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無職は転生してフリーターに進化した!  作者: 鋏と電灯
終章〜揺らめく世界〜
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日常学園

 モンドの目が開く、ベットから起き上がり、歯を磨き顔を洗う、トーストを焼きながらテレビをつけると、今日も日本の景気がーなど、いろいろな情報が聞こえる。


「ふぉああ~」


 モンドが大きななあくびをしながら、テレビから流れる音と光を漫然に感じ取っていると


 ピンポーンとチャイムが鳴った


 やれやれ、こんな朝早くからご苦労だな


 そんなことを考えていたモンドの耳に、ガチャとドアが開く音と


「おきてるかー! 」


 モンドの幼馴染であるシュヴの大きな声が聞こえた


「はいはい、起きています」


 モンドは気だるそうに、リビングを開け、シュヴを出迎える


「はあ、相変わらずだらしない格好だな」


 シュヴは、シャツとパンツだけというモンドの格好を見て、呆れるようにため息をつく


「朝は、みんなこんなもんだ」


 モンドが口を尖らせながらそう言う


「はいはい、朝ご飯はどんなだ? 」


 シュヴはそう言って、靴を脱ぎ玄関を上がりリビングの中に入る


「トースト」


 モンドは、食パンが3枚入ったオーブンを指さしながらそう言う


「これだけって、はあ~まったく、朝ご飯は一日の活力の源なんだぞ、それをこんなテキトーに済ましていいわけねーだろ」


 シュヴは呆れた口調で、モンドにそう詰め寄る


「朝は眠いんだよな~」


 ゆるんだ顔のモンドが、ゆるんだ声を出す


「まったく、しょうがないな」


 シュヴはそう言って、テキパキとキッチンで何かを作る準備をする


 モンドとは家族同然にすごしたシュヴは、だらしないモンドの世話をするようになって長いため我が家のように家事ができてしまうようになってしまった。


「お前が好きなウィンナーと目玉焼きでいいな」


 シュヴはそう言いて、モンドの返事を聞かず、二つのフライパンに油をひく。


「うん」


 モンドはうなずき、トーストが焼いてあるオーブンの前に立ち焼き具合を見る。


 リビングしばらくのあいだ、美味しそうな音と匂いにつつまれた


「ほーら、できたぞ」


 シュヴは、机の上に目玉焼きとウィンナーがのった皿を置く


 モンドは、少し焦がしたトーストにマーガリンとイチゴジャムを塗った後、椅子に座り朝ごはんを食べる。


「ほーら、のんびりしてないで、早く着替えて来い」


 食器の片づけているシュヴは朝ごはんを食べ終わったモンドにそう急かすように言う


「あー! はいはい! 」


 モンドは大きな声を上げ、自分の部屋に行く


 モンドは、自分の通っている学校である『田仁岡たにおか第一学園』のブレザータイプの制服に着替え、忘れ物はないかカバンをチェックしたあと、部屋を出て階段を降りると


「おーい、はやくはやく」


 シュヴが玄関の前でやたらと急かす。


「シュヴ……せっかちすぎ」


 モンドが疲れた顔でそう言うと


「そうか~」


 シュヴは首をかしげる


「そうだよ」


 モンドが靴をはいて、家の外に出ると


「ちょ、おいてくなよ~」


 シュヴがモンドの隣に来るような一で歩く


「な、モンドは昨日どんな夢を見た? 」


 シュヴが急にそんな事を聞く


「はあ、いきなりなんだよ」

 

 モンドが、怪訝けげんな顔でそう言うと


「いやさ~、昨日テレビでさ、夢でその人の願望がわかるって言ってから、なんとなく聞きたくなったんだ」


 シュヴがモンドの前に出て、後ろ歩きでそう言う


「う~ん、なんか無職の俺が死んで、転生して、最強になってモテモテって感じの夢」


 モンドは自分の見た夢の事をありのまま正直に話すと


「ぶ! あはっはっはっは!! なんだそれ、欲望に忠実すぎ、あ! でも~、無職になるのは正夢っぽいかもな」


 シュヴは大声で目尻に涙を浮かべながら笑う


「そ! そんなに笑わなくてもいいだろ! 」


 自分の見た夢が急に恥ずかしくなったモンドは顔を赤くする


「ごめん、ごめん、でも素直なのはいい事だと思うぜ」


 目尻の涙を拭いながらシュヴがそう言う


「あと、なんで無職だけ正夢なんだよ」


 モンドが半目でジットリと見つめると


「いや、おまえってさ~全体的にニートっぽいし」


 ニヤケながら、シュヴはそう言った


「え~! それってひどくないか、俺はちゃ~んと働きます! 」


 モンドがねたような顔になると


「冗談だって、それにお前が無職になったら、オレがお前を養ってしんぜよう」


 みょうに偉そうな態度にシュヴはなり、低い変な声を出す


「お、本当にか」


 軽い口調でモンドがそう言うと


「それも、冗談」


 シュヴはそう言うと、いきなり走り出した


「お~い、待っててば~」


 モンドも慌てて走り出すが、足が速いシュヴには追いつかない


「待ってやんない」

 

 シュヴは息を乱さず走り続ける


「はあ……ぜえ……待って……」


 息絶えたえの死にかけみたいな声をモンドは出すと


「体力なさすぎ、もっと運動しろ」


 呆れた顔のシュヴが呆れた声を出す


「はあ……はあ……、いや~、マラソンで県大会優勝様にはさすがにかなわないよ……」


 息を整えながら、モンドがとぎれとぎれにそう言うと


「いや~褒めったて何も出んぞ? 」


 シュヴは嬉しそうな顔になる


「別にいらないよ、あ~! でもそうなると今日の全校集会じゃあ、お前の賞状渡しに付き合わされるのか~」


 モンドが、憂鬱そうにため息をつくと


「おいおい、なんでそんな嫌そうな顔をするんだよ」


 不思議そうな顔をした、シュヴがそうモンドに尋ねると


「え~、だって、他人の賞賛しょうさんに付き合わされるなんて嫌だし」


 頭をかきながら、モンドがそう言うと


「おいおい、オレとお前の関係には他人なのか、悲しいな~おい」


 シュヴがオーバーに悲しんだだふりをする 


「え! いや、そんなつもりじゃ」


 モンドが慌てて弁解しようとすると


「ふふ、まあ、いいけどね、でもやっぱ、そういうこと言うってのは無職コースまっすぐだぞ」


 シュヴがモンドに注意ををするように指さすと


「はいはい、心の奥底から人の栄光を応援します」


 そう言って、モンドはシュヴの指さしの方向から逃れる。


「やれやれ、相変わらずだな」


 シュヴは、首を横に振りながら歩く。 


 虹色の太陽が今日もまぶしい。


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