213匹目 お伽の国のアリス
《召喚モンスター:ミズキがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《召喚モンスター:ノゾミがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
《召喚モンスター:イナリがレベルアップしました任意のステータスを上昇してください》
ミズキ 影梟
Lv42 → 43
体力 12 → 15
筋力 11
敏捷 50
器用 12
魔力 85 → 87
精神 44
スキル
輸送機 索敵 夜目 光速飛行 風魔法 雷魔法 影魔法 麻痺の魔眼 高速詠唱 エコ魔法 回避 幻惑耐性 混乱耐性 教導 隠密 魔力隠蔽
ノゾミ 聖歌にゃん
Lv40 → 41
体力 10
筋力 16
敏捷 31
器用 72 → 75
魔力 45 → 47
精神 35
スキル
隠蔽 気配察知 夜目 登攀 歌唱 聖歌 魅了 回避 耐寒 幻惑耐性 混乱耐性 二枚舌 開錠 隠れ蓑(NEW)
イナリ 妖狐
Lv33 → 34
体力 16
筋力 14
敏捷 44 → 45
器用 15
魔力 50 → 53
精神 17
スキル
爪術 火魔法 狐火 幻術 並列詠唱 幻惑無効 物理耐性 火属性耐性 混乱耐性 隠形 夜目 防御 回避 暗殺 騎獣
レベルアップは3人だな。んで、ノゾミがまた変なスキルを覚えてる。タゲを他者に擦り付けるスキルみたいだな。イナリの幻術にすら押し付けられるとかマジ有能。ただ、歌手からは離れていってる気がするけど、それは今更か。
さて、戦闘終了処理も終わった所で改めて。
「グリフォンのけんぞくぅ~ゲットだぜ!」
「クルルゥ!」
「きゅい!」
「……あんたって時々意味分かんない事言うわよね……」
クレアにしみじみと言われた!
いや、自分でもよく分かんない事を叫ぶ時があるけどね。
でも折角のゲームだし、楽しいの第一でいいと思うよ?クレアも言ってみ!はい!フォローミー!
「え?えぇ?く、クレアちゃんのけんぞくぅ~にしてあげようかぁ?……って!何言わせんのよ!噛み殺すわよ!」
「きゃぁ~!けんぞくぅにされるぅ~!」
まさかのクレアがオオカミじゃなくってヴァンパイア説急浮上中!
まぁ、何度か噛まれた事あるけど吸われた事は無いから違うと思うけどね。というかこのゲームにヴァンパイアとかいるんだろうか?このゲーム血が出ないからすぐに餓死しそう。トマトジュースが主食なのかな?なにその平和な種族。
「クルルルゥ~?」
「あ、後でちゃんと召喚するから一旦この本に入っててくれるかな?」
「クルゥ!」
俺の胸にぺったりと張り付いているベビーグリフォンにお願いすると、ちみっこい羽根を必死でパタパタして数十センチ飛んで俺が手に持つ本に飛び込んで消えていった。ええ子やわ~。家に帰ったら召喚するから待っててね~。
《ベビーグリフォンの封印率が100%になりました》
《ベビーグリフォンが封印完了しました》
「んじゃ、帰りますか。だいぶ眠いしな」
「きゅぃ~」
既にリアルでは日付が変わってるしな。そろそろ眠気で判断が鈍りかける頃合いだ。ボーパルもねむねむでおめめ擦ってるしな。ボーパルのおめめが更に真っ赤になる前にお家に帰ろう!
「えぇ、そうね。あたしもこんな所に長居はしたくないもの。それにアリスも早く家に帰してあげたいし」
「そういえばアリスはまだ気絶してるのか?」
戦闘が終了したから状態異常は解除されてるんじゃないのか?
と思って部屋の隅で寝かせられているアリスの方を見てみたんだが……
……なぁ運営さんよ。口が大きく広がるワイヤースカートって確かにすっごくかわいいと思うよ?アリスの幻想的でかわいい容姿にもすごくマッチしてるし。俺も着てみたいぐらいだしね。でもね……
床に寝かされている時にスカートの形状が維持されたままなのはまずくないですかねぇ?
色んな意味で防御力0だよ!むしろマイナスに振り切ってる可能性まであるよ!
ま、まぁ。俺のスカートみたいに見えない呪いでもかかってるのかも知れないけどね。いや、確かめないよ?そこまで変態じゃないし。あ、でもウサギ尻尾の付け根はちょっと見てみたいかも。スカートが腰の位置から膨らんでるのにウサギしっぽがスカートの外に付いてるのが気になってたんだよね。
……
「アリスの様子はどうなの?」
「―――いっ!いやいや俺はちょ~っとアリスの容態を確認してるだけだからね?ホントホント。やましい気持ちとか無いしマジで!」
セクハラじゃなくて医療行為だって。完全に善意だよ善意。
「……あんた自分で言ってて怪しさが爆発しすぎてると思わないわけ……?」
……実はほんのちょっと感じてます。はい。
だからそんな凍てつくジト目で俺を見ないで!さっきのグリフォンみたいに氷漬けになっちゃう!
「はぁ~。まぁ、いいわ。それでアリスの様子はどうなのよ?目を覚ましそう?」
「お、おう。状態異常は全部解除されてるし、いつ目覚めてもおかしく無いんだが……」
「ぅ、うぅん……」
と、噂をすればなんとやら。
柔らかさなど微塵も無い猛反発石枕で床に寝かせられていたアリスの長いまつ毛がふるふると動いたかと思うと、ゆっくり開いていき、宝石の様な碧眼がこちらを見つめた。
金髪碧眼ウサミミ幼女とは運営も分かっているじゃないか。アリスの瞳は青よりの緑で、気絶している時もお人形さんの様なかわいらしさがあったが、目を覚ました後はその大きく綺麗な瞳も相まってさらにお伽の国の住人度が上がっている様に見える。
というか、今気づいたが金色の髪に青緑の瞳ってグリフォンの特徴と同じじゃね?そういえばグリフォンもアリスの事をワタシの巫女だ~みたいな事言ってたしな。それどころじゃ無かったからうろ覚えだけど。
「アリスッ!」
「え?く、クレア?ど、どうしましたの?あれ?ここは……たしかわたくしは……悪い人に攫われて……それで……」
アリスが目覚めて身を起こしかけた途端に飛びついたクレアが、アリスのフリルたっぷりの胸に顔を埋めてえぐえぐチーン!としだし、頭がハテナで一杯な表情をしていたアリスが、気絶する直前の記憶を思い出したのか綺麗な碧眼を曇らせた。
マズイな……アリスの胸元がクレアの涙と鼻水でベトベトになってきてるのもマズイが、アリスの表情が曇ってるのがいただけない。
だって……アリスの呟きと今の状況を繋げたら確実に俺が誘拐犯みたいに見えるじゃん!!
いや、クレアが居るんだから勘違いのしようが無い気もするけど、攫われたエルフの子供を森に返しに行ったら誘拐犯と間違えられて襲われるのとかテンプレだしね。
クレアの説得で直ぐに誤解は解けるだろうけども、一瞬でも金髪碧眼ウサミミもふもふ美幼女に怯えられるとか心が折れるよ!俺のハートはガラスハートなんだからね!労わって!ねぇ早く労わって!癒しのもふもふを我が手に!
まぁ、誰も助けてくれないので自分でなんとかしますけどね。
「始めましてアリス。俺の名前はユウ。プレイヤーでクレアの友達だな。
今の状況としては俺とクレアでアリスを攫った悪い人をボッコボコにしてアリスを助け出した後だ。OK?
つまり、俺はアリスを誘拐した犯人とは一切関係無いからね?ホントホント。やましい気持ちとか無いしマジで!」
「あんたに学習能力ってないのかしら……?というかあんたユウって名前だったのね。今までプレイヤーって名前だと思ってたわ」
鼻水ズビズダーのクレアに告げられた衝撃の新事実!あ、あれ?第五層に来てから名乗ったこと無かったっけ……?一切不自由なかったから気づかんかった!てか、プレイヤーは名前じゃなくって……なんだろ?職業じゃないし種族じゃないし……分類?なんかそんな感じのやつだよ!
「えっとねアリス。こんなバカで隙あらば尻尾を触ろうとしてくる変態だけど怪しい奴じゃ……怪しい奴でもあるけど、悪い奴じゃない……はず、よ?」
「その説明で何を安心しろって言うんだよッ!」
全くフォローできてねぇ!むしろフルボッコだよ!俺が殴り殺した神父よりもボコボコだよ!?精神的に!
「いやいや、俺めっちゃ頑張ったじゃん!アリス救出の立役者だよ俺!?むしろ捕らわれのお姫様を助け出した王子様として称えてもいいんだよ?」
「え~?あんた王子様って柄じゃないじゃない」
確かに王子様って呼ばれるのは嫌だけどもそうじゃなくって!もっとこう……ねぇ?クレアが分かんなくてもアリスなら分かってくれるよね……?
「えぇ……えぇ!もちろん分かりますわ!」
「ぁ……」
と、キラッキラした瞳で俺を見つめて力いっぱい断言するアリス。
いや~。アリスちゃんは素直でいい子だねぇ。俺を憐れみの目で見ているクレアも見習った方がいいよ?
……ん?憐れみの目?なんでクレアは俺をドナドナされる仔牛を見るような目で見てるんだろ?
ガシィ!
「うおっ!?ど、どうしたのアリス?」
「ずっと、ずっとこの日を夢見てましたの!わたくしの王子様!!」
唐突に俺の手を取りクレアの諸々でグチャグチャの胸に引き込んだアリスが、キラッキラとした……まるでお伽噺の登場人物に向けるような瞳を俺へと向けてそんな事を叫んだ。
えぇっと……だ、誰か説明プリ~ズ!!
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想の方へお願いします。
VRMMOでサモナー始めましたの1巻が・・・じきに発売予定!お楽しみに!
今回ついに目覚めたアリスちゃん!グリフォンを出す事とアリスが金髪碧眼なのは決まってたけど、まさか2人に共通点があるとはね。さっき知ったわ・・・
まさかそんな伏線があったとはね。ビックリだよ。
アリスちゃんは10才ぐらいかな~。年齢だけ言われても想像できねーよって言う素人の諸君にも分かりやすく言うとパ〇聞きのみうちゃんぐらい。
精神的にはあそこまで成長はしてないけどね。アリスちゃんは夢見るウサギ少女ちゃんなのです。
お伽の国のアリス・・・一見いい意味に見えるよね~(目逸らし)
まぁ、悪い意味とも言わないけども。アリスちゃんかぁいいし。お持ち帰りぃ~♪




