第7話「たとえ町の人や、世界中の人を敵に回しても、」
「おい!皆無事か!?」
「かすり傷ぐらいだ」
「お、おい、が、学校が・・・」
「跡形もない・・・。」
「・・・」
「わ、私生きてるよね?」
「当り前じゃない!!」
「僕達の他にもいないのか!!」
「分かんない・・・。皆無事なのか」
「数名は無事だぞ。お前ら。」
目の前にぽっちゃり体系の男の人がいた。
「その声は・・・谷ちゃん!?」
「谷ちゃん先生生きてたんですか!?」
「俺を勝手に殺さないでほしい。」
「すみません」
「で、他の皆は?」
「門の外に出ている。着いてこい。」
僕たちは谷ちゃんの後に着いていく。
振り向くと学校は何も残ってない。
谷ちゃんは数名が生き残ってると言ってる。
その数名以外は爆発に巻き込まれ、死んでしまったということだ。
再び思い出す、目の前でクラスメイトが爆発に巻き込まれた瞬間。
あの爆発が学校の全てを奪った。
そして僕はあのセイレとかいう女の言葉を思い出した。
『残念ながらあたしにはそういう絆は分からない物で。
なぜならあたしは機械だからだよ。
機械はそういう物は分かんないし。』
機械・・・あの女は機械なんだ。
だからご主人とかあいってるんだ。
だから絆をくだらないとか言ったんだ。
機械だから心が無いのか、
ただ単に絆とかが嫌なのか。
今思えば科学が進歩しているのかも知れない。普通に機械が出てきてるし。
そんなことを考えながら谷ちゃんに着いてくと門から抜け、しばらくした所に数名の生徒がいた。
「あ、先生!が、学校はどうなってましたか・・・?」
「なぜか学校は跡形もなくなってしまった。」
「う、嘘・・・。」
「どうして俺がこんな目に逢わなければいけないんだよ!!」
「知らないよ!そんなの私が聞きたい!!」
いるのは本当に数名だ。怒鳴り出す生徒。泣きだす生徒。
なにも行動ができない生徒。いろいろな生徒がいた。
「卯月、これからどうする」
「卯月先輩・・・」
「家に戻るのか?」
「・・・・・・」
「これから私たちどうなるんでしょうか・・・」
「きっと他の学校に移動するんだよ」
「え、やだ!私は皆と離れたくありません!!」
「あたしだって!!」
「俺だって!」
『僕も』
睦月もカンぺで気持ちを伝える。
「分かった。あたし達のアジトに行こう。」
卯月の声だ。
「え・・・?」
「アジトに行ってどうすんだ?」
「アジトに住むに決まってる!!」
「な・・・」
「皆でまとまって住めば・・・恐くないでしょ?」
「だけどお母さんが・・・。」
「今日から友達の家に泊まるでも言っとけ。」
「は、はい!!」
「持ち物は自分の必要な荷物!以上!!」
こうして皆がアジトに住むことになった。
僕も荷物を持ってくるため、家に帰る。
まずは、母親の説得だ。
家に着く。
玄関を開けると母親が急に現れた。
「さっちゃあああああああああん!!」
「さっちゃん!?誰それ!?」
「五月のあだ名」
「普通に五月にしてくれ」
「まぁ、その話は置いといて」
「追いとくのかよ」
そして母さんは言う
「よかった、よかった。五月が生きていてよかった。」
「そんなに心配しなくても・・・。」
「するわよ普通!息子が爆発に巻き込まれたら心配するわ!
でもまぁ、生きていることだけで奇跡よ。普通は巻き込まれたら死んでしまうもの」
「そりゃあ回避しながら逃げてきたし。」
「でもどうして学校が爆発するのかしら?」
「知らん」
爆発させた張本人は知っているけどな
「本当最近物騒よね~」
「確かに」
「噂だけど、この町のどっかに科学者の研究所があるんだって」
「僕も聞いたことあるんだけどこの町に魔女が住んでいるとか」
「いるんだったら出てくればいいのに」
「そう簡単に出てこないよ」
「この前テレビでやっていたんだけど、どっかの町が細菌感染症とか何かが流行しているらしいわ
かかる人によって症状が違うんだって。」
「ふ~ん」
やっぱりこうやって聞いていると物騒だ。
あとは別世界があるとか無いとか。
僕は無いと思う。
長話をしすぎた。本題に入ろう。
「母さん。急だけど僕今日から友達の家に泊まるから」
「本当に急ね・・・。」
「いいかな・・・母さん?」
「五月の自由にしなさい。」
「ホント!?」
「ただし、約束があるわ」
なんだろう、約束って?
「1つ、たまには帰ってくること。2つ、私より1分でも長く生きてること。」
「分かったよ、だけど母さんも1分でも1秒でも長く生き続けろよ」
母さんは言う
「私は不死身だから大丈夫」
「それは嘘」
「ばれたか・・・」
「ばれるだろう!普通!」
「五月の目は節穴か思った母さんが間違えてたよ。」
「いろいろ間違えてる!」
もう・・・疲れた・・・この母親。
「ほらほら!こんなコントをやってる暇があったら早く行く準備をしなさい!
待ってんでしょ!友達が」
「うん」
僕は急いで準備する。
準備が終わり外に出て、
「じゃあ、いってくる」
「がんばれー」
がんばれー!?普通はいってらっしゃいとかじゃないのか!?
僕の母親は言葉のキャッチボールがおかしいのかもしれない・・・
そして僕は母さんに見送られながら歩く。
僕はアジトを目指して歩く。アジトと行っても卯月の家だけど。
あれ?どうして卯月は皆でまとまって住もうとか言ったんだろう。
『皆でまとまって住めば・・・恐くないでしょ?』
なんだ?この変な間は?なんだこの言葉は・・・意味が分かんない。
でも考えても僕の頭じゃムリだろうから、
今はアジトに行こう。きっといつか意味が分かるだろう。
そう思い、僕はアジトに向かっていった
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
アジトに住もうなんか言ったけどこれでいいんだよね
こうしないと皆が消える。
世界が瓦礫の山になってしまうかもしれない。
たとえ町の人や、世界中の人を敵に回しても、皆を護らないと・・・ね。