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闇のグルメ(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の新たな物語。

 数十分後、青龍と朱雀とペガサスは、武文から伝えられた住所を頼りに、県最大の防空壕に到着。内部構造を頭に叩き込んでいる3人は、3つある入口前にそれぞれ配置についた。


 今回の目的は2つ。前述したとおり、食人族を1人残らず殺すことと、可能な限り拉致された者達を救出することである。

 1つ目は説明不要だが、もう1つの方は到着までかなりの時間が経ってしまっているため、すでに調理されたり、胃袋に入った者まで助け出すことは、さすがに不可能だからである。


 時間はかけてられない。シビアなタイムアタックを再びすることになった3人は、食人族の根城に侵入した。



 中に入ると、長年整備されていないためか、湿気でジメジメしており、至るところに苔や水滴が付着している。


(これは急ぎすぎたら、猫宮さんみたいにコケそうだな……けど、だからって急がないと、みんなが……)

 東側入口から入った青龍はそう思いながら、慎重かつ迅速に奥へと進んでいった。


 食人族の奇襲に警戒しながら、着実に歩を進めていた龍だったが、水の滴り落ちる音が聞こえるだけで、何の気配も無い。

 本当にここで合ってるのかと不安に思い始めたその時、何かに躓いて転倒した。


 岩か何かかと思い、ペガサスが用意してくれたライトで照らした青龍はその正体に目を疑った。

 そこにいたのは、ドリルで全身を穴だらけにされ、地べたに転がる食人族の死体達だった。


 ドリルを使う者はこの場にいない。事態を把握できずに困惑していると、同じくペガサスに渡された通信機が鳴った。北から侵入したペガサスと、南から侵入した朱雀からである。

 どうやら2人も青龍が直面した状況と酷似したことに出くわしたらしく、ペガサスは斬殺死体の山を、朱雀に至っては白虎が加勢に来るはずがないのに、食人族の男が彼の掌打らしきものを食らって吹っ飛んできたらしい。


「青龍。ここ、何かおんぞ」

 謎が深まった青龍は、朱雀の言葉に同意してから通信を切り、一層警戒を強めた。


 そのすぐあとだった。得体の知れない何かが彼の横を通過し、持っていたライトを破壊した。

 直感的にこいつが犯人だと思った青龍は、暗闇の中でドラコスラッシャーを振り回したが、あまりのすばしっこさに捉えることができず、まるで闇を切ってるような感覚に陥った。

 その間も犯人は、暗さと狭さを利用して青龍に手傷を何度も負わせ、完全にペースを掴んでいる。


 と、そこへ、食人族の集団がこの機に乗じて襲いかかってきた。

 普通に考えれば青龍にとって大ピンチ。だが、謎の人物からすれば食人族は邪魔者以外何ものでもなかったらしく、彼らの一部を殺して退路を確保すると、闇の中へと逃げ去っていった。


 勝負がお預けとなり、手がかりすら掴めなかった青龍は、その人物を追おうとしたが、残っていた食人族らが行く手を阻む。

 結局青龍は、不完全燃焼のまま、眼前の敵の相手をせざるを得なくなってしまった。

 わかりきってるとは思いますが、現実の長崎に食人族は存在しません。

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