昼は男で夜は女!?
あなたは階段で落ちそうになった他人にしがみつかれて落下した。
激しい痛みと衝撃に、あなたは死を思った。
だが、なぜか目覚めたときには見知らぬ場所にいることに気づいた。
それは真っ白いと形容していいのかわからない不思議な場所だった。
目の前にはなんというか美しい女性と男性がいて、かなり困った顔でこちらを見ている。
その理由がわたしにはよくわからないけどね。
「えぇっと、もう解ってると思うけど。 あなたに恨みをもった人間が道連れにして死んだの」
「あれはわざとだとしかいいようがないくらいにな。 ちなみにそいつは地獄おくりになったが」
ああ、あれはやっぱりそうだったのか。とそう考えていると。
「まあ、あなたの魂の輝きとかその他もろもろが原因もかんでると思うけどね」
「あと、不幸属性だな。 やあ、ここまで不幸だとは俺も思いつかなかったさ」
おいこら、笑いごとじゃすまないんだけど?
「まあ、君は不幸の連続で死んだわけで。 あまりにも不憫なんで転生してもらうことにしたから」
だったら記憶を持ち越しとかできちゃいます?
と、あえて尋ねると、それは可能らしい。
だが、気になる言葉がわたしにはひっかかるのだが。
さきほど君たちと言っていたような?
そう考えているうちに意識が途絶えたのは言うまでもない。
まだ、願いすらも言っていないのにね。
「オギャー、オギャー!!」
「産まれました両方とも男の子です!」
タオルに抱かれた二人の赤子は母のもとに置かれる。
嬉しそうに笑みを見せながら赤子を撫でているがなにか違和感があった。
それを知ることになるのは赤ん坊から成長してからのことだった。
「ずっと見てきたけど、昼は男の子で夜になると女の子になるみたいなの」
「そうか、それはかなり特殊だな。 まあ、俺たちはどちらにしても慈しんで育てるだけさ」
両親の部屋で母親と父親がそんな会話をしていたのを偶然聞いてしまったわたし。
なんか微妙な状態で産まれたな~。
これも神様の仕業だったら金属バッドで殴らないといけないかも。
「はるひ、なにやってるの。 いくよ」
「あ、うん」
兄に呼ばれて慌てて部屋へと向かうのだが、やはり別々という部屋割りになっている。
まあ、夜は女の子だからそうなるのも仕方ないのかもしれないけどね。
兄もそれを知ってからは別々に文句を言わなくなったしね。




