柊野葵エンド
ふと、思う事がある。
昔の余をとことんと褒めてやりたいと。
今この瞬間があるのは昔の余が頑張ったおかげであるから、昔の余に大丈夫だからと伝えてやりたい。
「どうしたの?ボーっとしちゃって」
「別に。幸せだなーと思って」
「なにそれ?変なの」
余の言葉にふふっと笑う。
「コーヒー飲む?」
「バカ!あまり動くなって言っているだろ!コーヒーくらい余が入れるから」
余はソファから立とうとする葵を制止する。
「も〜、だから心配し過ぎだって」
「いや、心配し過ぎくらいの方がちょうど良いからな」
「あなたのお父さんは心配性ですね〜」
葵は自分の膨らんでいるお腹に話しかける。
「うるさい」
***
余は自分のコーヒーと葵の紅茶を置いてソファに座る。
「それにしても付き合った当初はどうなる事かと思ったがな」
「あ〜、やめて。忘れさせて」
「忘れる訳が無いだろう。余は何回監禁されたと思っているのだ」
「もう昔の話だから」
付き合いたては凄かったなぁ。
こいつは嫉妬深いからどれだけ気を遣ったと思っているのだ。
「何が昔話だ。3年前もあっただろ」
余はこいつが3年前を昔と捉えている事にちょっとだけ笑ってしまう。
「今だから言うが余はいつでもあんな拘束から抜け出せたからな」
「え、そうだったの?」
「当たり前だろ。余があんなショボいやつに負ける訳が無いだろ。お前の気持ちとかを考えて捕まってやったのだ」
「そうだったんだ」
「子供が出来てからやっと大人しくなったがな」
「だって親になるから」
「そうか、余たちは親になるのだな」
「これからもよろしくね」
「当たり前だ」




