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闇のグルメ(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の新たな物語。

「ボス。できました」

 手下の言葉を聞いた顎門は、よほど待ち遠しかったのか前のめりになって、


「おぉ、待っていたぞ。さっきからこのダメ肉でずっと我慢していたんだ。さぁ、早く運んできてくれ」

 と、よだれを垂らしながら言った。


 族長の命令を受けた部下達が4人がかりで、料理を運んできたが、その食材となっていた人物は、朱雀もよく知る者だった。


「見たまえ。これが私の大好物、真の女体盛りだ」

 嬉しそうにそう言う顎門の視線の先にあったのは、肉と臓器を全て切られ、姿盛りにされた真美の変わり果てた姿であった。

 顎門は驚く朱雀を無視して、彼女の肉や肺、肝臓を満足そうに食べた。


「肉はもう少し熟れて、サシが入っていればよかっただけに残念だが、臓物はそれを補って余りあるほど上質で美味だ。あのタバコ臭い女ではこうはいかん。あれの肺は、とてもじゃないが食えた代物ではないだろう。その点、彼女が真面目でよかった。感謝しないとな」

 批評しながら美味しそうに食べる顎門を見て、朱雀は彼がグルメを自称するのに合点がいった。


「確かに、あんたはグルメみたいやな。新鮮さへの追求が半端やない」


「当然だ。食材達がこんな環境に幽閉され続けていれば、いずれ衰弱してしまう。そうなった肉は吐き気がするほど不味い。だから私は、日頃から部下にこう命じている」

 そう言いながら、顎門は真美の生首を手に取り、強靭な顎で彼女の頬を食いちぎる。


「『極力、生きたまま捌け』とね。じきに我々に刃向かったタバコ臭い女とうるさい小僧は、血抜きをされ干物になる」

 彼の言葉からその2人は宙と美夜だと朱雀はすぐにわかった。


「……柚は?」


「あの小柄な子のことか? 彼女も上物だ。いかんせん、君と同じで胸肉は少ないが、あれはあれで素晴らしい肉となるだろう。まぁ、その前に……」

 顎門はそう言うと、手元にあったフォークを朱雀の首の近くに投げ刺した。


「君を先にいただくとしよう。君もなかなかの上物だからね。多少鮮度が落ちても、いい味を出してくれるだろう」

 顎門がそう言い合図を出すと、それに応えた2人の部下が朱雀の拘束を解いた。


「ではまた会おう、美しき殺人者。次は料理として、私に会いにきてくれたまえ」

 そう言い手を振る顎門の顔は、自分が食べる立場という絶対の自信に満ちていた。

 もうこの時点でお気付きかも知れませんが、今回の主役は朱雀です。

 どんなことでもいいので感想お待ちしています。

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