66-なにこれ、魔王の城
ロロ視点に戻ります!
先生!寒いのって反則だと思います!
先生!寒さ対策に猫にも服を要求します!
先生!もう帰りたいです!
「やばっ、今一瞬寒すぎて変な風に考えてた」
先生って誰だよ・・・。
「なによロロ~、寒さで頭飛んじゃった?」
「セリーヌはいつも飛んでるもんね」
「美しさが飛びぬけてるのはしょうがないことね」
はいはい。
アンスピカ山脈は相変わらず寒い。
感覚器官を麻痺させることはできるんだけど、寒いっていうのは危険信号だからねぇ。
「見えました」
「おぉダンジョンの香り!」
「懐かしいなぁ」
ものすごいお城!って感じのお城が目の前にある。
えっと、いつ来たんだっけ?
っていうか外から入るのは初めてだよね。
「セリーヌってさ」
「ん?」
「なんでついてきたの?」
「もちろんお金になるからよ」
「あぁ、ミフリスに雇われてるのね」
「私の美しさで敵もメロメロだからね」
「そんな敵は見たことないけどね」
「あらぁ、ロロは運が悪いのね」
「そんな思考回路になっちゃってセリーヌは運が悪いね」
ダンジョン・・・っていうかダンジョンだし!
入り口を入ると入り組んだようなダンジョンになってる。
ここって一本道だったじゃん?
「生きる城ってところですか」
「なにそれ」
「この魔王の城は思考し、道を自在に変化させているのだと思います」
「へぇ」
「私の魔法があれば迷うことはないのですが」
ミフリスって万能だねぇ。
開けたところに出た。
「待っていたよ」
誰?
人っぽいけど人っぽくない感じの優男が部屋の真ん中からこちらを見ていた。
「魔王直属の四天魔って言ったらわかるかな?」
「いや、知らないし」
「これから僕たちと一対一で戦ってもらう」
「はぁ?」
「君たちは見たところ3人、だが問題はない」
「なにが?」
「さぁ始めよう」
あぁ、ごめん。
全く意味がわかんなかったわ。
なんでそんなに自分勝手な感じで話進めるの?
おかげでついていけないんですけど。
とりあえずサシで勝負して、勝ったら次に進めるーって感じのやつかな。
じゃあこいつを袋叩きにしたらいいんだね。
「勇者ロロ、日本生まれの君は武士道の心を忘れちゃいけないよ?」
「ぶ、ぶし・・・?」
かつおぶし?
なんかよくわかんないけど見抜かれたっぽい。
「む・・・そちらのお嬢さん」
「あら、私かしら?」
「えぇ、とても美しい」
「ほらね」
セリーヌにめっちゃどや顔された。すっげぇむかつく。
「あなたもなかなかイカしてるわよ?」
「それは光栄だなぁ。ならば、僕とダンスでもいかがかな?」
「ご指名いただいちゃったので、いってきまーす」
えー、すごい軽いノリで一番手が決まっちゃったし。
なにこれ、仕組まれてない?
まぁ、仕組まれていようがそうでなかろうが、全部倒す相手に変わりはないんだけどさ。
っていうかこの敵、すっごいあのくそったれ勇者に似てるから戦いたくないし。
こっちまでバカになりそう。
「セリーヌさん、気をつけてください」
「わかってるわよー」
「セリーヌ、きもいくらい機嫌いいね」
「あらー?そんなことないわよぅ。ちょちょちょっとひねって、私の男にしてあげるわ」
相手・・・一応魔物だよ。
四天王的ななにかとの戦いっす。
ありきたりとか言っちゃダメですよっ!
だって、今までロロばっかり良い格好してきたし、仲間にもスポットを当ててあげたいじゃないですか!w
でも、いよいよラストダンジョンって感じがしてきましたねー。




