貴方は・・・本当に何者なの・・・?
そんなこんなで、気を取り直し、
「よく気づきましたね。貴方は、本当に何者なんですか?」
「さぁな」
「どうせ全部バレているだろうから話しますけど・・・私の特殊能力は『嗅覚』です。私があの”何か”を放てるのも、貴方の能力をコピーして使用したものです。私も、その時点で疑問があるんですよ。どうして、貴方は特殊能力を解放していないのにあの能力があるんですか?」
「それは、どういう意味だ?」
「本来、私の特殊能力は発動することが出来ても、効果は出ないんです。だって、この世界の人間はまだ誰も特殊能力を解放していないですから。私の嗅覚は、特殊能力を解放している人間にしか発動しません。なのに、特殊能力を解放していない貴方から、その”何か”をコピー出来たのは何故ですか?」
「そんなの、俺に聞くな。俺に聞かれても、わからん」
事実、特殊能力は解放していない。それに、異能力だって封印しているからコピー出来るはずがない。
「とにかく、そういうことだな。正直に、今のお前の勝率を言ってやると・・・1割未満。と言ったところか?」
「とんでもない自信ですね」
「そりゃそうだ。俺は、そのナイフにさえ当たらなければ、お前の特殊能力は発動しないからな」
「ほんと、面倒ですね。まぁ、やるなら最後まで戦ってあげます。先ほど言った通り・・・貴方に殺されるなら私は本望です」
「ハッ。そっか・・・」
そうして俺は、再び動き出した。あいつが特殊能力を発動させない限り、俺が負けることはまずない。だって、俺は神だから。神であるが故に、この世界で俺に勝てる人間は存在しない。それが、Sクラスの生徒であろうと、ラズであろうと・・・。
「さぁ。耐えてくれよ・・・!!」
俺は、その銃を握って、そいつに発砲した。
<<キーン>>
希空のナイフで、銃弾が弾かれる音がした。
「何度だって撃ち付けてやるよ!!」
銃を乱射しながら、俺は距離を詰めてそいつにナイフを振り下ろす。
「くっ・・・!!」
「所詮俺には敵わねぇよ。さぁ、どうやって乗り切る?お前は、銃弾を交わしながら俺にそのナイフで傷を与える必要があるんだぞ?」
笑いながら、俺は攻撃を続ける。そろそろ、この構図も飽きてきた頃合いか。だったら・・・
「やるか」
そうして、俺はナイフを口に咥えて、空いた右手を使って・・・刹那、そいつの腹にパンチを食い込ませた。流石に、対応することが出来なかったそいつは、体を吹っ飛ばせた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「息を切らしてるな」
「い、いや。まだ。まだ・・・戦う!!」
「残念だ。次期に、お前の体は動かなくなるだろう」
これで、動けるまでに回復するほどの治癒能力を持っているなら、流石に笑うしかない。・・・だが、それは神の力にも適応するか?
「私はまだ立てて・・・!!って、え・・・?」
数秒も立たないうちに、立ち上がったそいつは崩れ落ちた。
「だから言っただろ。もう、どこも動かすことが出来ないんじゃないか?」
「な・・・なんで。なんで、動かないの」
「骨を粉砕した。神経を、壊した。だから、お前は動かない。いくら、お前の治癒能力が優れていようと、もう回復することは出来ないだろうな」
「はぁ。つまり、負けたってことですか?」
「あぁ。そういうことだ」
あとは、俺が確殺を入れるだけ。銃口を、そいつの脳に向ける。
「最後に、話させてください」
「あぁ。猶予を与えてやる。・・・しかし、話し終えた瞬間、俺はこの銃でお前の脳を貫くからな」
「大丈夫です。私は、貴方に殺されて幸せです。だって・・・私は、貴方が好きですからね。貴方以外に殺されるくらいだったら、自分で腹でも切って死んだ方がマシです。それと・・・本当に、貴方は何者なんですか・・・?」
それを言い切ると、そいつは目を閉じた。あぁ。殺せ。ということだ。だから、俺はその銃の引き金を引いて・・・。
<<バーン!!>>
その弾丸は、そいつの頭を貫いた。血が、ダラダラと流れる。
「俺は何者か・・・」
俺は、正真正銘の”神”だ。
それから数分後、希空の死体を見つけた生徒が会議を開いたことによって、またその場所へと集められていた。
「情報によると、Fクラスの生徒、希空が殺されたそうだ。・・・流石に、これだけ人数がいてアリバイを聞き込むのは時間がかかる。だから、一旦保留にしよう。このゲームにおいて、犠牲が出てしまうのは仕方がないことだ。我々が勝利するために貢献してもらうことにしよう」
「やっぱり、アイツおかしくねぇか?自分が殺したから、いいように自分が投票されないように仕向けてねぇか?」
隅々で、そんな憶測が聞こえてくる。まぁ、流石に考え付くわけがないか。まさか・・・殺し屋が、俺たった一人だってな・・・。




