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彗星に願いをこめて  作者: 姫
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誕生日デートに誘われて

今日も寒い…

手袋にマフラー、そしてコートを着て家を出ると、同タイミングで香蓮もやってきた。

「おはよー、寒いね」

「うん、息が白いよ」

いつものように学校へ向かって歩き出す。

真央も香蓮もスカートの下にはタイツを履いていたが、それでも脚が寒い。

「寒いとき女子って大変だよね。やっぱりズボンのほうがここまで寒くなかったもん」

「やっぱりそうなんだ。真央は男子に戻りたいの?」

「んー…わかんない。今は今で楽しいし、男の頃は男の頃で楽しかったし」

この意見は夏の頃から変わっていない。

男は男の、女は女の楽しさがあり、どっちも辛いときは辛いというのを知ったからだ。

だから無理に戻りたいとも思わないし、戻ったら戻ったでいいと思っている。

「でも男に戻ったら木谷と付き合えないじゃん」

「うっ…そしたら友達に戻るだけだよ」

「キスまでしたのに?」

「もー!そういうこと言わないの!」

そんな話をしながら進んでいき、話題は別へと変わっていた。

「そういえば、もうすぐ誕生日じゃん」

「あ、そういえば…」

「また忘れてたの?真央ってイベント事だけは疎いよね」

「だって…あまり気にしてなかったから…」

こういうところは相変わらずなままだ。

「でもよかったね、木谷が祝ってくれるから」

そういうことだったのか…

一昨日の夜、龍弥から今度の日曜にデートをしようと誘われていた。


「どこに行くの?」

「遊園地」

「どうしてまた急に…?」

いつもは優柔不断で、なかなか行先が決まらないのに、

今回は珍しくスパっと決めていたので不思議に思った。

「たまにはデートらしいことをしようと思っただけだよ。特に出かけたりしてなかったから。いいだろ?」

「うん」

わたしは龍弥と出かけるならどこでもいい。

「じゃあ決まりな。寒いから暖かい格好してこいよ」

「わかってる、龍弥もね」


龍弥と遊園地で誕生日デートか…それならそうと言ってくれればいいのに。

龍弥なりのサプライズのつもりなのかな?

正確には、その翌日が真央の誕生日になるが、前日が日曜なので立派な誕生日デートだ。

「なにニヤニヤしてるの?」

香蓮が覗き込みながら、ニタリとした顔をしていた。

「う、うるさいな。別にいいじゃん」

すると、後ろから勢いよく肩を叩かれたので振り返る。

「朝から楽しそうだね」

「聞いてよ巴菜、真央が誕生日に木谷と」

「あー、もうその話はおしまい!」

真央が大きな声を上げて話を終わらせようとするが、そんな簡単に終わるはずがない。

「ちょっと、わたしにも教えてよ。誕生日のデートでしょ?どこ行くの?」

朝から賑やかな3人組だった。

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