第二話
いまさらながらこの物語の主人公について紹介しよう。この物語の主人公である少女の名は、エルフ族のラフォレ・シャサール・ブラン。森の狩人のブランという意味である。そんな少女だが周りのエルフとは違う事が一つだけあるのである。それは、彼女が転生者であることである。そんな彼女ですが、このナバーンという森で生まれてから12年の時が立っていました。そんな彼女は今、高さが100メートルを超す大きな木の枝の上で座りながら自分の住む里を見ていました。
「このナバーンの森に生まれて12年たつけど、生まれたばかりは大変だったなぁ~」
そんなことを、口に出しながら彼女はその当時の事を思い出すのでした。
12年前
初めに感じたのはまぶしさだった。その光はとても強く感じ、それ以外が見えないほどの強い光だった。その次に感じたのが赤ん坊の泣き声だった。
「〇〇〇!○○○!」
誰かが叫んでいる。周りの人間の騒がしさが自分の中に流れ込んでくるようだった。
…あぁ、自分が泣いているのか。
ぼやけた視界に多くの人が少しずつ映ってきた。その様子は出産に多くの人が立ち会っているようだった。しかし、前世の自分は、このような場面に立ち会ったことはない。
……前世?そうかこれは転生だ。
そのことに気づいた途端、前世の記憶が一気に流れ込んでくるような感覚に陥った。
そのあまりの記憶の量に意識が薄れていき。赤ん坊は眠りについた。
そこから先は不思議な感覚であった。ある男の産まれてから、死ぬまでを脳が記憶してそれを定着させていった。そうしてこの世界での「自己」を作り上げっていった。
――毎日のように母乳を飲ませてくれる女性……この人が自分の母親である感覚が理解した。しかし、その衣装は自分が知るようなものではなく、まるでファンタジーの登場人物が着るような服だった。つまり現代ではない可能性がある?
――また、視界に映るすべての人間が、前世の小説などで見るようなエルフのような耳が長く、美形ぞろいだった。
――空気中に前世では感じなかった何かを感じる。また、自分が呼吸したときにそれが中に入り何処かにためっているような感覚がある。まさか、俗にいう魔力というものか?
つまりここは、前世で言う所の中世位の文明が栄えており、魔法があるファンタジーの世界。そんな世界に自分が転生したのだという事だ。
なんか泣けてきた。
そのままこの感情を止めることが出来なくなり、泣き始め今世の母が来て自分の事をあやすのであった。
現代
「ほんと、生まれたころは何にもできないから。おしめも変えてもらわないといけないからとんでもなく恥ずかしかったなぁ~。あと、おしめ帰られている時に今世の性別が女だって気づいたときはまじでやばかった~。まあ、泣いちゃったんだけどね。」
そうなのです、ブランの前世は男性、しかも三十を過ぎたにもかかわらず風俗にも行ったことがないほどの童貞なのです。
「自分の息子をもう使う事がないって気づいた時が一番泣けてたな~」
そんな感じに黒歴史を独り言で話していると、周りが暗くなってきたことに気づきました。
「あぁ~、もう夜になるじゃん、まあ今から家に向かえば間に合うか。」
そんなことをつぶやき、今から家に帰ろうとしているのでしょうか。枝の上に立つとその先の方に足を向けます。次の瞬間、走り出し枝の先の方に向かいそのまま飛び出していきました。
「風の精霊さん。お願いします。」
そんなことを彼女がつぶやくと、そのからだにまとわりつくように風が吹いてきたのです。そんなことが起き、落ちるスピードがだんだんとゆっくりとなり地面にあと少しという所でそのスピードはさほどない状態になりました。そして、その状態で彼女が再びつぶやきます。
「風の精霊さん、もう大丈夫だよ。」
そういうと、その体に纏わりついていた風の一切がなくなり、彼女を地面に下ろすのでした。
「じゃあ、また力を貸してね、風の精霊さん。」
そうして、彼女は自分の家がある方に向かっていきました。
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