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無職は転生してフリーターに進化した!  作者: 鋏と電灯
第二章~これからどうする?~
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鍛冶

 モンドとシュヴは朝早くに起き、武器製造(ぶきせいぞう)のために、必要(ひつよう)な細かい準備し、昼ごはんを済ませた後


 本格的に製造(せいぞう)に取(と)り掛(か)かることにした。


「それじゃあ、はじめるかモンド」


 昼前に鉄と君子の宝石《ヴァイザエデルシュタイン》を融(と)かし、混ぜ合わせ、型(かた)に流し込(こ)んだ、剣の元となる合金(ごうきん)の板(いた)三枚を見ながらシュヴはそう言う。


 このうち、一枚は刃の部分になる、硬い鉄である『鋼(はがね)』


 残りの二枚は、硬く脆(もろい)いは鋼(はがね)を包(つつ)み守る、粘(ねば)りけのある鉄である『地金(じがね)』


 ただし、モンド作の鋼(はがね)はそこいらの地金(じがね)より、はるかに粘(ねば)り気があり


 地金(じがね)はそこいらの鋼(はがね)より、はるかに硬い。 


「ふう、そうだな」


 モンドがそう言うと


 シュヴはヤスリで錆(さび)をおとし、汚(よごれ)れをふきとりながら


「おう、手伝ってほしいことたったら言うから、その間(あいだ)は見学でもしてくれ」


 綺麗になった鋼(はがね)を綺麗になった地金(じがね)の間(あいだ)に挟(はさ)む。


 シュヴは鋼(はがね)と地金(じがね)間に粉みたいなものを入れていた。


 モンドは疑問に思い


「なあ、シュヴその粉は何? 」


 と聞いてみる


「ああ、これは『鍛接剤(たんせつざい)』といってだな、融(と)けない程度に熱(ねっ)した鉄をくっつけるのを『鍛接(たんせつ)』と言うんだ、しかし鉄(てつ)は熱(ねっ)すると、硬い膜(まく)みたいなのは出来るんだが、その膜は鍛接(たんせつ)の邪魔(じゃま)になるから、鍛接剤(たんせつざい)でその膜を取(と)り除(のぞ)くんだ」


 とシュヴは答えてくれたので


「ふ~ん、そうなのか」


 モンドはそう返した。


「それじゃあ、入れるぞ」


 シュヴはそう言って、重ねた三枚の鉄の板を、高熱の炉(ろ)の中に入れる。


 そして、鉄が赤く光り始めると


「いまだ! 」


 シュヴはそう言って、素早く取り出し、赤く熱(ねっ)せられた鉄をハンマーで何度も叩き、甲高(かんだか)い音を響(ひび)かせる。


 そうして、剣っぽい形になると、もう一度炉(ろ)の中に、しばらく入れる

 

 その後、また取り出し、断熱性(だんねつせい)の高い布に入れ、ゆっくり冷やす。


「ふう、これでしばらくは暇(ひま)だな」


 汗をだらだら流した、シュヴがため息混(いきま)じりにそう言う。


「ご苦労さん、剣の形は出来ていたけどもう完成したの? 」


 モンドがそう言うと


「いや、『焼(や)き鈍(なま)し』が終わっただけで、今の状態だと柔(やわ)らかすぎる、まだまだやることはあるぞ」


 シュヴがそう言う


「うわ~、大変だな~」


 モンドがそう言うと

 

「剣なんて、そうお手軽にできるわけないだろう」


 シュヴがそう言う


 そうこうして、しばらく時間が経(た)つと、制作途中の剣がだいぶ冷えたのでシュヴは


「ちょうどいい頃合(ころあい)だな」


 そう言って、制作途中の剣の形を整(ととの)え 


 また制作途中の剣を炉(ろ)の中に入れる。


 そうして、しばらく熱(ねっ)したあと、取(と)り出(だ)し水の中にいれ急速(きゅうそく)に冷やす。


「このぐらいかな」


 あまり、急速に冷やしすぎると、鉄は割れてしまうため、いい感じのタイミングでシュヴは制作途中の剣を水から取(と)り上(あ)げる。


 そうして、しばらく、空気でゆっくり冷やすと


「モンド出番だ、超冷(ちょうつめ)たい魔法を使え」


 シュヴがそう言うと


「超冷たい魔法? 」


 モンドがそう言って、首をかしげると


「物を冷やす魔法だよ」


 シュヴがそう言う

 

「ああ、わかった」


 モンドはそう言うと


 円と文字を書き


「『凍気(フリオアイル)』」


 そう言うと、とてつもない冷気(れいき)が出る


 この魔法は、水と風のあわせ技(わざ)であり、かなり難易度が高い


「よ~し」


 シュヴはモンドが出した冷気に制作途中の剣をかざし冷(ひ)やす。


「なんかこれ意味あんの? 」

 

 モンドがそう聞くと


「ああ、この作業は『焼(や)き入(い)れ』っと言って、鉄を硬くする作業なんだ、鉄はゆっくり冷やすと柔(やわ)らかく、加工しやすくなる、そして急激(きゅうげき)に冷やすと硬くなるんだ」


 シュヴはそう言う。


「じゃあ、硬くなったから、もう完成? 」


 モンドがそう言うと


「いや、今度は硬すぎて脆(もろ)い、だから」


 シュヴはそう言って


 少しだけ熱い炉(ろ)の中に、制作途中の剣を入れる。


「こうやって、少しだけ熱(ねっ)するんだ、ちなみにこの作業は『焼(や)き戻(もど)し』って言うんだぜ」


 しばらくして、制作途中の剣を炉(ろ)から取(と)り出(だ)し


 高速回転するヤスリで刃(は)を作る。


 最後に持ち手を作ると


 両刃(りょうば)の直刀(ちょくとう)が出来た。


「ふう~、完成! 」


 シュヴは汗を流し満足気(まんぞくげ)にそう言った。


「おお~、なかなかの剣じゃあないか」


 モンドはそう言う

 

「そうだろ! 」

 

 シュヴは少し興奮ぎみにそう言う。


「でも、いちいち冷やすためだけに、俺がいるのは嫌だな~」


 モンドはそう言うと


「え~、まぁ、確かに意味ない感じはするな」


 シュヴはそう言う


「じゃあ、冷凍玉(キュールシュランク)でも作るか」


 モンドはそう言って、君子の宝石《ヴァイザエデルシュタイン》と水を合わせると


 わずかな魔力で非常(ひじょう)に冷たくなる石ができた。


「うん、これを箱か何かに入れておけば、お前の手は借(か)りなくて済(す)むな」


 シュヴは頷(うなず)きながらそう言った。


「そんなことより、これをみんなに見せてみようぜ」


  モンドはそう言うと


「そうだな! 」


 シュヴはそう返した。


 



 イブ、スレイ、リリトの三人をよんで、リビングで剣を見せる


「できたんですか」


 スレイはいつもの感じでそう言う


「見た目は普通だね」


 リリトは興味なさげに言う


「ちょっと、持ってみていいですか! 」


 イブは二人と違い興味津々(きょうみしんしん)にそう言う


「ああ、いいぞ」


 シュヴはそう言って剣をイブにわたす


「かなり軽(かる)いですね」


 イブがそう言うと


「ああ、軽くて、丈夫(じょうぶ)で、切れ味バツグンだぜ」


 シュヴがそう言う


「は~」


 イブは感心したように剣を見つめる


「イブ、お前にそれやるよ」


 シュヴがそう言うと


「ええ! でも……」


 イブは商品の剣をもらっていいのかと、遠慮(えんちょ)がちにそう言う


「いや、気に入いたみたいだし、やるよ」


 シュヴがそう言うと


「じ、しゃあ、ありがたくいただきます! 」


 イブは、嬉(うれ)しそうに笑いながらそう言った


「あ、でも今は鞘(さや)を作るのに必要だから返してもらうぞ」


 シュヴはそう言うと


「あ、わかりました」


 イブは、そう言ってシュヴに剣を返した。


「じゃあ、あとはオレ一人で作るから、お前らは好きにしていてくれ」


 そう言って、シュヴは作業する場所に消えていった。





 その日、シュヴはイブの分を含(ふく)め三本の剣を作った。 

 

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