始まりの村
「さあ、勇者さん。困っている村人から話を聞いて、事件を解決してください」
勇者の隣に立つ、魔法使いの青年が言った。
「そ、そんな困ってる人とか別にいないかもしれないし……断られるかも。そこまで言うなら、クロードさんが聞いてきたらどうですか」
人見知り勇者、少年ゼファーの襟元を掴むと
「そんなんで、魔王を倒せるんですか!?」
クロードは上下に揺らす。
「別に、僕は勇者になりたかった訳じゃない……神官Eぐらいの立ち位置でよかった」
「神官Eって、モブもいいところですね」
だが、司祭様が
「じゃあ、次の勇者は君ね」
「……最悪だ」
そして、現在にいたる。
(な、なんて面倒な勇者なんだ)
クロードは端整な顔を顰め、頭を抱えた。
王宮魔法使いがとして、勇者ゼファーの元に派遣された。
(威張り散らしてない分、いいと思ってましたが……)
人見知りが激しいのも問題だ。
このままでは
「無理して、他人と関わる必要ないですよね」
とか、言い出して勇者を辞める可能性がある。
(それだけは、阻止しなければ……)
クロードは花売りの少女に視線を向け
「勇者さん、あの子に声を掛けてみては?」
「知らない人、苦手……」
首を横に振るゼファーに
「あの子、勇者さんより年下ですよ。いきなり、殴ったりしませんって」
「……」
クロードに後押しされ、ゼファーは花売りの少女の元へ向う。
「こんにちは、お花いかがですか?」
「あ、あの……」
ゼファーは視線を逸らしながら
「い、いい天気ですね」
「はい、そうですね」
その後、ヨロヨロとした足取りで戻ってくる。
「何やってるんですか……」
「これ以上は、無理だって」
落ち込むゼファーをみて、クロードはため息をつく。
「一人で、大丈夫でしょうか」
「魔物が出るって話ですよ」
村人達の噂話を小耳にはさみ
「どうかしましたか?」
クロードが聞いた。
「二日ぐらい前に、村の西にあるダンジョンに向った女の人が居てね」
「レアアイテム狙いの盗賊でしょうか?」
「ちょっと心配になってね」
クロードは「お任せください」と胸を叩と
「こちらはグノーシス教会から派遣された、勇者さんです」
バッチリ事件を解決しますよ、と言う。
「ほう、勇者様でしたか」
「ずいぶんと、お若い」
村人二人から視線を向けられ
「……」
ゼファーは逃れるように、クロードの長身に隠れる。
(こうなったら、荒療治です。手柄をあげれば、勇者さんも自信を持つはず……)
すいません、かなり勢いに任せて書いてしまった。




