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続 プロローグ

 一面、平坦な草原が広がっている。

 左手の地平線には(多分)朝日が昇っている。

 ということは、目の前の森がある方向が南か。


「おや?薄暗い森の中で、一か所だけ明るい所があるぞ?」


(註。俺は他人と会話することが少ないので独り言が多いのだ)


 コゲ茶色の木の下を覗いてみたら、小さな宝箱が置いてあって、その周りに四本の松明が立っていた。


「なんだ、これ?」


 宝箱に触れると、いきなり宝箱の蓋が「パカッ」と開いた。


「おっ!ひょっとして、これが『パカ』なのか!?」


 期待でワクワクしながら、俺はパカの中を除いた。


 中身はしょぼかった。

 石と棒で作った剣が一本。

 リンゴとモモとパンが1個ずつ。

 そして強い緑を帯びた宝石でできた石板が一枚。


「い~~~~~!?たった、これだけかよ?」

 思わず、俺は叫んだ。


 と、俺の目の前の空間に「インベントリー」と書かれた窓が現れた。

 窓には碁盤の目のように5行掛ける5列の四角い枠が描かれている。


 俺は勉強大嫌いのコミュ障の不登校児で学校の成績は最低だが、もともと頭の回転はいい。

 すぐに事態が飲み込めた。

 俺が「E」という魔法の呪文コマンドを唱えたため、「インベントリー」が現れたのだ。

 俺はゲームの世界みたいな異世界に転移したのだった。


「そんなバカな!異世界に行くには、トラックに跳ねられないといけないんだぞ!!」

 と、賢明な読者の皆様はおっしゃるだろう。

(めんどくせーな!)


 俺も段々と頭がスッキリしてきたのだが、教室にいた時、何故かトラックが校舎に突っ込んでくるのを見たような気がしてきた。

 まあ、この辺り謎は、いずれ解明されるだろう。


 きっとここは、並行宇宙、パラレルワールドの一つなんだろう。

 無限に存在するパラレルワールドの中には、地球で生まれたゲームとたまたま似通った世界が存在しても不思議ではない。

 そして、その異世界に俺がたまたま転移する可能性が、微粒子レベルで存在していても不思議ではないのだ。


 う~~~む。

 何か気の利いた賢そうな言葉を言いたかったのだが、俺の語彙力では無理だった。

 俺は吹き出しの台詞を読むのが面倒でマンガも読まないぐらいのモノグサだ。

 小説なんか読んだこともないし、国語の勉強も大嫌いで、底辺の売れないWeb作家にも劣る文章力しかないのだ。


 しかし、読者の皆様が俺みたいに異世界に転移した時の参考になると思って、こうして頑張って体験談を書いているのだ。

 ごよーしゃ願いたい。


 まあ、そんなこたあどーでもいいや。

 つまんねぇプロローグはさっさと終わらせようぜ。

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