第8話「これはただの悪夢だ!」
僕はアジト(卯月の家)まで走って行った。
運動が苦手な僕には辛いんだけど・・・。
そして卯月の家の門に着く。相変わらずでかい家だ。
卯月の家は昔の家で例えると貴族みたいな家だ。
卯月本人は「広いと落ちつかない」と言ってる。こんな家、普通は憧れるだろう。
無断で卯月の家に入るにはいかないのでちゃっかり付いているインターホンを押す。
「あ、五月!」
インターホンから卯月の声がする。
「入ってきて!ちょっと今はうわああああ」
「え、ちょ、卯月!?」
卯月の叫びと同時にがらがらと何かが落ちる音がした。
接続が切れた。何があったんだ!?
僕は急いで門を開け、庭に入り、玄関を開ける。もう皆来ているようだ。
僕も急いで靴を脱ぎ、すぐさま卯月の居そうな部屋に入る。
「卯月!!」
「さ、五月、助けて~・・・」
僕が見たのは本の山だった。
「う、卯月さん・・・?」
「た、助けて~重い~」
「う、卯月が本の下敷きになっている・・・」
「見てねーで早く助けて~死ぬぅ~」
「はいはい」
僕は本を卯月からどける。でも本の量がすごいわけで。
「なかなか減んないぞ。これ」
「棚の本が全部落ちたと思う・・・」
ホントだ。棚には本が1冊もない。
「なぜこうなったんだ?」
「本の整理してたら本が落っこちてきた」
あー、だからインターホンからすごい音が聞こえたのか・・・。
「で、他の皆は?」
僕は本をどかしながら聞く。
「他の部屋にいる」
「でかい声で呼べばいいじゃん」
「声出すのがめんどくさい」
「オイ」
「何?」
「声出すぐらいでめんどくさがるな」
「別にいいじゃん」
この子、女の子?って言いたいぐらいだ。
だいぶ本をどけられたと思う。
「もうこれで出られるだろう」
「ありがとう」
「卯月は何をしてたんだ?こんなとこで」
「いろいろとやってた」
「いろいろ・・・?」
「記録とか付けていた」
「何の?」
「今週のアニメ視聴率」
「・・・そんなの取って何がおもしろいんだ?」
「いろいろと」
「・・・」
物好きすぎる。
「早く皆の所に行こう」
「うん」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「皆が待っていた五月君がやっときました~」
「遅いぞ五月!」
「・・・」
「大神先輩何かありましたか?」
「いや、母親と喋っていて遅くなっただけ」
「話内容は?」
そこまで言うんかよ。
「言わないと女装写真をネットに「分かった。話すからそれだけはやめて」・・・」
「母さんとこの世界は物騒だねって話していたんだよ」
「確かに最近物騒ですよね」
「ああ、物騒だ。この世界は」
「卯月もこの世界のこと物騒だと思うの?」
「ああ。だが、物騒だと思うじゃないんだよ」
「え?」
「もう物騒になってんだよ」
もう、物騒にあっている・・・確かに、今日の爆発もそうだし・・・。
「こんな噂知ってるか?」
「どうしたんですか?変態先輩」
「変態先輩は止めろ。春歌」
「いや、本当のことじゃん」
「・・・」
「長月先輩落ち込まないでください!」
弥生がフォローに入る。
「ありがとう。弥生ちゃん。君はなんて優しい。君は将来良いお嫁さんになるよ」
「ありがとうございます。でも、気持ち悪いですよ?先輩」
変態先輩、再び落ち込む。
「噂だけどさー」
春歌が喋る。
「ここの町に魔女がいるっていう噂知ってる?」
「知ってるよ!確か森に居るとか・・・・?」
「俺も聞いたことあるー」
「復活早っ!」
「聞いたことあるというか森に行く男にあったんだよ」
「話ずれてませんか?」
「ずれてないずれてない。でさぁ、その男の人がさ、「この変に森はありませんか?」って聞かれたんだ よ。な!睦月」
「・・・」
睦月は頷く。
「睦月に話かけてくるからさ、急いで行ったんだけどね」
「ふ~ん」
「いや~、森を探してるからつい森男って呼んじゃったよ~」
「オイ」
この先輩は礼儀というものを知らないのか。
「えー・・・と、この前テレビでやってたんですが、とある町はなんかの感染症が流行っているらしく
感染症になって、3ヶ月居以内に治んないと殺されてしまうとか・・・。」
「あ、そのニュース見た!移る人によって症状が違うんだって」
「こ、怖いね・・・」
そんな噂をしていると、
「夢世界」
「え?」
急に卯月が喋り出した。
「この世界は夢世界っていう世界があるんだ。夢世界の入り方は寝るだけで行ける」
「ハア?」
「なにを急に?」
「・・・」
「他にも電子世界と魔界。それに、ここと似た世界がいくつかあるみたいだ」
「電子世界と魔界はともかく、ここと似た世界って・・・」
「その世界に私たち居るんでしょうか?」
「そこまでは分からない」
「あたし達が何人もいたら怖いわよ!」
「・・・」
「どうしたの?睦月。恐い顔して」
『なんでもない』
「それなら良いんだけど」
「なあ、腹減った」
「先輩、話を急にずらさないで」
「なあ、最近俺の扱いエスカレートしてないか?」
「していません」
「ならいいんだけど・・・」
「誰か料理できる奴」
「わ、私、少しぐらいなら・・・」
「流石弥生!」
「料理番長は弥生な」
「ふぇえ!?」
「え、」
料理番長・・・だと。担当が決まった瞬間付けられるあだ名なのか・・・。
「そうと決まったら飯だ飯!弥生ちゃん頼んだ!」
「え、あ・・・はい」
「弥生~あたしも手伝う~。」
「あ、じゃあ、よろしくお願いします」
「あたしだって料理ちょこっとだけ作れるんだから!」
流石弥生の親友春歌。女の子ってこういう感じなんだ。
「あ、五月!あたし部屋掃除してくる」
「分かった」
卯月は自分の部屋の方へ行った。
長月先輩は睦月にちょっかい出している。
弥生と春歌は僕らの為にご飯を作ってくれている。
僕は特にすることもない。
僕はソファに座っているうちに眠くなり、僕はいつの間にか寝てしまっていた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
あれ?僕は寝ていたような・・・?あれ?ここは卯月の家?
え、じゃあ、皆は?
でも、ここの部屋は赤い。何コレ?また、あの夢?
「そ。ここは君の夢の中だよ」
「誰だ!」
「やだな~。そう怒んないでくれよ」
「誰だ!」
僕の目の前には白い猫がいた。瞳は綺麗な緑だ。
「ね、猫が喋った!」
「あのねー。僕はリウって言って夢の悪魔なんだ」
「ゆ、夢の悪魔!?」
「そ。夢の悪魔。僕は普段はこの白猫の姿として生きてんだ。」
「夢の悪魔って、じゃあ、この夢はなんだ!皆周りが赤ばっかりじゃないか!
おまけに人も真っ赤になってたり、灰色になったりしてこの夢はなんなの!?」
「少しだけ教えてあげる。その夢の力を与えたのはこの僕。
僕の仕事は人間に意味のある夢を見せるため。」
「意味のある夢・・・!?」
「大丈夫。君もそのうち気がつく。僕が君にどんな夢を見てほしかったか。
心配しないで。君以外にも夢を見ている人なんていっぱいいるか」
「僕の周りにもいるのか?」
「さあ?あ、一つ言い忘れていたけど」
「なに」
「僕の見せている夢はほとんど未来のことだ。特に君の夢は重要になる。
君の夢だけでいろいろと分かるんだから」
「僕の夢が重要だと・・・。僕は思わない。これはただの悪夢だ!」
「まあ、確かに悪夢だけどね(ボソッ)」
「何か言ったか」
「なにも。あ、君がもうそろそろ目が覚めてしまうから僕はこれで」
「お、おい!」
「僕なんかすぐに会えるさ。バイバイ」
白猫は消える。
僕は再び寝くなる。
一体何だろうか。どうして僕なんかに夢を見せるんだろう。
やっぱり理由が何かあるんだろう。
そして僕は目が覚めた




