異なる世界
モンドたち、『風吹くままに』はサイダニエ街を出て、セヴェル街に向かうため、旅車を走らせている。
そんな、ある日の夜
モンドは旅車の中にある備え付けのシャワーを浴びたあとの、少し涼むために外にでると、シュヴが空を見つめているのを見かけた。
「よう、シュヴなにやっているんだ? 」
シュヴの隣に立ったあとモンドはそう声をかける。
「ん?いや、なんでもないぜ」
シュヴは青い瞳モンドを見つめながらそう言うと、また空の方に目を向けた。
「空をに何か面白いものでもあるのか? 」
モンドは、シュヴのそっけない態度が気になりそんなことを聞く。
「いや、星をながめていただけだよ」
シュヴは、モンドを見ずにそう言う
「ふ〜ん」
モンドはそう言うと、シュヴと同じく星をながめる。
「なあモンド、あの星たちほどんな存在だと思う? 」
シュヴは、唐突にモンドにそんなことを聞いてくる。
「星の存在? 」
モンドは、よくわからないシュヴからの質問に首をかしげてそう答える。
「あの星たちは、お前が考えているものとは随分違うんだ」
シュヴは、少しだけモンドを見たあとに、また空へと目を向け直した。
「違うって? 」
モンドが、シュヴの方を見ながらそう言うと
「ああ、お前の元いた世界の星は広い宇宙に点在しているエネルギーの塊だが、この世界の星は、この世界に生きとし生けるものすべての魂そのものなんだ」
シュヴも、モンドの方を見てそんなことを言う。
「魂? ずいぶんメルヘンだな」
モンドが不思議そうな顔をしてそう言うと
「まあな、そもそもな、このテラテッラは世界が三つに分かれているんだ」
シュヴが座りながらそんなことを言う。
「え! そんなの初耳なんだけど? 」
モンドもシュヴに合わせて座りながら、そう言うと
「そりゃあ、初言いだからな」
シュヴは、少し笑ってそう答える。
「え〜、まあそうだけどさ、三つの世界って何? 」
モンドは、シュヴの三つの世界を早く知りたいので、そうシュヴに質問する。
「そうあわてんなって、まずオレたちが今ここにいる世界を『現界』という」
シュヴはそう言って、指で下をさす。
「ああ、今ここにいる世界だろ」
モンドは地面を手で叩きながらそう言う
「そして、『現界』を囲むようにある『星界』があるんだ」
シュヴは空を見上げながらそう言う
「じゃあ、俺が今見てる星空は別の世界なのか? 」
モンドは、星をながめながらそう言うと
「ああ、まったく違うの法則で動いている別の世界だ」
シュヴがそう答える
「ふ~ん」
モンドは、全く違う理で成り立つ世界をこの目で見ている
そんな不思議な感覚を味わいながらそう返す
「それで今オレたちが見ている夜の空の世界を『夜魂界』といって、人はもちろん、動物や草木、微生物、役物や魔物の命や心、魂と呼ばれるものがあるだ、そして『現界』にいる命あるものは『夜魂界』にある自分の魂とお互いに影響し合っているんだぜ」
シュヴは少し笑いながらそう言う
「じゃあ、この星空のどこかにある俺の魂の星が消えてしまったら、俺は死んでしまうのか? 」
モンドがそう聞くと
「ああ、そうだ、ついでにお前が死んだら、お前の魂の星も消えてなくなってしまうな、でもお前は『不死身』の星質のおかげで魂の星が消えることはないがな、ついでに星質というのは魂の星の個性みたいなもなんだぜ」
シュヴがモンドの顔を見ながらそう言う
「そうか、あれ? じゃあ『六芒星の秘術』は、『星』から力を借りる技術だから、それだとおかしくないか? 」
モンドが首をかしげながらそう言うと
「ああ、あんときは説明不足だったな『星』には二種類あって、『夜魂界』にある魂の星を『星命』と言うんだ、昼の空の世界『昼法界』にある『六芒星の秘術』に必要な星は『恵星』または『太陽』と言われているな」
シュヴはそう答えた
「そうか、ん? でも太陽が六芒星の秘術に必要なら、昼しか使えないんじゃあないの? 」
モンドは、自分が六芒星の秘術を夜にも使えたことを思い出し、そう疑問を口にする
「別に夜だからって太陽がなくなるわけではないからな、特に影響はないぜ」
シュヴはモンドの方を見てそう答える
「この世界って、俺が元いた世界と似た感じなのにけっこう違うんだな」
モンドが周りを見わたしながらそう言うと
「でも、現界はお前のもといた世界とそこまで違いはないぜ」
シュヴはそう言う
「そういえば、この世界って、俺が元いた世界、日本と同じ言葉だし、物の名前も同じなのいっぱいあるよな? 」
モンドは今までのことを振り返りながらそう言うと
「そりゃあ、なにもかもがまったく違う異世界に転生なんて嫌だろ? 」
シュヴは笑いながら、そう答える
「それもそうだな」
モンドも笑いながらそう言う
「そういえばさモンド、お前が異世界からの転生者だっていうことは、みんなに話さなくていいのか? 」
シュヴは真面目そうな顔になり、そう言う
「う~ん、それは機会があったら言うよ」
モンドが体を伸ばしながらそう言う
「あ、そう言って教えないつもりだろ」
シュヴが意地悪な顔でそう言うと
「機会があればちゃ~んと教えます」
モンドはそう言って立ち上がると
「やれやれ、どうだか」
シュヴが呆れたように言ったあと、立ち上がる
「じゃあ、もう旅車の中に戻るか」
モンドがそう言うと
「そうだな」
シュヴはそう返し
二人は旅車の中に戻った。




