名は体を表す
モンドたちが武器作りを本格的に始めた、次の日の朝ごはんの時
「なあシュヴ、まかりなりにも商人になるんだから、商会とかに入らなくていいの? 」
モンドはそんな事を聞く。
「うん、ああ、別に入らなくていいぜ」
シュヴはそう答える。
「え! いいの! 」
モンドは大きめの声でそう言う
「ああ、定住型ならともかく移住型なら、商会に入っていないのも多いぞ」
シュヴはそう言うと
「あのー、いいですか」
イブがそう言って静かに手を挙げながらそう言う。
「ん? なんだ」
シュヴがそう言うと
「でも、商会に入らないと、ボクたちの商品が信頼されないんじゃないでしょうか」
イブがそう聞くと
「その点は心配ない、あくまでオレたちは少数の高級品を売りに行くんだ、一つ一つ買い手が自分でいろいろ試すからな、たとえオレたちが信頼できなくても自分なら信頼できるだろ」
「うん、わかりました」
イブは頷きながらそう言った。
「そういえば~、チーム名とか決めてないよね」
リリトが唐突にそんなことを言う
「チーム名とかいるかぁ? 」
モンドが眉をひそめながら、そう言うと
「いや、いるな」
シュヴがそう言う
「あ、確かに名前のない商人なんて変ですもんね」
スレイがそう言うと
「ああ、そういやそうだな」
モンドが顎に手をやりながらそう言う
「じゃあ、どんなチーム名にするかみんなで決めようぜ」
シュヴがそう言うと
「せっかくですから、紙に書いて一人ずつ発表する形にしましょう」
スレイはそう言うと、立ち上がり紙を何枚か持ってきて、みんなに一枚ずつ配った。
「ゲームみたいで、おもしろいかも」
リリトは、楽しそうに、そう言って、紙を受け取る
「いい名前、考えます! 」
イブが、はりきったように言って、紙を受け取る
「よし! 最高にかっこいい名前にしてやるぜ! 」
モンドは、自信満々(じしんまんまん)に、紙を受け取る
「あんま、変な名前付けるなよ」
シュヴは、モンドにそう言いながら、紙を受け取と
同時にみんな紙に何かを書き始める。
しばらくして
「みんな、書き終えたか」
シュヴがそう言うと
モンド、イブ、スレイ、リリトの四人は頷いた
「よし! じゃあ、まずモンドからだな」
そう言うと
「ふっ……なかなかの自信作だ」
モンドはそう言って、紙を見せると
「モンドォ……、その名前はないぞ」
シュヴがそう言う
「はあ! かっこいいだろ! 」
怒ったように言う、モンドの紙には
悠久謫仙刀匠
と書かれていた。
「いや、意味がわからんどころか、まず読めねーぞ! 」
シュヴがそう言うと
「悠久謫仙刀匠って読むんだよ、もしかしてわかんないの? 」
モンドは意地の悪い笑みをうかべ、そう言う
「いや、わかるから」
シュヴはそう言ってから
悠久の意味は、果てしなく長いということ。
謫仙の意味は、優れているということ。
刀匠の意味は、剣を作る職人のこと。
すべての、言葉の意味を説明した。
「それだけ、わかっているならば、『永遠に、いい武器を作り続ける』という意味が込められた、センスある名前だとわかるだろ」
モンドが自慢げにそう言ってくる。
「はぁ~、普通に考えたら意味わかんねーぞ、とりあえず難しい言葉を使えばカッコイイってもんじゃあないから」
シュヴがため息をつきながらそう言うと
「そ! そんなことありません! か、か、か、かっこいいです! 」
イブがそう言って、モンドの考えた名前を擁護する。
しかし、その目は泳いでいた。
「イブ、無理に擁護しなくていいから」
やさいしい顔で、イブにそう言った後
「ほらな、やっぱダサいわ」
シュヴがモンドにたいしてそう言うと
「いや、俺の考えた名前が、百万歩いや一兆歩を譲ってダサいとしよう、でもお前の考えた名前の方が絶対に百億倍ダッセーから」
モンドがシュヴにたいして、そう言うと
「ふん、そう言っていられるのも、今のうちだけだぞ」
そう返し、シュヴのは紙を見せる。
移動する武器商人
シュヴの紙にはそう書かれていた。
「なぁにこれ! 」
モンドはシュヴにたいして、そう言う。
「いや、わかりやすくていいじゃん」
シュヴがそう言うと
「いや、わかろやすけりゃあ、イイってもいんじゃないだろ」
モンドが、そう返すと
「いや、とりあえず何事もを名を広めるには、わかりやすさが勝負のカギというわけ、だってさ、いくらいい名前でも理解してもらわなきゃ無いのと同じだぜ、そもそもさ、オレたちはカッコイイ名前大会じゃなくて、あくまで店の名前的なものを決めるという趣旨だろ、ならわかりやすさが最重要だとオレは思うだよな」
シュヴは更にそう返す
「いや、わかった、わかった、でもさすがにセンスないと思うぞ」
モンドがそう言うと
「いやでも、わかりやすさが」
シュヴはそう言う
「いやでも、センスが」
モンドはそう言う
「いやでも、わかりやすさが」
「いやでも、センスが」
そう、モンドとシュヴが言い合いをしていると
「あー! もう! 二人ともダメー! 」
リリトが大声をあげる。
「うお! なんだいきなり」
モンドがそう言い
「いきなり、大声を上げないでくれ」
続けて、シュヴがそう言うと
「ケンカはダーメ! 」
リリトがそう返した
「うん、まぁ、そうだな」
モンドはそう言い
「じゃあ、リリトのを見せてくれ」
シュヴがそう言うと
「ふふん、あまりの出来の良さに驚ろかないでね~、ジャーーーーン!! 」
そう言ってリリトが見せた紙には
超絶最強暗黒竜騎士
そう書かれていた。
「いや、意味わからんうえにダサいぞ」
モンドがそう言い
「ああ、驚いたぜ……、あまりの出来の悪さにな……」
シュヴがそう言うと
「ブーー!! なんでそんなイジワル言うのーーー!! 」
リリトがホッペをモチのように膨らませ、大声でそう言う
「いや~、だってさ、超絶最強暗黒竜騎士のどこに武器商人要素があるの? 」
モンドがそう言い
「超絶や最強はわかる、それぐらいオレたちの作る武器は強いからな、竜もリリト、お前がドラゴン系だからかろうじて理解できる、でも暗黒と騎士は一体どこから来たんか本当にわからん」
続けて、シュヴもそう言うと
「だ、だってかっこいいし……」
リリトのその言葉に
五歳児かよ……
モンドとシュヴはそう思ってしまった。
「リリトさん、ノリだけで名前を決めちゃいけません、これから私たちが背負うべき名前です、きちんと願いを込めないと、ご主人様、ボクの考えた渾身のそして、これからの願いを込た名前を見てください! 」
イブはそう言って、紙を見せた
いつまでも仲良し連合
そう、書かれていた。
うわ……
という顔をモンド、シュヴ、リリトはした。
「イブゥ……、俺たちが、いつまででも仲良くしてほしい……、そう思ってくれるのは嬉しい……、でもな、ちょっとダサすぎだと思うぞ」
モンドがそう言うと
「うぐっ……ひっく……ごべんなさい」
イブは突然、泣き出しそういった。
「あ~りゃりゃ~、泣かせちゃった」
シュヴがそう言い
「モンド、サイテ~」
続けて、リリトがそう言った
ええぇぇ~~! ! 、さっきまでお前らも(うわ……ダサ)って顔してたじゃん! なのになんで俺が責められるんだよ! こぉの、裏切り者~~~! ! !
モンドは心の中で、そう言いながら
「イブ……べつに、お前を責めているわけではない、ただ、あくまでも組織の名前を決めるもので、俺たちの仲良しっぷりを見せつけるものではない、それに俺たちはそんなことしなくても、ず~っと、仲良しだ! 」
モンドは親指を立て、カッコつけた顔でそう言うと
「は、はい! そうですよね! 」
イブは輝やかしい笑顔でそう言った。
「じゃあ、最後にスレイだな」
シュヴがそう言うと
「は、はい! 」
スレイはそう言って、紙を見せてきた。
風吹くままに
そう書いてあった
「う~ん、なかなか、いいんじゃあない」
モンドがそう言うと
「たしかに、移住型っていうが伝わるな」
シュヴがそう言う
「まあまあ、いいかも」
続けて、リリトがそう言うと
「いいとおまいます」
最後にイブがそう言った
正直に言うと、みんなこのまま堂々巡りの議論は続けたくない。
そういう思いと
バランスの整った、スレイのネーミングになんとなく納得したため
特に、反対意見は出なかった。
「よし、じゃあ、スレイの考えた『風吹くままに)』でいいな」
シュヴがそう言うと
モンド、イブ、リリトの三人はコクンと頷いた。
こうして、モンドたちのチーム名は『風吹くままに』となった。




