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久しぶり、みんな!(友達ほぼゼロ)

 「じゃ、いってきまーす」

 「いってらしゃいなのー」

 「気をつけるのじゃぞ」


 昨日までは、夏休みが終わるとなって激萎えしていたが、いざ新学期が始まると、なんかテンションが上がる。


ーーーそのひとつが多分、宿題ないことかもね


 うちの学院は戦闘能力をゴリゴリ推しているので、取り敢えず鍛えていれば何とかなる。


ーーーちなみに俺は、毎日腹筋と背筋を五百回ずつやったぜ


ーーー《その割には少しポテっていますね》


ーーーどこが!? ちゃんと六つに割れてるし!


ーーー《横に?》


ーーー縦も!!


 まったく、クレルの相手は疲れる。



 そんな感じで歩いていると、


 ドカッ


  「うおっ」

 「いたっ!」


 曲がり角から女のひとが走ってきてぶつかった。


 「ったく、気をつけなさいよ」

 「あ、すいません……」


 文句を言ってその女の人は走り去った。


 「……なんだったんだ?」



 ▽


 学院に着くと、夏休み前とはほぼ様子は変わっていない。


ーーーそりゃそうか


 教室に入ってもそこら辺は全く変わっていない。


 変わっていたとすると……


 「お久しぶりですわね、ツダくん」

 

 教室に入ろうとした時、誰かに声をかけられた。


ーーーま、話しかけてくれる人なんてあの人しかいないか


 と、自虐的に思いながら振り向いた。


 「……誰?」


 そこに居たのは黒髪ロングの美少女ではなく、金髪ロングにツインテールの美少女だった。


 「誰とは失礼なっ」


 金髪美少女は、ぷくぅと頬を膨らませた。


 「ほんとに分からないんですけど……」


 そう答えると、はぁ……っとため息をついて美少女は言った


 「私です、“レシファ”ですよ」

 「レシファさん!?」


 びっくりだ。

 まさか、あの清楚なお方が、こうもきゃぴきゃぴなギャルになってしまうとは……


 「世も末だなぁ」

 「勘違いしないでくんなまし!」

 

 おこった。


 「じゃあ一体どうしたんです?」

 「貴族達のパーティがありましたのよ」

 「もしかして、黒髪が地味だから染めたとか?」

 「ありませんわ、ただ黒髪というのが少し珍しく……」


ーーー珍しかったの?


ーーー《ええ、この世界では結構》


 周りの女の子が黒髪率が高かったからよく分かんなかった。


ーーーそう言えばうちのクラスはレシファさんだけだったな


 「……それで、私が目立ってしまい視線が常にこちらに集まるのです」

 「それで染めたと」

 「ええ、一時的に。後数日で落ちますわ」

 「へぇ」


 と、レシファが急にツインテールの右側をくるくるいじり始めて言ってきた。


 「ち、ちなみに今の色とまーー」

 「断然黒髪ロングですね」

 「食い気味ですか……」


 俺は黒髪が大好きだ。

 正確には、黒髪ロリぱっつんバブみor甘えん坊だけど。


 と、そこでチャイムが鳴った。


 「はーいそこの二人教室に入ってー」


 担任の先生が来た。

 金髪はスルーしていた。


ーーー染めるのありなんだな


 染めてみよっかな。

 思ったけど即却下。


ーーー何色にしても似合う気しねぇよ


  「はーいみんな座ってー」

 

 ホームルームが始まる。


 「おはようございまーす!」


 先生の元気良い挨拶に、疎らにみんなも返す。


 「早速ですが、これから集会がありますので、アリーナへ向います」



 

 アリーナには全校生徒が集まっていた。

 皆座って雑談をしていたが、学院長が登壇すると次第にざわつきが消えた。


 「お久しぶりですね皆さん」


 話が始まる。


 「夏休みが終わり、新しい学期に入ります。そしてこの時期は、学院対抗の“魔術大会”が開催される時期でもあります」


 すると、二三年生からは、おぉ……とやる気に充ちた表情が伺える。


ーーーなんだよそれ、楽しそうなんだけど


 「そこで今回、今日から大会まで、指導してくださる特別講師をお呼びいたしました。どうぞ」

 「はい」


 と言って壇上に上がったのは、女性だった。


 青いショートヘア、凛々しく整った顔立ち。鋭い目つきに惹かれてしまいそうになる。


ーーーてあれ? この人どっかで……


 その女子ウケの良さそうな顔に見覚えがあった。


 「おはようございます。魔王軍第三部隊隊長の、セン・アルバートです。よろしく」

 

 ああ、思い出した。


 「朝ぶつかってきた人じゃん」


 そしてこの人が指導するとなると……


 「なんか怖そうだな」


  初対面でそう感じたのだ。


 さらにもう一つ、


 「アルバートってもしかして……」


ーーーいやまさかな


 


いつも読んでいただきありがとうございます!

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