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11 新たな力を得るにはまだフラグが足りない

太陽が沈みかけている空に線のような雲が何本も引かれ風になびいている。

川から水の流れる音が聞こえてきていた。

時折り吹いてくる風が、草原地帯からの匂いが流れてきている。

ゴブリン討伐を終え、敵対関係にあるAS達と別れ、千年戦争となる要塞都市(イオリス)を目指しミランダの誘導に従い河原を歩いていた。

初めて見る川は、流れている水に太陽光が反射しキラキラと光っている。

体を丸めて転がりながら並走しているミランダが、ASと屑礼との戦闘について検証を促してきた。


「安杏里。ASと屑礼と戦ってみて、自分に足りないものが何であるか気がついたか?」

「質問するなら具体的にしてもらえませんか。抽象的な質問は、『駄目な上司』がやる典型的なパターンですよ。」


「ちょっと待て。駄目な上司ってどういうことだ。」

「わざと答えにくい質問をしてきた上司は、部下に『分かりません。』と言わせて、支配欲を満たしただけというのが丸分かりです。」


「ちょっと待て。上司の質問の内容が分からないのなら、その意図について聞き返したら問題ないだろ。」

「その時は『何が分かったのか言ってみろ。』とか『何でもいいから言ってみろ。』と言い、ボロを出すつもりなのでしょ。そして最後は、『全然違う。やっぱり分かってないじゃないか。』と悪態をついて威張りたいだけですよね。」


「そんなつもりでは無い。誤解だ。」

「ミランダに警告します。無自覚というのが最悪です。ハズレ上司の思考そのままであると言わざるを得ません。そんなクソ上司はマジで死んでもらえないでしょうか。」


「………。」


ミランダからの質問については、頭脳明晰である私は既に検証済みだったりする。

ゴブリン戦、AS戦、屑礼戦のいずれにも予測不能な事態が起きてしまった。

私の戦闘スタイルは、高火力による攻撃で敵を粉砕していく。

19種族に次いで高火力を生み出すと言われている1種族が集団魔法と比較しても、その差は無限大にかけ離れている。

技量においても同様のことが言えるだろう。

だが、遥か格下であるASは、真っ向勝負にて私から繰り出した一閃に刀を合わせてみせた。

ミランダのいう通り、可能性というものを感じることができた。

更にいうと屑礼には驚かされた。


屑礼(クソムシ)と戦って実感した事を言いますと、トリッキーなSKILLである『ディレイ』により敗北感を味合わされてしまったのですが、一つの法則に乗っているのではないかということに気が付きました。」

「ほぉう。一つの法則か。実戦を経験して、何かきっかけを掴んだようだな。」


「はい。この法則は最強美少女が挫折した後に次の形態へ進み新たな力を得るフラグがたったものと推察します。」

「うむ、なるほど。斜め45度を突いてきたな。だが、新たな力を得るにはまだフラグが足りないんじゃないか。私が言いたいのは、力の弱い種族達は創意工夫をしながら戦ってくる。自分に有利な状況を作り出し、そして相手の虚を付く事で戦力差を縮めてくるという事だ。」


「恋愛と一緒で戦いにも駆け引きが重要だと言っているのでしょうか。」

「恋愛と一緒とはどういう事だ?」


「ミランダには無縁な話しでしょうが、恋愛とは気になる相手を振り向かせるためには、押したり引いたりする駆け引きが存在します。付き合ってからでも、惚れるのと、惚れさせるのではパワーバランスが変わってくる為、そのあたりを計算して進めていく事が大事なのです。」

「………」





要塞都市イオリアから5km程度離れた河原の草原に仰向けになり夜空を眺めていた。

月の灯りが川を流れる波を照らし、キラキラと反射をしている。

星が煌めく中、時折流れ星も走っていた。

夜間については『太陽の加護』による無限とも思えるほどの爆発的なエネルギーを生み出す事が出来ないが、それなりの加護を受けていると実感できる。

PASSIVESKILL『不死鳥』も問題なく稼働し続けているようだし、夜間においての戦闘も問題なさそうだ。

見上げる、雲よりも高い向こうに丸い球体が浮かんでいる。

転がりながら並走しているミランダが、鬱陶しそうにしている私に気が付いたようだ。


「うむ。あれが千年戦争の最終ラウンドとなる場所『浮遊都市アトランタ』だ。」




浮遊都市(アトランタ)

皇帝の加護をもっている第4種族が支配する衛星だ。

第4種族は、0種族である人類と同盟関係にあり、常に千年戦争に勝利してきた。

おそらく私の最大の敵が第4種族である。

30日後に行われるあの衛星へ行かなければならない。

浮遊都市に上がるには、要塞都市(イオリス)からエレベーターを使用する必要がある。


「安安里。浮かない顔をしているな。」

「はい。これから要塞都市(イオリス)へ侵入をしなければならないのですが、都市の周囲に配置されているという機関砲をどうしたものかと思っておりまして。」


要塞都市の周囲に配置されている機関砲は、外敵を識別し3km先から迎撃してくる。

0種族と同盟関係にない私はその外敵に該当する。

音速2で発射される弾丸を撃ち落とすことなど難しくはないし、さらにいうと私の遠距離斬撃の方が射程は長い。

とはいうものの破壊しなければ無傷で要塞都市への侵入は難しい。

だが機関砲を破壊してしまうと、オークキングのような外敵が迫ってきた時に無防備となる。


「機関砲を破壊することなく要塞都市へ侵入できればそれにこしたことはないと考えています。」

「要塞都市に生活している1000万以上の者達の安全を確保するためには、安杏里が考えているとおり機関砲は破壊するべきではない。ここは隠密の加護を持つ9種族に助力を求めてはどうだ。」


「そうですね。隠密を使うことが出来れば、機関砲のセンサーに引っ掛かることなく要塞都市内へ侵入可能なのでしょう。と言いますか、それが出来るのならもうやっています。」


「うむ、それではリクエストに応えて9種族の者を呼んでやろう。」

「………。」

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