さあ行くのだ! レシファさん!
レオ・フォンバート → レオ・ライオネル
に変更致しました。未だ変更出来ていない箇所があれば、お手数ですが報告して頂けると有難いです。
試合はなかなかに白熱した。
「風弾!」
「ぐあああ!!」
『そこまで!!』
審判の発言と共に、会場からは歓声が上がる。
ーーーつか、男女別々って訳では無いんだな
この試合の組み合わせは、アバリ・カバルという男子生徒対、サレーン・アスフィーという女子生徒の対決だった。
因みにこの勝負は、サレーンの圧勝だった。(因みに貴族の中でも中々のお金持ちらしい)
ーーーならレシファさんもその可能性があるってことか……
男女の差というものはこの世界ではよく分からないが、心配な気持ちも少しは……いや、
「大丈夫かあの人なら」
普段は少しポンコツな面もあるが、なかなか凄いお方らしいので、問題は無いだろうと心配はしていない。
と、ここでアナウンスが流れる。
『只今より三十分ほど休憩時間を設けます。その後、第五試合目に入ります、レシファ・マリノ選手対レオ・ライオネル選手の対戦を行いますので準備をお願いします』
ーーーレオ様とかい!!
「レオ様ですって!」
「見逃せませんわ!」
「罵られながら叩かれたいわぁ……」
一部危ないお方もいたが、レオ様は女子生徒達にかなりの人気があるようだ。
ーーーモッテモテだねぇ〜、さっすがレオ様!
「爆ぜろよ」
ーーー《マスター、言葉と気持ちが逆転してますよ》
おっと失敬。
ーーートイレ行こ
特にしたい訳では無いが、今のうちに行っておく。
「げっ」
「“げっ”てなによ」
歩いていると、運の悪いことにセラと鉢合わせてしまった。
「いやただ、また疲れる羽目になるのかと思うとうっかり」
「それはこっちのセリフよ」
いつものように睨み合う。
「「はぁ〜……」」
しかし、喧嘩には至らなかった。
「やめやめ、子供じゃあるまいし」
「そうですね」
俺たち二人は成長した。
「あっ、覚えてる? あのこと」
「はい、一応」
ーーー俺にとっては重要だからな
「しっかり覚えときなさいよ」
「はーい」
そう言って俺はトイレへと歩を進める。
ーーーあ、ちょっと出た。
▽
三十分後、予定通りに試合が始まった。
『それでは第五試合、レシファ・マリノ選手対レオ・ライオネル 選手の対決です』
ーーーふぅ、緊張してガチガチってはなんなかったな
堂々と歩くレシファの様子を見て安心した。
「きゃー! レオ様ファイトです!」
「頑張って〜!」
「ハァ、ハァ、レオ様ぁ……愛しのレオ様ぁ!」
ーーー凄いです! やっぱりレオ様は最高です!
「爆ぜろよ」
ーーー《だから逆ですよ》
『両者構えて』
ーーーおっ、始まるな
二人は微動だにせず佇んでいる。
「なんか、最強どうしの戦いってこんな感じだよな……」
そして、
『始めぇ!』
レシファが飛んだ。
▽
「ふぁ!?」
俺は今見ている光景に目を離せない。
他の者も同様に。
「う、浮いてる……」
誰かがそう呟いた。
開始とほぼ同時、レシファはふわりと高さ十メートルほどまで浮き上がったのだ。
ーーー風魔術の一種か?
ーーー《ええ、分かってきましたね》
ーーーでも仕組みがねー
ーーー《簡単に説明すると、足元に風を発動させて浮くという仕組みですね》
ーーーまあ、浮くのはえげつない難しいだろうけど
ーーー《ええ、風力や風量の調節がかなり困難ですから》
という感じにレシファをぼけっと眺めていると、
「食らいつけ、蛇のように。荒れ狂え、竜のように……」
詠唱をしている。
ーーーなんかやばそうな予感
『災厄の風!!』
気のせいか、声にエコーがかかっていた気がする。
現れたのは、半径五十メートル程のフィールドの三分の二を埋め尽くす、無数の荒れ狂う竜巻だった。
「地面えぐれてんじゃん!」
その光景はまるで、猛烈な嵐を一箇所に集結させたかのようだ。
ーーー初撃からあんな威力……それを発動させているレオ様もすごい人かも知んないな
その頃、対戦相手のレオ様はというと、
ーーー《微動だにしておりませんね》
ーーー大丈夫なのかよ!?
ーーー《まあ、彼ならばおそらく》
クレルのレオ様に対する評価はなかなか……というよりかなり高い。
ーーーあの辛口姫がなんとまぁ……
ーーー《なんですか?》
「……」
そんなやり取りをしている間に、もうレオ様の目の前まで竜巻が迫っていた。
そしてそのまま、
「直撃しちゃったよ……」
音は常にうるさくて聞こえなかったが、視界では当たったところを捉えた。
嵐は終わり、現れたのは酷い有様になったフィールド。
そして、ズタズタに引き裂かれたレオ様が……
「う、嘘だろ」
ーーー《いえ、事実ですね》
スタ、スタ、スタとゆっくりとした足音が聞こえる。
土煙から現れてきたのは……
「きゃー! レオ様だわ!!」
「す、凄いわ!!」
「あああああああああ!! 素敵素敵素敵ぃい!!」
無傷で、しかも埃ひとつもなく悠然とした様子のレオ様だった。
会場が今までとは比べ物にならないほどの歓声に包まれ、レシファの表情からは疲れや焦り、驚きが見える。
そしてレオ様は右手を開き、未だ宙に浮くレシファへと向けた。
「ちょっとした火傷くらいは許して下さい」
そう言い残して、
「王者の咆哮」
開いた右手から極太の光線を放った。
ーーー無詠唱!?
ドガァアアアア!!
それはレシファに直撃し、レシファは地へと落ちていった。
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