスタに馴染むし、チハたんの前方機関銃手としては超優秀──力持ちなのもいいね!


「だけど、私は独身なのでーーーす!」


 ガソスタの空に向かって叫ぶ。


 いや、ほら……一応はこう見えて女なわけでして。えへへ。

 まぁ、子持ちでも全然いいんですけどね。ルルちゃんが、嫌かなーって。


「んー。とりあえず、そのへんは追々でいいかー」


 なんかそのまま、なぁなぁになりそうだけど努力はする。

 ぶっちゃけ、そのへんの判断はルルにさせたい。

 私のような根無し草についてくるのか、それとも、大都市の孤児院でしっかり将来を見据えて過ごすのか。


 ……ま、安定面でいえば断然孤児院なんだよねー。


 小説の孤児院とかだとひどい目に合うのがデフォルトだけど、ほら、今にの私はネームバリューがあってですね、

 そんな英雄(?)のゆかりの子供に酷いことは早々できないってものですよ。


 ただ、そもそもが引き取ってくれるかどうかが問題なんだけどねー。


「そう言う意味では、昨日の段階であの議長さんに頼めばよかった……」


 いきなり国のトップに話すことでもないと思って後回しにしたのがまずかったかなー。

 つーか、ギルマスがダメって言うとは思わなかったよ。


「ながせー?」

「ん? あ、なんでもないよ──ご飯食べよ」


 今日は……コンビニはあとでいいや。

 敷地の広さを確かめてないし、出すのが面倒。


 それにほらっ! たまには事務室のホットスナック販売機も使わないとね!


「ほーら、好きなの選んでいいよー」


 なんせの今の私は超お金持ちー!

 わーっはははは!


「じゃーこれー」


 んっ。

 ルルの選んだのはパン販売機ー。


「いいチョイスだね。ジュースも飲む?」

「のむー」


 そして、コーラな奴か。

 朝から渋いぜ。


「おっけい。あ、それと小銭あげるからお替りは好きなの追加していいからね」

 小銭の詰まった、がま口財布をあげよう。

「はーい!」


 ん!

 可愛い可愛い。


 私も何か食べようかなーっと。あ、これにしよう。


「ホットスナックなハンバーガー♪」


 ふふん!


 皆は知らないだろうけど、チープなデザインのバーガーおじさんのイラストの欠いてる奴だよ。

 ちょっと昭和な空気のするレトロなやつだけど、味は本物なんだよねー。


「というわけで350円なりー」


 ポトン♪


「んー! これこれ!」

 この安いバーベキューソースの香りがいいんだよね。

 しなしなのレタスもまた乙なものさー。

「飲み物はシンプルにアメリカンコーヒー、砂糖マシマシ、ミルク多めー」


 これは元から事務室に置いてる奴。

 私の好みでコーヒー系は充実してるのだー。


「んー! いい香り♪ この自販機のコーヒーって世界も唸る味らしいよー」

「ながせー?」


 あ、ごめん。

 向こう(・・・)みて話してわ。


「なんでもないよー。お、いつのまに、そんなに……」


 渡した小銭でさっそく追加しているルルちゃん。


 たこやき、アイス、焼おにぎりに──ラーメンてなんか凄いね。統一感ゼロ。


「そして、まーよく食べること」


 最初に買ったパンとか一瞬で消えとるし……。

 まぁ、子供がたくさん食べるのはいいことだ。


「ってなわけで──完食ー」

「かんしょくー♪」


 ふぃ~!

 朝から血圧あがりそうなの食べちゃたー♪


「そして、くさーい!」


 (しょく)ごなしがてら、事務室の外にでれば、直撃するスラムのスメル(匂い)


 わーはは!

 やはり首都でも、スラムは超くさーい!


「そして、えへへー。見てみてルルちゃん、あっちに何が見えるー?」

「んー? 人ー?」


 そうそう。

 たくさんの人だ。


 首都なだけあって、大勢の人々が行きかい、昨日のベヒモスの攻撃とドラゴンの低空襲撃の後片付けをしている。

 まったく、一歩間違えれば町が壊滅していたかもしれないのに、人間ってたくましいね。


 そして──……。


「わかる?! 同時にこれは商機だよ、商機!」

「しょうきー?」


 うん!

 しょーき、商機!

 つまり、商売のチャーンス!!


「ほーら。皆、何してると思う?」

「んー。町の掃除ー」


 大正解!

 誰かさんが町をボッコボコにしたからね!


「しかも、聞けば──ベヒモスやら、オークやらのせいでこの街は絶賛物資が不足しているらしいよ」


 ドミトリさん達とはギルドで分かれたけど、

 泊まる予定の宿の値段を聞いてびっくり──……物価が上がっているのか、サンズベルトの5倍くらいの値段だった。


 稼いでいるはずのドミトリさんでびっくりしているってことは、この街の相場は相当にお高いのだろう。


「そこに来て、私が商売をしたらだよー……?」


 へっへっへっ、

 当然、大儲け間違いなーし!


「つまり!」

「おかねいっぱいー?」


「そうそう、お金いっぱい!」


 金貨もザックザク!


 ん?

 お前、もう稼いでるじゃん──と思ってる?


 ……あまいあまい。


 お金なんて使い出したら、あっと言う間に消えていくし、

 なによりジョブを鍛えるには魔物を倒す他、ジョブそのものの利用者を増やすのが一番てっとり早いのだー。


「そういうわけで、ここで商売しよー!」


 ガソスタその物には、客は来ないのは明白なので(そもガソリンを必要とする人が……いない)、もちろん、ここはLv2コンビニの出番だ!


 スパ銭でもいいけど、まずはコンビニ!


 そもそも首都のスラムはスーパー銭湯を広げるほど土地がそんなにないからねー。


「というわけで、どーーーーーん!!」



   レッツ召喚ッ!!



「あー、こんびにー♪」


 えへへ、ルルちゃんも大喜びのコンビニだ。


「あー、なんかちょっと懐かしいね」


 数日みなかっただけなのにね。

 なんだろね。


「ほら、好きなの買って食べていいからねー」

 はい、5千円。

「わーーーーい!」


 キーーーン♪ と、手を広げて早速コンビニに飛び込んでいくルル。

 うんうん、やっぱりコンビニの吸引力はすさまじいね。


「あーでもでも!! その後でレジとか品出しとか手伝ってねー」

「んーっ!」


 入口まで戻ってきたルルが親指をぐーっ!

 うん、ああいうのどこで覚えてくるんだろうね。


「十中八九アンタだよ」

「わ、びっくりした!」


 誰かと思えば、ドミトリさんか。


「いや、割とさっきからいたよ──」

「え? マジすか?」


 ……あ、そういや、コンビニ出すまでは閉店看板だしてたわ。

 『認識疎外』効果で気づかなかったのね。


「おうよ。アンタならそろそろかと思って待ってたのさ。……やっぱり首都でもやるんだろ?」

「そりゃーそうですよ。私ガソスタ店員なんで!」

「いや、どっちかっていうと、今のアンタはコンビニ店員……まぁいいか」


 うん。

 どっちもやってるからね!!


「あ、もちろん、今回は事前になし(・・)つけてきましたよー」

(※なし=OHANASHI──つまり、このへんのエライ人とのお話のことだよー)

「おぉ、ちゃんと学習してるね」


 とーぜん。


 昨日、ギルドを出る前にギルマスさんに言って、この辺の頭目に紹介状を書いてもらったのだー。

 金貨数枚包んだら、オッケーでたよ。


「あ、もちろん、議長さんにも後付けで許可もとったよー」

「感心感心。……アンタやっぱり頭はいいよね。──常識も、まぁうん、……あるし」


 だから、そこは即答してよ!


 常識の塊ですからね!

 日本人ですよ、ニホンジーーーン!!


「あ、そうだ。今日は初出店で混みそうだから、バイトしま──」

「「「「しない!」」」」


 ……ちっ。


 いつの間にかいたドミトリファミリーまで一斉に口を揃えやがったし。


「そうじゃなくて、普通に買い物にきたのさ」

「そうそう。おでん食いたいしな」「俺は酒とアイス」


 また通な組み合わせを……。


「僕は日用品を買いに来ました。やはり、首都とはいえ、物資不足で、色々入用になりました」

「あーそうみたいですね」


 なにせ、首都とはいえ、昨日まで絶賛ベヒモスとバトってたわけで──。

 流通が完全にストップしているらしい。


「──なので値段設定をどうしようかと考えてましたけど、ここは定価でいこうかと」

「あーん? アンタのいう定価はこの辺だと、破格なんだけどねー。……んー、まぁ、ぶっちゃけ今回はありじゃないかい? ちょっと町を見て回ったけど、どこの商店も酷い物だしね」


 まぁ、ベヒモスだのオークだのが大暴れしたのだ。

 商売どころじゃないわな。

 お店も空っぽだし、そもそも商会の大半が避難したっぽい。


「っぽいですねー。しかも、首都ってわりには、結構僻地ですよね?」


 なんか、森の際々(きわきわ)にあるしー。


「あぁ、もともとこの国は新興国でね。見ての通り、首都のすぐそばに大森林があるくらいに、僻地に都市を作ってマンパワーで開拓を進めて大きくなった国なんだが……」


 ふむふむ。

 すると──……。


「いざ、魔物なんかの氾濫がおきると、流通にもろにダメージをうけると?」

「そういうことさ」


 なーるほどなー。


 開拓時代のアメリカみたいなもんか。

 それか、日本で言うところの北海道開拓時代かね。寒波とかで孤立しちゃうやつ。


「そんなわけで、そもそも競合店が存在しないよ。どこの商店も商会も今は物資の輸送に躍起になってるか、首都からの撤退を考えてるところさね」


 いやいや、

 商人が首都から撤退って、それ、国が滅んでますやん。


「なら、通常通りに定価でいきますね──って、わわっ、もうお客さんが!」

「ながせー。レジやる!」


 お、おう!


 ルルちゃんが、力こぶ作ってやる気満々、さっそく客を捌き始めたけど、首都の人もまた順応力たけーな、おい。


「コンビニの噂が、首都にまで流れたみたいですよ」

 え?

 マヂ?

「って、ああ、そうか。……そういやサンズベルトとかオーク城塞前で営業してたし、そうなるかー」


 おそらく冒険者とか理にさとい商人がすぐに情報を流したのだろう。


 確かに客層を見てみると商人の奥さんっぽい、マダーーーム! たちが大挙して押し寄せてきていた。


 ……そして、まー買うわ買うわ!


「ながせー!」


 わーお。

 わりとノー天気なルルちゃんが焦るほどの大盛況だ。


 ちなみに、彼女はもろに魔族の見た目なのに誰も気にしてない……さすが商人系マダム。


「い、いまいくー! あ、バイトは」

「「「「だから、しない!!」」」」


 ちっ、

 しゃーねーな。


 まーいーや。

 暇そうな顔見知り捕まえたら無理やり引き込んでやるー。


「って、ちょっとぉぉ! そこな奥さん! そんなトイレットぺーパーいくつも買っちゃダメですって!!」


 もー!


 どこにでもすーぐ買い占めマンは現れるんだから。

 そのうち転売ヤーも出てくるんだろうなー。


「ま、転売対策は、商品を切らさないことだけどね」


 転売されるよりも流通を増やしてやるのだー。

 わーははははは、転売ヤーなんぞにイイ目をみさせるものかー。

 いっそ、転売を見つけたらそれを上回る流通量で勝負してやるぜ!


「そうなったら品出しの私の腕が死にそうだけどねー!」


 実際、コンビニのキャパで間に合うかどうかってくらいの客入りが予想される。

 なにせ、すでにもう、コンビニ前は長蛇の列で、ルルちゃんがてんやわんやの大パニック状態だ。


 待ってて、今行くー!!


「いらっしゃませー!」



 異世界ガソスタLv2へようこそー!

 (※コンビニ付きガソリンスタンド~♪)



「……つーか、こりゃ、暴動でも起きかねないくらい客入りが予想されるぞー」


 いや、なにか対策考えないとまずいね。



※ ※ ※



「というわけで、どーーーーーーん!!」

「んぎゃああ?! な、なんっじゃああー?!」


 議長の部屋へ乱入。

 直談判にやってきた次第でーす♪


 ん?

 その間の店のレジはいいのかって?


 そんなん暇そうなギルマスがいたのでレジを任せてきた。


 エルフだし、

 それくらい、よゆーよゆー。


 なんか「タバコ買うに来ただけなのに……」とかぶつくさ言ってたね。

 つーか、煙草買う時は、番号で言えや!


 ──な~にが、「セッタくれ」じゃ! 略すなボケ!

 セブンなスターも一種類じゃねーんだよ!

 パッケージもソフトとハードがあるんじゃボケぇぇぇえ!!


 ……と詰め寄ったら、なんかバイトしてくれることになった。


 いやー、助かったわ。


 基本は、無人レジなんだけど、店員で対応しなきゃ間に合わないんだよねー。

 なにせ、客が多すぎるうえ、さすがに捌ききれないばかりか、な~んか、微妙なものが売れて補充に困る。困る。

 なんでトイレットペーパーとか石鹸が売れるんだろね?


「いや、だからなんじゃぁぁぁ?! い、いきなり、人の部屋のドアを蹴破りよってからにー! 革命でも起こったかと思ったわーい!」

 いや、革命てあーた(アンタ)

 クーデターでも起こされるの身に覚えあんの??

「……そうじゃなくて。ほら、5分なら、対応してくれるって言ったじゃん?」

「言ったわ! 言ったけど、まずはアポをだなー。あと、社交辞令ってわかるか」

「知ってるけど、それが?」


 聖剣(刺突爆雷)にポンポンしながら粉をつけて手入れ中の議長を襲撃……もとい、直談判にきたんだけど、開口一番これだよ。


 まったくもー。


 つーか、あんたそれ、ポンポンしても意味ないぞ、日本刀じゃないんだから。


「はぁー……。「まったくもー」はこっちのセリフなんじゃがな。ったく、これだから外国人は。──で、なんじゃぃ? あー言うとくが、あの子供(・・・・)の話は聞いたぞ」

「え?」


 あ、ありゃ?

 話す前に釘をさされたぞー。


「あの子供。魔族だそうじゃな。……受け入れは無理じゃ。以上」

「いや、話を聞いてよ」

「聞かん聞かん。いくら勇者や英雄であっても、国の方針は(くつがえ)らんぞ──外国人のお主は知らんかもしれんが、この辺の国はどこもそうじゃ。それも、魔族と英雄の悲恋話と駆け落ちがあるくらいに、受け入れは無理じゃぞー」


 ぐっ。


 英雄と魔族の駆け落ち話があるってことは、あれか……。

 魔族の娘に恋をして──連れ帰ったけど、いくら英雄でも認められなかったとかそういうやつかー。

 つまり、ネームバリューだけではどうにもならないっていう事例がすでにあるってことね。


「む、むぅー。じゃ、じゃあ、どうしたらいい?」

「どうって……。無理なもんは無理じゃ──どうしてもというんなら、自分で国でも作れい」


 無茶いうなよー。

 しかし、一理はあるのかー。


「んー。じゃあ、国を興すくらいに名声を上げればどう? ほら、貴族とかになれば土地貰えるんでしょ?」

「そういう話もあるのー。実際、昔はそうやって被差別種族をかくまった稀有(けう)な奴もおる──じゃが、お主知らんのか?」


 はい?


「我が国は、人民評議会が収める連邦ぞ。……つまり、貴族なんてものはとっっっくの昔に廃止されたわ」

「んが!」


 じ、人民評議会ってやっぱり──……。


「お察しの通り、労働者と人民と人民の人民による人民のための国じゃ。我もほれ──あくまでも代表で、王でも貴族でもないぞ」

「ぬー」


 つまり、

 議長さんはいわゆる「総書記長」っと。


「じゃ、じゃあその兼は保留として」

「……いや保留もなにも、却下以前の問題じゃかららな? 人の話聞いてたか?」


 聞いてる聞いてる、

 右から左に抜けてるだけで。


「それは聞いとらんというんじゃが……」

「で、それはそれとして、土地かりていい?」

「はーん?」


 うん。

 「はーん?」じゃなくてぇ──。



「デッカイお店開くから、ひろーーーい土地かして!」




 というわけで、借りてきました広大な土地ー!

 直談判に来た目的「その2」を果たさせて貰いましたよ、


 この通り──。




「ふっふーい♪ あ~るもんだねー」


「いや、あ~るもんだねーっていうか、お主、人の話聞いてたか? これ(・・)、めっちゃ強引じゃったからな? 脈絡がないうえ、なんなら警備呼ぶ寸前じゃったからな?」


 そういってげんなりした顔でついて来たのは暇なのか議長さんである。


「いや、暇じゃねーんじゃわ」

 隣にはもちろんルルがいるけど、とくにお咎めなし。


「いや、聞けよ、ったく……。──で、商売用に土地って、何をする気じゃ? 見ての通り、開発予定地でなーんもないぞ? 城壁も作りかけじゃし、堀だってまだ」


 借りる予定の土地を城壁から見下ろす私たち。


 そこには円形の城壁に囲まれた首都のさらに外縁。出城のように出っ張っただけの作りかけの都市であった。


「まぁまぁ、それは見てのお楽しみということで、はい、どーん!」


  ブーン……。



  ◇ ◇ ◇


ジョブ:【ガソリンスタンド】

能 力:任意(一定条件あり)の場所にガソリンスタンドを召喚できる。

    また、Lvに応じて召喚するスタンドが進化。


Lv1→田舎のガソリンスタンド(仮眠室付き)

Lv2→地方のガソリンスタンド(コンビニ付き)

Lv3→県道沿いのガソリンスタンド(スーパー銭湯付き)

Lv4→都市郊外のガソリンスタンド(MEGAモール付き)


Lv4『購入オプション』

    Wifi  :購入済み

    上下水道  :購入済み

    ガス    :購入済み

    自販機(※): 10ポイント

    車検セット :100ポイント

    自動車保険 :100ポイント

    商用車(※):300ポイント

    ATM   :100ポイント

    おでん   :購入済み

    中華まん  :購入済み

    フライヤー :購入済み

    コーヒー販売:購入済み

    物産展   :購入済み

    漫画コーナー:購入済み

    マッサージ機:購入済み

    垢すり   :100ポイント

    岩盤浴   :100ポイント

    食事処   :購入済み


    立体駐車場 :50ポイント(NEW!)

    スポーツジム:100ポイント(NEW!)

    映画館   :100ポイント(NEW!)

    市民図書館 : 80ポイント(NEW!)

    広告用気球 :100ポイント(NEW!)

   各種専門店(※): 30ポイント(NEW!)


(次)

Lv5→高速道路インター付近のガソリンスタンド(遊園地付き)(NEW!)


備考:(※)表記はカタログあり。


 ◇ ◇ ◇


 どーん!


「な、な、な、」


 ──なんじゃこりゃぁぁあああああああああああ!!


 首都に響き渡る議長の声。

 その先に広がっていたのは、そう────!!


「メガモールだよー!」


 じゃじゃーん!


 収容人数数万人、

 車両駐車可能数3500台の超大規模モールの出現だぁぁあ!

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