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七夕祭り

大きな笹の葉の樹が中央にあり、どこもかしこも浴衣を着た男女と屋台だらけである。

街主体でのお祭りらしいのでみんなどこか楽しそうである。

 笹の葉に飾られている短冊は風で揺れており、曇りそうな夜空はどこかの気まぐれの神が雲を吹き飛ばしたような晴天である。


「綺麗れしゅ」


「本当だね」


天の川を見てうっとりと眺めるみなもとつぐみ。

 

「すごい綺麗だね、りゅうくん!」


「ああ、ここまで見れるのもすごいもんだ」


つぐみと芹香を肩に乗せている龍星。

 ちなみにつぐみたち女性陣は浴衣を着て団扇をもっている。

それは龍星をひっとうに男性陣も浴衣である。

なお、ここにくるまでつぐみは龍星の懐の中で垂れていたのはいうまでもない。


「…………織姫様と彦星様はきちんと会えたかな?」


短冊を二枚もちながらみなもはぽつりとつぶやいた。


「おまえ、そんなにロマンチストだったか?」


「不憫、そこは会えたというべきじゃね?」


「それだから、不憫わんこさんは不憫なんだよ」


目を丸くして言う秀久にあきれたように裕樹と裕香がぐさりとつきさす発言をする。

 ちなみに裕香はみなもとお揃いの浴衣である。

もちろん、着付けしたのはみなもだ。


「二人とも、上狼くんに失礼だよ?」


そんな二人をとりなすのはわれらがちみっこヒロインのひばりである。

 彼女も浴衣であり、長い髪もまとめている。


「いや、失礼ではないと思うんだが」


「それにひばりお姉ちゃんもちょっとは思ってるでしょ?」



「……思ってないよ」


二人がそれぞれ言い訳をしてからひばりは目線をそらす。


「おい、今の間はなんだ!?」


「ヒデ、落ち着いてクだサイ♪」


叫ぶ秀久の頭を撫でる明香、そのさまはどこか子供扱いしているような感じである。


「りゅーが、天の川、綺麗だね!」


「そうだな、たまにはいいだろう」


響に連れてこられた流牙は腕を組んだままそう言った。

 それに苦笑しながらも流牙によりかかる響。


「てか、日付づれている気がするんだが」


「万里、そういうのは言わないようにするのが吉です」


首をかしげる彼に日菜は苦笑を浮かべているようであった。


「ところで、つぐみの七夕の願いはなんだ?」


「んと、また友達みんなとこうやって過ごせることとみんなの体調に変化ないことと。

あとは、織姫様と彦星様がちゃんと会える日をもっともうけてあげてほしいかなって」


「つぐちゃん、かわいい~♪」


照れながら言うつぐみを芹香はぎゅーっと抱きしめた。


「あ! 芹香ばかりずるい!」


「私も!」


瑠奈と瑠美もそれに参加するようにまざり、つぐみを抱きしめ始めた。


「やれやれ」


その様子を見て困った顔をする龍星。


「なんていうか、つぐみらしい願いだけど。 あれじゃかざれないね」


同じく見ていた京里も苦笑を浮かべているようだった。


「まあ、回収はこちらでしておいたからかわりにかざってやればいいだろ」


「うん、そうだね」


龍星がそういうと京里は笑みを見せてうなずいた。



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