↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/89

プロローグ:破

「―――まあ、腹が減ったしリンゴでも食うか。いや。やっぱり腐りやすいモモから食べるとするか」


(『続 プロローグ』の回で言い訳した通り、俺は説明口調の独り言が多い)


 俺はインベントリーからモモを取り出して、パクッとかぶりついた。

 甘いモモの果汁が口いっぱいに広がった。



 と、目の前の空間に赤や青い色のゲージが現れ、少しだけ青いゲージが伸びた。

 俺は勉強ができないが、元々賢いのですぐに理解した。

 目の前に現れたのは、俺の現在の体力、経験値、満腹度を示すステータス欄だ。


「JOB:無職」、「Lv:俺TUEEEE!!」と記載されていたが、スルーした。



「ゲゲゲッ!?」


 ステータス欄を見ていて、俺は思わず叫び声を上げた。

 そこには俺の名前が「カエル男」と登録されていたのだ。


「俺の新しい名前は『カエル男』かよ!俺は一生、この名前で呼ばれるのか!?嗚呼(ああ)!!バカなことをしてしまった!」


 俺はDQNな親にキラキラネームをつけられた子供の気持ちを味わっていた。

 俺の場合は、自分で名付けたのだから親を怨むわけにもいかない。



「名は体を表すという。せいぜいゲスなクズ男になってやるぜ!ゲロ!ゲロ!ゲロ!!」

 すっかり不貞腐れて、俺は逆ギレしていた。



 俺はパカの中身をひとつずつ、自分のインベントリーに移動させた。

 インベントリー内のアイテムの移動は、右手の人差し指と中指で空間を触ると、マウスを使う要領で操作できた。

 パカにあった品物が現実空間から掻き消え、インベントリーの中に納まる様は奇妙奇天烈であった。

 すぐに俺は、声に出さなくても、頭の中で「E」と言う単語を思い浮かべるだけでインベントリーの開け閉めをできるようになった。


 最後に緑色の石板をインベントリーに入れようと右手の人差し指で触ってみた。

 ところがこの石板がインベントリーの中に入らない。

 石板の上には恐らくアイテム名なんだろう「エメラルド・タブレット」と言う文字が見て取れた。


「もしかして………」


 俺は人差し指で、エメラルド・タブレットを二回、チョンチョンと触ってみた。

 と、エメラルド・タブレットは緑色に発光し、周囲は目もくらむばかりの閃光に包まれた。

 石板に何やら象形文字が浮かびあがってきた。




 下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし。


 これは錬金術の基本原理である。




 俺は勉強ができないが、元々賢いのですぐに理解した。

 この石板は、錬金術のハウツー本、マニュアルだったのだ!


 ちなみに、俺はさっきから普通に文字を読んで理解しているが、もちろん日本語ではない。

 きっと、この世界の人間と出会っても日本語で会話できるのだろう。

 異世界とはそういう摩訶不思議な世界なのだ。


 やがて、エメラルド・タブレットは光とともに消滅した。


「あっ!なくなっちまった!」


 俺は間違えて、レアアイテムを無駄に使ってしまったのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。