夏日の狂想曲(サマーデイズラプソディ)-5
マキナ:(――――凄まじい出力だ)
【アガートラーム】を使用した直後のその出力にマキナは若干、慄いた。
使用した側が驚くのは違うかもしれないが想定以上の出力を発揮しているこの装備には流石のマキナも驚きを隠せなかったのである。
テスターとして【ガンクロウ】を任せていることもあってか様々な装備のテストを幾度か請け負ったこともあった。
いずれも後々の量産型アームズレイヴンへの配備を兼ねた装備の性能チェックのモノでそこまで威力面においてもごく普通の武装の域を出なかったのだ。
しかし、この武装――――【アガートラーム】だけは違う。
本来、武装というものは機体・人間問わず基本はそれぞれに“基本変わらない性能”を提供するのが標準的な常識と云える。
例えばファッションに関し基本誰が着てもそこまでアンバランスな感じにならない色合いのシャツやズボンなどがそれに当たるだろう。
【アガートラーム】をファッションとして例えるのならばスーパーモデルなど美容面に特化役職などで真価を発揮する様な“特別仕様”な逸品である。
基本的に誰でも使える様な装備とは違い、機体もオペレーターも厳選させる可能性の高い装備は割と手に余りがちな代物となるのが大半で【アガートラーム】はそれに該当している。
テスターを勤めているマキナとしても強力過ぎる装備はどうしても気が引ける。
だが今は必要なのは確かだ。
あの巨大な【ヘカトンケイル】に対抗するには度が過ぎるモノの方が対応もしやすいことだろう。
精密な出力コントールは【クロウ】が行ってくれる。
後は自分の制御操作がカギを握っている・・・そういうことだ。
マキナ:「【クロウ】――――機体の各部状況は?」
クロウ:『全体の蓄積ダメージは現在65%。危険水域ではまだありませんがこれ以上の長期運用は推奨できません』
マキナ:「わかってる――――だから決めに行きます!」
クロウ:『了解』
【ヘカトンケイル】の方も【アガートラーム】の脅威を感じたからか敵意をこちらに向けていた。
周囲に散らばっていたコンテナの残骸だけではなく、避け損なって大破した【サイクロプス】すらも投擲の材料としてぶん投げてくる。
オペレーターはもう脱出しているので問答無用で【アガートラーム】の出力を持って【サイクロプス】を溶断する。
マキナ:「向こうもなりふり構わずになってきているな・・・」
ミカサ:『マキナ!!』
マキナ:「大丈夫ミカサ。必ずキミの声を届けさせるよ!!」




