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彗星に願いをこめて  作者: 姫
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冬服がほしいかも

楽しかった修学旅行が終わり、日常の生活に戻る。

「真央、おはよ」

「おはよ、なんか最近寒くなってきたよね」

季節は11月になり、朝晩が少しずつ冷え込むようになってきた。

「もうすぐ冬だもんね。そろそろコートの時期かな」

香蓮に言われ、真央はハッとなる。

そういえばコートないや…それに冬服も…

うー…バイト代だけじゃ足りないかも…

とりあえず見てから考えよう。

「香蓮、帰りにちょっと服とか見に行かない?」

「木谷と行けばいいじゃん」

もはやネタになってしまったこのパターンに真央は飽き飽きだ。

「もう今後は香蓮と服とか買いに行くのやめようっと」

「ひどーい、なんでそんなこというの?」

「だって龍弥と行けっていうから。だったら香蓮とはもう行かないってことになるよ」

「冗談!真央怒ってる?」

真央は少しムスッとした顔をしてから、すぐにニコッと笑った。

「怒ってないよ、たまにはやり返さないとって思ったから」

香蓮も笑ってから、少し気まずそうな表情に変わった。

「でもごめん、今日は佑太と約束が…」

なんだ、どっちみちダメなのか。

ちょっと残念な気分だったが、一緒に行ってくれる人はほかにもいる。

「大丈夫、巴菜誘ってみるから」

その巴菜は、あっさりとOKしてくれたので一安心だ。

それに、正直服を見る場合は香蓮より巴菜のほうがいいと思っている。

真央の服の趣味が香蓮より巴菜のほうが合っているからだ。

「見るだけ?」

「うん、とりあえずいくらくらいかなって」

「冬服は高いもんね。コートとかブーツとか、それにニットでしょ、ワンピとかも厚手のほうがいいし」

ほぼ新規で買い換えないといけなそうだ。

値段を見てからじゃないとなんともいえないけど、

やっぱりバイト代だけじゃ足りなそうだな…

「なんの話してるんだ?」

龍弥がひょこっと現れた。

最近の龍弥は、昔のように教室内でも普通に話しかけてくるし、

同じように真央も話しかけている。

まだ付き合ってはいないが、さすがにまわりももう冷やかさなくなってきたので

気まずさや照れくささはなかった。

そして、真央を通じて香蓮や巴菜ともよく話すようになっていたので、

慣れたのか、どの女子に対しても以前のようなたどたどしさはなくなっていた。

どうやら、真央を通じて香蓮や巴菜と話しているうちに、いつの間にか克服したらしい。

やはり慣れというのは大事だ。

「龍弥もくる?」

「どこに?」

「服とか見に」

「い、いかねーよ」

予想通りの返事だった。

龍弥はこういうのが苦手なので、真央も行かないのを知っていて聞いている。

それに、服を見に行くなら同性といくほうがいい。

「あのさ、どうせならちょっと遠出しない?ちょっと高いんだけどすごくかわいい服があるお店あるの!」

巴菜が言うと期待値が上がる。

どんな服があるのか見てみたかったので「いいよ」と返事をした。


放課後になり、電車で30分ほどかけて若い子向けの服などの店舗が

たくさん入っているビルにたどり着いた。

平日の夕方ということで、同い年くらいの高校生たちが結構いる。

「巴菜、なんてブランドなの?」

「ロマンスドールだよ」

真央もロマンスドールは知っている。

いかにも女の子という雰囲気の服ばかりで、雑誌などでかわいいなとは思ったものの、

実際に着るのは恥ずかしいと思っていた。

「ロマンスドールは無理だよ…キャラじゃないもん。それに高いし…」

「わたしもそう思ったんだけどね、いざ行ってみたらすごく楽しかったの!全部揃えるのは無理でもコートくらいならよくない?わたしも何着か持ってるんだよ」

「うー…」

初めてシャーロットフランシスに行ったときよりも緊張する気がする。

それほどまでに女の子なお店だからだ。

似合う似合わないという話になれば、

自分では似合わないと思っていたので、行くのに勇気が必要だった。

いざお店の前に着くと、そこはもう男子禁制な雰囲気を醸し出しているほど

ガーリーな世界だったので、思った以上に躊躇ってしまった。

ところが、巴菜は何事もなかったかのように、店内に入っていく。

ついてこない真央を巴菜は不思議そうな顔で見ていた。

「真央、どうしたの?」

「ど、どうしたのっていうか…」

「ほら、早く」

巴菜に腕を引っ張られ、店内に足を踏み入れてしまった。

やっぱり場違いだよ、ここは…

かわいい服は好きでも、ここの服は可愛すぎる…

巴菜はいろんな服を手に取って「かわいい」を連呼していて、

真央はそれに頷くのが精いっぱいだった。


あーあ、今日は暇だな。

平日とはいえ、全然お客さんがいないのも珍しい。

ま、たまにはこんな日があってもいいかな。

のんびりと商品を整えていたら、制服姿の女の子が2人やってきて

お店の中へ入ってきた。

お、お客さん登場!

ちょっと浮かれながら近づいて行った。

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