214匹目 運命で結ばれた2人なのですわ!
最近1800件を超えた感想を読み返すのに嵌ってるテトメトです。
てか多いよ!読み返すのも一苦労だわ!いつもありがとう!
「ずっと、ずっとこの日を夢見てましたの!わたくしの王子様!!」
唐突に俺の手を胸に引き込んだアリスが、キラッキラとした……まるでお伽噺の登場人物に向けるような瞳を俺へと向けてそんな事を叫んだ。
ちょっ、クレアさん説明プリーズ!
「えぇっと……アリスはね。ちっちゃい頃から王子様に憧れてるのよ。
でも王子様に憧れるのは女の子にはよくある事じゃない?それにアリスは「王子様に似合う立派なお姫様になる!」って言って、勉強も家事もいっぱい頑張ってたからアリスの周りの大人もそれを応援したのよ。
それで……アリスは自分の喋り方も変えて、自分で縫ったドレスをずっと着るようになって、「わたくしの王子」の話を一日中する様になって……
最初はおままごとをする子供を見守るみたいに微笑ましそうにしていた大人達が「何か変だな?」って気づいたときにはもう手遅れになってたのよ……
で、でも大丈夫よ!アリスは家事万能で頭もすっごくいいんだから! 」
「その説明で何を安心しろって言うんだよー!」
微塵も安心できる要素が無いんですが!?
重いよ!?なんか色んなものが俺の小さな背中に子泣きジジイの様にのしかかってる幻影が見えるよ!
「いやいや。アリスはすっごくいい子なのよ?このあたしとお友達で居てくれるぐらいなんだから!王子様にさえ触れなければだけど……」
「クレア!クレア見てください!!ついに、ついに王子様がわたくしを迎えに来てくださいましたの!夢みたいですわ!いいえ、夢が叶いましたわ!」
「……クレアさん。クレアさん。アリスは俺をその王子様と思い込んでいるみたいなんですが、どうすれば良いのでしょうか?」
俺の右腕に抱きつき、蕩ける様な笑顔で頬ずりをするアリスを、必死で目を逸らすクレアの視界に差し込んで問いただす。
友達なら当然対処法は分かってるんだよねぇ……?
「え゛っ、え~っと、う~んと……えへっ♪」
「笑って誤魔化すな!」
輝く様な笑顔頂きましたー!
かわいさ余って憎さ100倍だよこんちくしょう!
「頼むよクレア……クレアにしか頼めない事なんだ」
「しょ、しょうがないわね~。分かったわよ。一応友達として説得してみるけど……あんまり期待しないでよ?」
クレアチョロいぜ。まぁ、クレアの言う通りあんまり期待はできないけど、やらないよりはマシだろう。
……なんかもう失敗する未来しか見えないけどな。
なにせ今日の今までアリスの思想を正せなかった実績持ちだしね……
「アリス?その……ね?あたしが口を出すのも変だけど、パートナーに選ぶのはそいつだけは止めておいた方がいと思うわよ?
アリスは知らないだろうけど、そいつ畑泥棒の変態なのよ?
そりゃぁ、困っている人を見捨てられない優しくって、この町でおばあちゃんの次くらいに強いし、ここぞって時に決めてくれる主人公みたいなやつだけど……はっ!べ、別にあたしがアイツの事を好きとかじゃないからね!勘違いしないでよ!」
「やっぱりわたくしの王子様は素敵な方ですわ!!」
「クレアお前どっちの味方なの!?」
そこでツンデレいらねーよ!さっきの俺の紹介の時みたいでいいんだよ!むしろさっきそれを言ってくれよ!やらない方が全然マシだったよ!
「あっ!ち、違くて・・えっと……そう!アイツはアリスと同じ女の子なのよ?王子様っておかしいじゃない!」
「ぐはっ!」
び、微妙に俺の心を抉る攻撃を!
だが、これは起死回生の一手だ!アリスが俺を女の子だと思っているのならば俺=王子様の図式は成り立たない!つまり俺の勝ちだ!!
……なんか、アリスが俺を女の子だと思っている前提ってのがアレだけども……肉を斬らせない為に骨を断たせてる感が……き、気のせいさ!うん!
「……クレア。貴方に良い事を教えて差し上げますわ。わたくしが読んだ文献によれば、愛とは障害が付き物なのです。今まで王子様に出会う事すらできなかった事に比べれば性別の差など些細な事ですわ!」
「そ、そうかしら……?」
性別の差は絶対些細な差じゃないって!比較対象がおかしすぎるだけだよ!気づいてクレア!!
「そうなのですわ!そんな事よりもわたくしが知らない王子様の話をもっと聞かせてくださいまし!わたくしはもっともっと王子様の事を知りたいのですわ!!」
「え、そうねぇ……あたしがあいつと出会ったのは今日の夕方の麦畑でね、」
「ストーップ!!クレアチョロ過ぎかよ!3分で丸め込まれてるじゃん!」
クレアのチョロさは諸刃の剣だったのか……まさかこんなあっさり裏切られるとは。手のひらクルクルかよ!
「なにようるさいわね。あたしは今アリスとお話してるのよ。邪魔しないでくれる?」
「いやいや、当初の目的を忘れるの早すぎない!?アリスに俺を王子じゃないって説明するんじゃなかったの!?」
あれ!?気のせい!?確かにクレアは友達を説得するとしか言って無かったけど……
「たしかに言ったけど……そもそもあんたはアリスの何が不満なのよ?こんなにかわいくてあんたの事を慕ってくれてるのに、何で邪険にしようとするの?と言うか黙って抱きつかせてる時点で説得力無いわよ?」
「え、そりゃもちろん……」
もちろん……なんでだっけ?あれ?そういえばなんで俺はこんなにアリスを警戒してるんだっけ?アリスめっちゃかわいいしウサミミ金髪碧眼幼女だし、嫌う要素は1つも無い所かむしろこっちからお近づきになりたいぐらいなんだが……
というか別にアリスの事を嫌いじゃないしな。ただ警戒してるだけで……あれ?俺はアリスの何を警戒してるんだっけ?別にアリスに何か嫌な事をされた訳でもないのにな。
「そんな……王子様……王子様はわたくしの事が……お嫌い、ですか?」
「俺がアリスを嫌いになる訳がない!」
はっ!つい条件反射で宣言してしまった!
いや、でももふもふウサミミ金髪碧眼幼女が指を組んで涙目の上目遣いでそんな事を言ってきてるのに嫌いだって言えるやつは人間じゃないって。マジで。
ほんと、ちょっと前の俺は何考えてたんだろうな?アイツ人間じゃねーよ。
なんて言うか……アレなんだよね。別の世界から色んな人の電波が届いてたんだよ。アリスは病み属性だ。地雷だ。ヤンデレストーカーだ。みたいな怪文がどっかに投函されてたんだって。マジで。俺は悪くねぇ。
「嬉しい!やっぱりわたくし達は運命で結ばれた2人なのですわ!」
「あー、うん。そうだな運命だな……」
アリスと出会ったのはウツロおばあちゃんからの依頼で、ウツロおばあちゃんからの依頼は町の依頼をいっぱい達成したからで、町の依頼をいっぱい達成したのはもふもふの好感度を上げるためだからね。
俺が俺である限りもふもふの好感度を上げるのを躊躇ったりはしないから、俺とアリスが出会うのは必然。ある意味運命だわなぁ。
「~~~♥」
「おっとっと」
声にならない声をあげて跳びついてきたアリスを抱きとめる。筋力があんまり高くないとはいえ、俺よりもちみっこいウサミミ幼女ぐらいなら余裕でだっこ出来るぜ。
「おうじさまぁ……・」
今まで年の割にしっかりとした口調で話していたアリスが初めて子供らしい舌ったらずな声をあげた。
胸の前で小さく折りたたんだ両手で俺の胸を握りしめたアリスが少し潤んだ瞳で胸元から俺を見上げてくる。
なんだよぉ~。かわいいなぁ~。頭なでなでしちゃうぞ~?
「―――――もうっ!そういう事は家でやりなさい!ほら!帰るわよ!」
「あ、ちょっ、クレア~?」
「ぁ、ぅんん。おうじしゃまぁ……」
アリスを抱きしめた俺ごとクレアにずりずりと部屋から引きずりだされた。
クレア力強くないい!?あれ?こんな強かったっけ……?と思ったが、そう言えばクレアとはパーティを組んでたんだったっか。つまり俺達に入った経験値と同じだけクレアにも入ったって訳で……そりゃレベルも上がるよな。
まぁ、一回の戦闘で上がるレベルは1までだからあんまり関係ないのかも知れないけどね。
「ホー?ホー!」
「きゅい!」
俺達が退室したのに気づいたミズキ達が慌てて追いかけてくるのを眺めつつ、臭い付けをするように俺の胸に顔を擦り付けてくるアリスの頭をなで続けた。
色々あったが……まぁ、ハッピーエンドって事でいいんじゃないかな?めでたしめでたしだ。
もふもふ!
誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。
誰だよこんなかわいいアリスちゃんが危ないとかって電波送った奴は!謝って!アリスちゃんに土下座で謝って!
いいよね~。甘々ウサミミ幼女。このまま大きな変化もなく、最終回まで甘々だったら万々歳なんだけど・・・ねぇ?




