8話
「ーーこうして2人は恋をして幸せになりましたとさ、第一部完ッ!」
「始まってすらいないんだよなぁ」
「いやもうこれはルート確定した。むしろあとエンディングまで数クリック!そして続編へ……ちなみに続編では永遠イチャつきと痴話喧嘩のイベントだ」
「地獄か」
「地獄とはなんだ。続編は大体そんな内容でもみんな喜んで買うんだよ。それだけこのイチャつきと痴話喧嘩には需要があるんだぞ」
「問題はお前の痴話喧嘩とイチャつきを見せられることだよ」
なにが不満なのかわからないがまぁ大方俺と王子が上手くいったことへの嫉妬だろう。これだから非リアは。
……そういえば智仁はそこそこ女の子に人気がある癖に高校に入ってから彼女を一人も作っていない。
その理由には一応心あたりはあるが、そんなに気にすることじゃないのにといつも思う。
「てか、俺が今聞いた話ではまだメアドしかゲットしてないんだけど」
「これから音速で話が進んでいくんだよ。とりあえず今日は告白だな。そして一気にエンドロール!」
「メールで呼び出すのか?」
「その為のメアド……。SNSじゃないところがまた硬派で良いよなさすが王子」
「……ちょっと文面見せてみろよ」
「ん」
【To 王子 こんにちわ(^o^)って言っても昨日ぶりだよね?寂しかった?俺のコト考えちゃったりしてた?\(//∇//)\キャッ 大丈夫だよ!俺もず〜〜〜っと王子のこと考えてたから♡こんな広い世界で産まれたなんの血縁関係もないのに同じこと考えてるなんてやっぱり俺たちは運命なのかもしれないね(≧∇≦) もしかしたら君も思ってたかもしれないけど、実は今日俺たちの今後に関わるちょ〜〜大事な話があるんデス!!今日の昼休み昨日の場所で待ってるから絶対来てね!俺ずっと待ってるから!(^_−)−☆】
「全体的に長いしウザい!!!!!!あとキモい!!!!!」
「あっちょっと本文全消しすんな!」
「お前俺とLINEするときは一言だろ?!その簡潔さはどこいったんだよ?!」
「女子力を意識したくて……」
「お前は女子力を履き違えてる!!」
智仁は俺の手からスマートフォンを奪い取ると慣れた手つきで文面を作る。
「こんなんはシンプルでいいんだよ。『今日の昼休み、大事なお話があるので昨日の場所で待ってます』……送信」
「ア"ァァァァァァァァァ!!お前なんて事を……」
「大丈夫大丈夫来るって」
「来なかったらマジお前のせいだからな……、飯奢れよ……」
「はいはい」




