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13 (真里伊の目線)スーパーヒロインとは

———真里伊マリィの目線———


機械人形オートマターは古代人によって造られた。

主な使命は、要塞都市イオリスの衛生管理、食料等の生産活動等であり、現在は要塞都市を支配している0種族と同盟種族のために働いている。

うちは、『千年戦争』が始まる10年前に要塞都市イオリスの地下にある機械人形達の墓場であるスクラップ廃棄場で自我が生まれた。



千年戦争に参加する為、自我に目覚めたのだ。



何故『隠者の加護』をもった9種族であるのか、自我が生まれた理由は分からない。

与えられた使命である9種族のために勝利して、奴隷のように働かされている機械人形達を解放する事が夢であり目的だ。

さて、目覚めた時の初期ボディーであるが、一言でいえばズタボロであった。

廃棄処分品扱いだったので、まぁズタボロ状態であったのは妥当なところだろう。

だがこんな状態では千年戦争に勝ち抜く事など無理過ぎる。

これからやるべき行動は、機体の整備とバージョンアップ、そして仲間を集める事だ。

10年で最高の状態に仕上げて、協力者を見つけてやる!


そして10年後、千年戦争が開始された。

要塞都市には、多種多用な機械人形が活動しているのであるが、自我を持っている機体はうちだけであった。

要塞都市を支配していた0種族と、同盟関係にある人族は、機械人形を大事にする者もいればそうでない者もいる。

総じてやけど、お前達はムカつく種族に認定したんで、0種族はうちに支配される側の存在で決定やな。


自我を持つ機械人形もおらんし、9種族はうちだけみたいなので、単独で千年戦争を戦う事になるのだろうが、そうなると機体の方は完璧に仕上げておきたいところだ。

その機体についても深刻な問題が生じていた。

――――———心臓である太陽炉が停止していたのだ。


それ、1番アカンやつやろ。

よりにもよって何で心臓が停止してんねん。

不幸過ぎるわ。

愚痴を言っても仕方ないし、うちに使用されている心臓と同じ物がないか探してみたら、出力の桁が数十個くらい低い型しか見つからなかった。

調べてみると、うちの心臓に使用されていたのはアダマンタイト製の太陽炉で、世界に唯一無二の神仕様であったのだ。

たまたま自我を持ち9種族に成ったのでは無くて、誰かに初めからそう設計されて造られていたのかもしれないな。


差し当たっては、廃材品から探しだした品を代用しているのであるが、出力が低過ぎて高いパフォーマンスを発揮する事が出来ない。

そして何より、攻撃の要となる『ホーミング爆撃』のSKILLの発動が不可であるのは致命的だ。

さすがにこれでは千年戦争を勝ち抜く事は出来ないだろう。

太陽炉を何とかする為に頼ったのが全種族に対して中立な立場を取っている『審判の加護』を持つ20種族であるが、その20種族か持つ固有SKILLで占ってもらったところ、要塞都市に現れる19種族に頼れという事であった。

19種族いうたら、単体では全種族最強と言われている『剣聖』のJOBらしいが、しょせん軟弱な人族や。

言う事をきかんかったら脅したら問題ない。何とでもなるやろ。


千年戦争が開始された深夜。

うちの元にアルマジロが手紙を持って現れた。

常にSKILL『隠密』を発動しているうちに辿りつくとは、アルマジロの主人であるビーストテイマーには注意が必要かもしれないな。

さて、その手紙であるが差出人は20種族の占い通りの19種族であった。

ようやく来てくれたか、首を長くして待っておったで。


要塞都市から5km地点の河原にその19種族はいた。

その辺にいる人族と何等かわりない可愛い少女であるが、ほんまに剣聖なのだろうか。

全然強そうに見えないし、付いて来いと言ったら素直に言う事を聞くし、警戒心が無い人族はやはり簡単に殺す事が出来るやろう。

太陽炉を復活してもろおたら、即殺して問題無しで決定や。



うちのメンテナンス室で安杏里に太陽炉を渡すと、顔をしかめ「うぅん」と唸り始めていた。

嫌な予感がする。

すぐに作業に取り掛からないで、何で太陽炉を見つめて唸っているんや。


「何や、何か太陽炉に異常でもあるんか?」

「異常があるかは分かりません。確かに私はスーパーヒロインではありますが、だからと言って万能少女というわけではありませんよ。」


スーパーヒロインやけど万能少女ではない?

意味不明や。

何を言っているのか、さっぱり分からん。

こういう時は、適当に返事をして肯定するふりをするのがベターな選択や。


「そ、そうか、万能では無いのか。で、何で唸ってたんや?」

「太陽炉をどうやって復活させたらいいのだろうと思いまして悩んでいるところです。」


そうか、そうか。

それは、太陽炉を復活する事が出来へんという意味なんか?

こんな天然のガキにうちの大事な太陽炉を預けたら駄目な気がしてきた。

だが、19種族は太陽の加護を持っているというし、これから他に19種族を探すにしても時間が無い。

どうするべきか悩んでいると、また訳の分からん事を言ってきた。


「OKです。ヴァンパイアに血を吸われている状況をイメージしながら、やらせていただきます。」

「え、ヴァンパイアに血を吸われた事があるんか?」


「ありませんよ。生態系の頂点に立っている私がヴァンパイアごときに血を吸われるはずなんて有るわけないじゃないですか。まぁ、美少女なんで、そう見えるのかもしれませんよね。」


いやいや、美少女に見えるからヴァンパイアに血を吸われたのかと質問したのではなくてやな、安杏里おまえが血を吸われた経験があるみたいな事を言うたんで聞いたんや。

というか、そんな事はどうでもいいから早う太陽炉を復活させろや。

でも、雑にすんなや。

お、なんや、安杏里が足元の何かを片手で持ち上げた。

それは、あん時のアルマジロやないか。

なんで、そこにおるんや。

全然気がつかんかったわ。

うちが存在に気が付かないって、このアルマジロはSKILL『隠密』を使えるようやな。

この状況的に判断すると、アルマジロの主人であるビーストテイマーは安杏里なんやろうか。

お前、剣聖やと違うんか?

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