レイド戦 ゴブリンキングⅡ
あれから時間が過ぎて俺達のMPが完全になくなってしまい近接戦闘で何とか競り合っているのだが
「後ろが持たないなこれ」
勢いで勝てる状況ではないのは分かっていたが門側にいたプレイヤー達が少しずつ後退して行っているのが分かる。俺と同じで回復アイテムなどがなくなり前線を維持できなくなってきているのだ。その結果引き付けてくれていた分のゴブリンがこちらにタゲを向けてきているのだ。
「グァ!」
「スーー!」
「分かっている。ゴウカもスミンも周りのことは頼んだよ」
ゴウカとスミンには周りのゴブリンを見てもらい危なくなったら声を上げて知らせてもらうようにしている。ゴウカは左右でスミンは後ろを任せている。これのおかげでゴブリンキングを相手しながらもなんとかなっているのだが
「スー!」
「ッ!」
後ろからのゴブリンの攻撃を何とか避けているてか何とか生きているだこれ!何も解決してない!!どうしよう俺も引いた方がいいのだろうかああ誰か教えてくれ!!そんな叫びを上げたくなっていた時コールがなる。少ない好きでコールを出る誰なのか見る暇さえないので誰なのか分からなかったが出たのはアリアさんだった。
「ソラウミさんその・・・大丈夫ですか!」
「大丈夫じゃないです!」
なんて言えばいいか分からないのは分かるがもうちょっと何か
「す、すいません。それでは手短に言います。前線は再度編成に少し時間がかかります。こちらの準備が終わったら合図に魔法の一斉攻撃をしますのでその時に引いてください」
「了解!」
コールを切り回避に集中していく。
「ゴォーー!」
「ゴブリンキング、お前の攻撃は確かに危険だがそれはレイドでの話だ」
キングの攻撃は一体多数を想定した動きと攻撃であるため一人を狙うには大振りになってしまう。
「・・・いやまあ、レイドボスに一人でやり合っている俺も結構おかしい行動なんだけどさ」
ゴブリンの攻撃が激化する中でその合図はすぐに来てくれた。一斉の魔法攻撃が行われた中で俺は踵を返し門に走っていく中でそちらから向かって来るプレイヤー達が何名か見える。俺とすれ違う際に後は任せろと言う声が聞こえた。どうやらゴブリンキングの足止めを変わってくれるらしいので俺はGOGさんの所まで戻ってくることが出来た。
「おお!英雄のご帰還だ!」
「すげえぜ!白蒼さん!」
「ゴウカちゃんにスミンちゃんもよくやったわ!」
帰って来るなり大勢のプレイヤーに労いの言葉を貰ってしまった。プレイヤー達の波をかけ分けてGOGさんがこちらに来てくれた。GOGさんが集まっていたプレイヤーに指示を出してその場はおさまってくれた。
「なんだったんですか」
「はは、皆さん感謝と尊敬しているんっすよ。一時間もゴブリンキングの攻撃を釘付けにしてくれたおかげでこっちの被害は全くなかったですしゴブリンキングの攻撃パターンなんかもほとんど分かったんすから感謝しかないっすよ」
俺達の頑張りのおかげでプレイヤー全体の負担が軽減された。もしかしたら独断で飛び出したことに何か言われるのではとちょっと恐れていたがそんなことはなかった。
「でも、一時間も戦っていたんですね」
「そうっすね。今回のレイド戦は防衛と耐久戦の二つの要素かあるっす。この調子で削って行けば大体6時間ってところっすかね」
これを6時間も続けるって本当に持つのだろうか。そんな不安が顔に出てしまったのかGOGさんが笑いながら言葉をかけてくれる。
「大丈夫っすよ。もうキングの注意を聞くためのローテは組んであるっす。ソラウミは休んでほしいっすね。それにほら」
そう言ってGOGさんが示した先には門の近くにおいて行ったアインとアロスがこちらに駆け寄って来た。
「ーーー!」
「アイン、アロス・・・心配かけたな」
俺達の事を心配してくれていたんだろう。アロスの点滅が凄く速いしアインは俺を抱きしめようとしてきた。
「悪かったな。でもあそこで行かなかったらゴブリンキングを逃していたかもしれなかったんだ許してくれ」
「・・・ー」
理解はしているが納得はしていないと言った反応だ。状況が悪化すればまた俺はあいつと戦う気で入るんだがこのことは黙った方がいいな。アインの頭を撫でながら今後の為に俺達は少しの間休むことにした。
GOGさん達が立てた作戦は回避に優れたプレイヤーをゴブリンキングに当てながら周りのゴブリンをこちらに向けてキングの手助けを出来ないように立ち回るという物である。先ほどの俺も周りからの攻撃には神経を使わされたものでキング自身はそんな味方なんて何とも思っていないのかこちらを殺す勢いでゴブリン達を巻き込んで倒している。でもそんな攻撃もうまい具合に誘導すれば相手側だけに損害を与えることが出来ると分かりキングの攻撃を受け持っているプレイヤー達は自分を囮にしながら周りをキングに一掃してもらっている。疲れたら別の人が入って攻撃を誘導し攻撃を食らって死んでしまったら新たなプレイヤーが補充するといったこの攻防が続いている。
「ゴォー!」
休みを入れながら入れ替わりしていくプレイヤー達にアイテムの補充の為に戻ってくるパーティーメンバーとまさに総力戦と言った様相を帯びてきている。
三時間が経過しキングの体力は6割にまで追い込むことが出来た。まだまだ道のりは長いがこのまま行けば勝てるっと思っていた時だった。
「ゴォーーーー!!!」
大きな咆哮と共に思いっ切り地面に拳をめり込ませると何かの魔法が発動した。それて全てのゴブリン達に石で出来た武器が地面から現れた。キングも思いっ切り地面にめり込ませた拳を上げると手には自身の背丈と変わらない大きさの石の大剣を持っていた。
「あのままやられることはないか」
こちらも休むことが出来たので準備万端だ。前線ではいきなり武器を持ったモンスターを相手することになり戸惑っているプレイヤー達が見える。中でもゴブリンキングの攻撃を受け持っていたプレイヤー達はいきなりリーチが長くなったことで今までのように攻撃を避けることが出来ずにやられてしまうようになった。俺は急いでGOGさんの所に向かいゴブリンキングの足止めをすることを伝える。
「すいません。危険な役っすけどお願いします!」
「了解」
「グァ!」
「スー!」
「ーーー!」
俺達はGOGさんのお願いに返事をし皆でゴブリンキングに向かって走り出した。




