闇のグルメ(7)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の新たな物語。
と、そこに、ペガサスが遅れて現れた。
「2人共。最早隠し通すことはできないんじゃないかな?」
彼の言葉や登場に驚く美夜達に、ペガサスは2人の許可とってから死獣神のことを嘘偽りなく全て話した。
クラスメートが隠していた秘密を聞いた宙達は驚愕し、彼らの本性に幻滅したり、嫌悪感を抱いたりした。それは龍が誠意を込めて謝っても、拭いきれるものではない。
「ま、許してくれとは言わないし、そっちだって、言いたいことはいくらでもあるだろう。とりあえず、残りはサイトオーナーの前で言ってもらうとして、ひとまずここを出ようか。こんな死臭がする所で議論してても、気持ちが沈むだけで平行線になってしまうからね。それでいい?」
「うん。まぁ……あんたに指図されんのは気に入らないけど」
「よろしい。さ、長居は無用だ。さっさとこんなところ出よう」
ペガサスにそう促されて、柚と美夜と宙は先に出口へと向かっていった。
「すまんな。ペガサス」
「あの状況じゃ仕方無いよ。こんなこともあろうかと、事前に武文君に連絡して、バラす許可はとってある。あとは彼がなんとかしてくれるよ」
武文が交渉してくれると聞いて、龍はとりあえず一安心だと思ったが、やはり、友人を騙していたという事実は重く、良心の呵責を感じていた。
重い空気を感じた朱雀は、話題を変えようと、ペガサスに黒い闇と呼ばれた者のことを質問した。
「僕らの他にいるであろう得体の知れない奴のこと?」
「せや。あんたがこんだけ遅れて来るっちゅうことは、手がかりの1つや2つ掴んできとんねんやろ?」
朱雀にそう言われたペガサスは図星だと認め、調査内容を報告した。
ペガサスの調査によると、それぞれが見たもの以外にも、刃物や銃、毒やチェーンソー、さらには鉄パイプで殺された遺体もあったらしい。
「……これらのことを踏まえると、その人物・闇は、無数の武器を使いこなす殺しのプロだと推測される」
ペガサスの考えに朱雀が頷くと、龍も気持ちを切り替えたらしく同意し、
「ペガサス君。もしかして……」
「もちろん。徹底的に調べるつもりだよ。その人物が何者なのか。今回は手を貸してくれたみたいだけど、いつ敵に回るかわからないからね」
「だね」
そう言う龍は、闇と呼ばれる者に襲撃されたせいか、ペガサス以上に危機感を覚え、敵として立ちはだかることを誰よりも危惧していた。
その後、柚達を守りながらホテルに帰った龍達は、武文に依頼完了と闇の報告をし、美夜達との交渉に同席した。
最初はやはり理解してもらえず、ひねくれ者で裏表がある人が大嫌いな美夜に、絶対警察に通報するとまで言われたが、天然の柚がそれも彼らの一面だと寛大な心で真っ先に許すと、美夜も柚の影響を受けた宙に説得されたことで、お互いの為に死獣神の秘密を口外しない方がいいということを渋々受け入れてくれた。
武文は幼なじみとして、理解してくれた3人に礼を述べ、サイトオーナーとして、秘密を共有するという重荷を背負わせたことを詫び、頭を下げた。
こうして、一件落着した龍達は翌日、奏に別れを告げ、多少のわだかまりを残しつつも旅行を続け、夕方頃に大阪に帰った。
龍は沈んだ顔でいてはいけないと、旅を満喫しようと努めていたが、帰路についても心のどこかでひっかかるものがあった。
そう。あの暗黒の中にいた闇と呼ばれる存在のことが………………
これにて『死獣神~肉の書~』は完結です。
大きな謎を残して終わりましたが、それが解明されるのは続編でとなります。
もちろん。そのキーパーソンとなるのは、闇と呼ばれていた人物です。




