サヤアテ
モンドたちの、チーム名を『風吹くままに』に決めて、約一ヶ月がたったある日の朝のこと。
「よし! とうとう明日に、コンテストが迫った! 確実に好成績を出すだろうが、油断は禁物! 気を引き締めろ! 」
朝ごはんを食べ始めようとしているみんなに対して、シュヴは大声でそう言う。
「コンテストって? 」
モンドが不思議そうな顔でそう言うと
「あ゛あ゛!? 」
シュヴが怒ったような声を出す。
「ご主人様、騎士がいい武器商人を見つけるために開くコンテストのことです……」
イブが小声でそうモンドにつたえると
「あ、あぁ~、そうだった、そうだった、思い出した、思い出した」
モンドが軽い口調でそう言うと
「たくっ……、大丈夫か……」
シュヴは不機嫌そうにそう漏らした。
「心配しなくても大丈夫だろ」
モンドがそう言うと
「心配なのはコンテストじゃなくて、お前の頭だよ……」
シュヴが疲れた顔でそう言うと
「それって、ひどくない」
モンドがそう言う。
そうこうして、日はすぎ、ついに武器コンテスト当日となった。
「うひゃ~、人でいっぱいだな~」
モンドは、まだ日が昇って間もない時間なのに人がいっぱいの、コンテスト会場入口前で、そう言う
「そりゃあそうさ、今日のコンテストの主催は、重い鎧をまといながらも高い機動力を持つため『飛び跳ねる鉄塊』ともよばれる、ザイダニエ街いや、ノルテ州で最強とまで言われる騎士、『キャーナル・ソヴァジュ』だからな、武器を売り込みたい武器商人やキャーナル・ソヴァジュとコネを作りたい連中、お祭り騒ぎが好きな市民など、いろんなのが大勢来るからな」
シュヴが、そう返した。
「ひ、ひひ、人が、い、いっぱいで、緊張します! 」
イブが息を荒くしてそう言う
「イブちゃん、深呼吸、深呼吸」
スレイが優しい顔で、イブにそう言うと
「ふゆぅ~~! はしゅ~~! 」
イブは一回、深呼吸する
「はぁ、ふう、なんだか落ち着いた気がします」
イブはそう言った
「ねぇ~! オシッコいきたい~! 」
リリトがそう言うので
「しょ~が~ねぇな、スレイ、悪いがリリトを連れて行ってくれ」
シュヴがそう言うと
「はい、わかりました」
スレイはそう言って
リリトの手をひいて、人ごみの中に消えていった。
「二人だけで大丈夫か? 」
モンドが心配そうに、そう言うと
「スレイはお前よりしっかりしているから、大丈夫だ」
シュヴはそう言い
「うん、スレイちゃん、昔からしっかりしてたもん」
イブが続けて、そう言った
確かにスレイは俺たちの副リーダー的ポジションにいるぐらい、しっかりした娘だしな
モンドが、そう思っていると
「よし! 早くエントリーするぞ! 」
シュヴはそう言って、受付嬢のいる机の前に向かった。
「エントリーを希望します」
シュヴが受付嬢にそう言うと
「わかりました、ではチーム名をお答えください」
受付嬢がそう言うと
「ああ、『風吹くままに』だ」
シュヴがそう返すと
「わかりました、では時間までお待ちください」
受付嬢は、深々と頭を下げた。
「ふう~、あとは待つだけだな」
シュヴがそう言って、受付嬢のいる机から離れたたすぐ後に
「ご主人様、シュヴさん、受付は終わりましたか? 」
スレイがそう聞いてきた
「お、戻ってきたのか無事終わったよ」
シュヴがそう言うと
「思ったより早かったな」
モンドが続けて言うと
「あ、トイレが思ったより近くにあったので」
スレイがそう言うと
「ふふん、あたしが見つけたんだよ! 」
リリトが自慢げに言う
「そっか……じゃあ、時間までどこで暇をつぶす? 」
モンドがそう言うと
「え! 無視! 」
リリトが驚いたように言う
「いや、どうでもいいし」
モンドがそう言うと
「ブーー! ひっど~い! 」
リリトがホッペをふくらませ、そう言う
「そう、怒んなって、飴でも買ってやるから」
モンドがそう言うと
「え! ホント! じゃあ、許してあ~げる! 」
リリトは子供のように笑いそう言った。
「よし! とりあえず旅車から武器を持ってくるか」
シュヴがそう言った。
こうして、モンドたちは武器を取りに行くため旅車で戻ったりと、いろいろしている間に、コンテストが始まる少し前の時間になった。
「おう、結構いるな……」
シュヴがそう言う
いつもなら、8~10組程度しか集まらないが、今回は22組もいる、それだけ大勢の人が注目しているということだ。
「おいおい、ガキばっかの集団がいるぜ~」
モンドが待っていると、大柄の筋肉質な中年の男が、そう言って絡んできた
「ここは、子供の工作発表会じゃあないぞ」
中年の男はニタニタ笑いながらそう言う
ほかに待っていたやつらも、何人かこちらを見下した顔をしている
「子供の工作に負ける、あんたよりはマシだ」
シュヴがそう言うと
「あんまりでかい口を叩くと後で、恥をかくことになるぞ」
中年の男がニヤつきながらそう言う
「おいおい、あんまり、自分のことを悪く言うんじゃあないぞ」
シュヴがそう言うと
「ぶぐっ、ゲハハハハハァ~~!! 大した自信だなぁ、え、まっ、楽しみにしているよ、お前らが赤っ恥をかくのをよぉ! 」
中年の男は笑いながらそう、言って去っていった。
「なんなの、あいつ! 」
リリトが怒ったように言うと
「あいつは、ナシオン集合国で一番の武器屋と言われるフェール商会のやつだな」
シュヴはそう言う
「ちょっと、やばいんじゃない」
モンドがそう言うと
「ふん! あんなの敵じゃあないよ」
シュヴがそう言うと同時に
「それじゃあ、コンテスト始めまーす! 」
と言う、声でコンテストの開始が告げられた。




