ギルドランキング1位と追放ざまぁ
一週間後――
俺たちはすでに十のダンジョンを攻略していた。
ギルド本部の巨大な掲示板。
そこに表示されたランキングが、ざわめきを生む。
「佐藤・ケンタ 功績ポイント:500,000pt」
前代未聞の数字だった。
「すげぇ……魔王討伐だけで10万ptだろ? それにさらに上乗せって……」
「一週間で十ダンジョン制覇って何だよ……」
冒険者たちが騒然とする中、ギルドの扉が乱暴に開いた。
入ってきたのは――レオンを追放した元王国騎士団の面々。
「見ろよ。追放された勇者パーティーが、ランキング1位のとこにいるぞ」
「マジか……俺たち、判断ミスったんじゃ……」
最後に入ってきた元騎士団長の顔が、みるみる青ざめる。
「し、しまった……レオンのパーティーを残しておけば、今頃は王国の名声も……」
「後悔しても遅いですよ」
エリスが冷ややかに言い放つ。
「あなた方が切り捨てたレオンさんたちは、今や世界最強パーティーの一員です」
「くっ……」
レオンが一歩前に出て、腕を組んだ。
「聞いたか? これが“用済み”の結果だ」
騎士団長が必死に頭を下げる。
「レオン、戻ってきてくれ! 王国はお前を必要としている!」
「断る」
即答だった。
「俺は今、もっとデカい目的のために戦ってる」
騎士団長の視線が俺へ向く。
「佐藤殿……どうか王国のためにお力添えを!」
「やだ」
「な……!?」
「王国とか興味ない。俺は帰る。それだけだ」
「しかし――」
「うるさい。マリア」
「了解」
次の瞬間、マリアが騎士団員の襟首を掴み、まとめてギルドの外へ放り出した。
扉が閉まる。
静寂。
そして、周囲から小さな拍手とどよめき。
レオンが肩をすくめる。
「ざまぁみろだな」
「どうでもいい」
俺は掲示板から視線を外す。
功績ポイントも、ランキングも、名声も。
全部、帰還には無関係だ。
「次のダンジョン行くぞ」
「もうですか!?」
「残り86だ。止まる理由がない」
ギルドのざわめきを背に、俺たちは歩き出す。
目指すのは、ただ一つ。
帰還。
それ以外は、全部おまけだ。




