第1話 100年の眠りの呪い
ある夜、自宅の部屋でピンク色のフサフサのラグに座って、趣味の刺繍をしているサクラ。
「あ、またここ間違っちゃった…はぁ〜…」
サクラは肩までのピンク色に染めた髪の毛を、手でバサっと肩の後ろにやる。
「またやり直ししなきゃだ、もぉ〜ほんと、私っていつもこう」
サクラは溜め息をついたあと、右手に持っていた針を動かす。そのとき、左手人差し指に刺さってしまった。
「いたっ!」
サクラの人差し指の先から、赤い血がツーッと垂れる。
「はぁ…やり直そうと思ったら次はこれ…ほんと、私って不器用」
サクラはティッシュを探していると、突然、目の前で金色の粉が渦を巻いて宙を舞った。
サクラは驚きのあまり、その場で固まる。
すると、金色の粉の中から、青色のフード付きのマントを着た、銀髪の中年の女性が現れた。
「あら。ごめんなさい。突然現れて。びっくりさせちゃったかしら」
言葉や仕草は上品だ。
「あ…の…あなたは…?」
「うふふ、こんばんは。私の名前は、フィレシアよ。よろしくね」
フィレシアは笑顔でサクラの手を取ると、大きく上下に動かして握手をする。
「え…あ…はい…よろしくお願いします…って、ここ私の部屋よ!?一体なんなの!?どうやって!?」
すると、フィレシアは急に手を止め、サクラの左手の人差し指をじっと見つめる。
「あなたは5ヶ月後に、100年の眠りにつくでしょう」
「…はい?」
サクラは目を丸くして、フィレシアを見つめ返す。
「でもね、大丈夫よ。心配しないでちょうだい。それを回避する方法も、今から教えてあげるわ」
フィレシアは、ふふふっと楽しそうに微笑むと、着ている青色のマントのポケットから、指揮棒のような白い細い杖を取り出す。
「いい?これから毎月、あなたの元に美少魚が訪ねてくるわ」
「え、あ、びしょうじょ…?が…?」
「ち・が・う・わ!美少女ではなくて、美少、魚!」
「え、びしょう…ぎょ……??」
「そうっ!美少魚よ」
「…え…それは、なに…魚…?」
困惑したサクラは、瞬き多くフィレシアを見つめる。
そんなサクラに対して、フィレシアは嬉しそうに微笑んで体を左右に揺らす。
「そうよっ。いい?訪れてくる美少魚ちゃん達5匹を、それぞれきちんとお世話をして、元気にまたあなたのお家から送り出してあげて。5匹とも元気に帰ったら、あなたはその毒針による100年の眠りにつく呪いから解き放たれるでしょう」




