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百のスミレと千のユリ  作者: 水瀬 悠希
愛とジェラシーのハリケーン
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神様がぞくぞく

番外編(登場人物のまとめ的なもの)を18時に投稿します。

本編とは関係がありませんが、裏設定とかネタバレがあるかも。

みなさまよろしく。

 お盆を持ってきてくれた赤い肌の神様…… 神様ですよね、リーマ様?


「ダーキンの事かい? ベガールの地母神さね。妾の身の回りの世話をしてくれる者は他にもいるけど、ダーキンは格別さね」


 へぇ…… ダーキン様って地母神だったのk……


「えええええ?」


 地母神って大地の神様だよね。大地に豊穣をもたらす神様で、日本では…


「誰か呼んだ?」


 わあアア! マタ神様ガ…… ガガガガ……


「あら、イザナミちゃんじゃないの。お風呂していかないかい?」

「じゃあ、お言葉に甘えて…… ふぅぅ、やっぱり温泉はいいわねぇ」


 ぱっぱと服を脱ぎ捨てると、するりとお湯の中に入ってきたよ、イザナミ様。

 あああああ、見ちゃいけない、見ちゃいけna……


「ふふふ、なかなか可愛い()を連れているじゃない。

「駄目だよ。あげないからね」

「でも、この子はヒノモトの民でしょう? 少しくらいイイでしょ。貸してよぅ」


 頭の上で、なにか不穏な言い合いが始まった…らしい。僕はお盆に手を伸ばすと、指先に触れたものをつかみ取った。うっは、ヤシの実じゃないか。

 刺さっているストローに口をつけると、中身を吸い込んだ。


 ……んまぁい!

 ヤシの実ジュースって初めて飲んだけど、すんごくおいしい。

 さらりとした上品な甘さが、とってもなセレブ感…… 願わくば飲み終わる前に言い合いが終わるといいなぁ……


「この子を抱きしめてみたいだけ! 別に減るもんじゃ… ひあっ!?」


 はふぅん……


「なんなの、この子…… キュマイラ… ?」

「いんや、普通の人間の子供さぁね。分かったら離しな」

「うーん…… でもぉ… どう見ても……」


 つんつん、もにゅもにゅ、にぎにぎ……


「つけ胸じゃないわねぇ。身体に異状はないし、奇形でも…… まさか進化?」


 いやん。胸をいじらないで? イミューンは、ほとんど同化が終わっているんだから。複雑な神経系も完全につながってて。すでに身体の一部なんだからぁあ?

 やだぁ… ムニムニしないでぇええ!


「ふふふふふ、可愛いだろう? 堪能したら帰りな」

「んんー、このスリコギさえ無かったら侍女にスカウトするのになぁ。ねえねえ、キミ、これ取っちゃわない?」


 いやぁああ! ギリギリしないでぇ! あうう… 握り潰そうとしないで?


「この子も嫌がってるじゃないか。手を放しなさいって」「んー、もう少し……」

「イザナギにチクるよ?」

「……わかったわよぅ」


 拗ねたイザナミ様って、なんか可愛いと思っちゃったのは… いやいや。

 来た時と同じように、ふっ… と姿を消したイザナミ様だけど……

 今度は友里さんが、すいーっと寄ってきた。長い間じーっとイミューンを眺めていたけど、おもむろに言ってくださりやがったよ。爆弾発言を!


「やっぱり冬夜くんがお姉ちゃんにゃ」「お兄ちゃんだし!」

「でも、これを見るにゃ! 浮かない美月ちゃんは貧民に決定なのにゃ」


 まーた始めたよ。ここに着いてからの美月は… コンプレックス──ちょっとだけ発育不良──に悩まされているらしい。イミューンに妙なライバル意識を向けているんだよね。ねえリーマ様。笑ってないで、なんか言ってよぉ。


「だから冬夜くんは美少女男子に決定にゃ!」「僕はオトコ!」

「ククク… たしかにサーリアのは浮かないねぇ」「リーマ様まで……」

「じゃあ、浮くかい? この子のは浮くよ」「ぐぬぬ」「にゃははは……」


 美月は無念そうにイミューンを睨んでいたけど、僕は悪くない!

 イミューンは芹沢博士が作ったんだ。寄生されて時間が経っているから、超回復スキルは仕事を終えているけどねっ!


 僕が美月のお姉ちゃんに決定した瞬間って訳なんだ。それも、神様公認で。

 でもなぁ。本当はな、本当は…… お兄ちゃんなんだい! ぐっすん……


 ……という事があったくらいだ。

 それ以上は期待しているような事は何もなかったよ。

 ふぅ…… ようやく落ち着いてきた。


 悪いけど、少し眠らせてくれないかな……


 ……ぐう…

たらい船はダーキン様が愛用しているマジックアイテムなのです。

小判型で、サイズ的には畳1枚半くらい。魔力を込めると、どこにでも飛んでいく魔法の乗り物なのです。

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