イケメン コワイ
今すぐぶちのめしたい。
そう、サバンは俺達二人に向かって言った。
ーーーわ、訳わかんねぇ……
文武両道の生徒会。俺は彼に冷静で優しそうなイメージを持っていたのだが、まさかいきなり喧嘩をふっかけてくるとは。これでは一般生徒……いや、一般生徒でもそのような者はいない。
「それはどういう意味ですか?」
俺が困惑してる中、一人冷静なレオが表情を変えずにそう聞いた。
「ん? そのままの意味だよ〜」
あくまでへらへらした態度を崩さずにサバンはそう答えた。
「なら、俺達は先輩に付き合っている理由などありませんね」
キッパリとレオが返した。
ーーーかっけぇえええ!
「ん〜でもぉ……」
やはり、はいそうですか。とはならないらしい。
「先輩……ましてや生徒会の一人が言ってることだよ?」
ーーーなんだこいつ、ヤな先輩
話し方も態とらしいし、試されているかとも感じてきた。
しかし、これにも動じないのがレオだ。
「だからどうしたというのです、寧ろ、生徒会が一般生徒に対してこのような言動はいかがのものかと思いますが」
すると、サバンが困ったように笑った。
ーーーおっ、おっ? 論破か? 論破しちゃったか!?
一人心の中で盛り上がる俺を横に、睨み合うエリート二人。
「ちょっとサバン、ここにいたの?」
緊迫した空気の中、突然女性の声がした。
「ん? ああ、カラか」
「何なのよその反応」
現れた女性……女子生徒、カラ・リューカは、つまらなそうに呟いたサバンに悪態をつく。
ーーーうわっ、綺麗だなぁ
遠くから見てもかなりの美人であったが、近くで見ると更にそれを強く感じる。
ボブカットに切りそろえたライトブルーの髪。切れ長の目をしてクールな印象を醸している。
高身長ですらっとした体型。
胸は無い。
そんなカラが、俺とレオに向かって頭を下げた。
「ごめんなさい。サバンは興味がある生徒に絡む癖があるのよ……でも、それは実力をある程度認めたということでもあるから……」
悪いことばかりじゃないのかも。
ーーーって言いたそうだな
「気にしなくていいわよ、サバンには私がしっかりと言っておきます」
そう言うと、カラはサバンの腕をぐいぐい引っ張りながら去って行った。
「レオ君とツダ君、いつかやり合おうよ」
去り際に、そう捨て台詞を言いながら、サバンは引っ張られて行った。
残された俺達は何も喋らない。
「アカネ」
気まずい空気に俺が何か言い出そうと思っていると、レオが俺の名を呼んだ。
「なんです?」
「そろそろ試合、始まるぞ」
「ええ、そうですね」
まるで、先程のトラブルなど無かったかのような態度で弁当をしまって観戦の準備を始めている。
ーーー流石レオ、先輩の挑発も意に返さないマイペースっぷりか
そう、心の中で感心していた。
「……あの野郎、上等だぜ」
そんな言葉を聞かなければ。
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