第13章 : 彷徨える魂と「酔いどれ」の魔術師(第1部)
セサール:彷徨える魂
この煉獄の街、永遠に続く夕暮れの中を彷徨っていた。この街の名前は何だろう? 煉獄? 歩きながら、路地裏に誰か、あるいは何かが潜んでいる気配を感じた。
「その絶え間ない気配に不安と被害妄想が募り、私は意を決して向き合った」 「教師会か何かだと思ったんだ」 「道に迷ってしまった。家からずいぶん遠くまで来てしまったらしい」
(電気の光が指先に触れ、電気の幽霊のような「バァ!」という音と共に、私は恐怖で飛び上がった)
「暗い路地裏と建物の間に、そいつはいた」 よく見ると……浮浪者だろうか? 彼からは奇妙な臭いが漂ってきた。嗅ぎ慣れないが、強烈で少し不快な臭いだ。
「誰だ? なぜ私を追いかけてくる?」
…… …… ……
—「あんた、彷徨える魂だろう?」浮浪者の男が言った。
「どういう意味だ?」
—「彷徨っているのさ。『ずっと見ていたぞ』。彷徨える魂なら、何キロ先からでも分かる。」
「グループか何かか?」
—「いや、いや、いや、ヒック!……『まだ』違うさ」ヒック! —「話を合わせろ、説明してやる。ヒック!」 —「頼み事を聞いてほしいんだが……」
「なぜ私がそんなことを?」
—「助けが必要なんだろう?」
「確かに、助けが必要だ」 ああ、助けてほしい。
—「なら、俺の言うことを聞け」 —「まず、このボトルを受け取れ。ヒック。……奇妙な臭いのする液体が入ったガラス瓶だ。……これを俺と一緒に飲むんだ。いいな!?」
「そのボトルの中に何が入っているんだ?」
—「つまらんことを聞くな。俺が先に飲むから、危なくないことを見せてやる」
「浮浪者はボトルを煽り、自分がどうやって飲んでいるかを見せつけるように、顔に液体を滴らせた」
—「これはあんたの入門用のボトルだ。汚しちゃいけない、あんたが直接飲むんだ。ほら、俺が飲んでも平気だろう? ヒック!」
「ボトルから強烈な臭いが立ち上る」
—「これを飲めば、助けてやる。」
「ああ、もうどうにでもなれ。飲めばいいんだろ」
「私はボトルの中身を一口、大きく飲み込んだ」 「耐え難いほど強烈な味が全身を駆け抜ける」
「浮浪者、これはいったい何だ? 全然美味くないぞ」
—「坊主、指が何本見える? ヒック!」
「4本か?」
—「ハハハハ! ヒック!」
「何本あるんだ?」
—「さあな、ハハハハ! ヒック!」
「何本あるんだよ!? ヒック!」
—「知るかよ、アッハハハ! ヒック! ……いいか坊主、準備はいいか。これをやってのけてくれ」 —「向かいの通りの教会の神父が見えるか? 彼らは特別なの『ボトル』を作っているんだ。『魔法のボトル』だ! できればそれを一本持ってきてほしい」
「分かった」
「私は神父の方へ歩み寄った。ヒック」 「神父さん、あなたが持っているその赤いボトルを一本くれませんか!?」
「軽蔑的な視線が向けられる」
—「なぜそんな大声で話すんだね、若者よ。何もやるものはない。」神父は拒絶した。
「私は浮浪者のところへ戻った」 「壁に背を預け、ずり落ちるように座り込む」 ボトルをくれなかったよ……ヒック。
—「まさか、普通に頼んだのか? ヒック。」浮浪者は呆れた声を出す。
「当たり前だろ、そうしたよ。ヒック」
—「ガハハハ! で、くれなかったんだろ?」
「ああ、くれなかった」
—「ハハハハ! 奴はただ根に持っているだけさ。昔は俺たちの仲間だったんだからな」
「あの神父が?」
—「ああ、ヒック!」
「最高だ、それで次はどうする? ヒック!」
—「ボトルを取ってこい。ヒック」
「それだけでいいのか?」
—「それだけでいい。ヒック!」
「早く言えよ、浮浪者! ヒック!」
「私は両手を構え、意識を集中させた。制御の感覚が研ぎ澄まされる。ボトルに狙いを定め、電気が走る。光の速さでボトルを奪う準備は整った」
(一瞬の放電、背中に火花が散り、私は盗んだボトルを手に戻っていた)
「神父のボトルを手に入れたぞ」 「ほら、頼まれたボトルだ」
—「驚いたな。あんたの『エチル(酒気)』の力が、入門のボトルで目覚めたらしい。あんたが適任だと思った通りだ」
「その魔法のボトルは何に使うんだ?」
—「魔法の燃料さ。正しい道具を使えば、触媒になる」
「この浮浪者、うわ言を言っているに違いない」 (ヒック)
—「来い、坊主。古のアルカニスト(秘術知覚者)たちに紹介してやる」
共有住宅の廊下を歩く。終わりがないように思えた。家やアパートが重なり合い、ようやく「貧民街」のビルが立ち並ぶ高層階の隠れ家に辿り着いた。
最後のドアに着いた。浮浪者がドアをノックすると、中から声がした。
—「合言葉は、ヒック?」
—「エ……イ……チ……アイ……ピー(H…I…P)」浮浪者が一文字ずつ告げる。
「アドリアン、何を言ってるのか分からんぞ?」
—「ヒック! エイチ……アイ……ピー」
—「アドリアン! まともに喋れないのか? ヒック!」
…… H …… I …… …… P ……
—「アドリアンか! ……やれやれ、お前だと分かったよ。入れ。ヒック!」
ドアが開き、中へ入る。そこは「魔法のボトル」の臭いが充満していた。部屋は浮浪者で溢れ、高層階の冷たい風が容赦なく吹き込んでくる。
「冷たい風、強い風」 「紙を舞わせ、吹き飛ばす風」 「浮浪者、また浮浪者」 「風、風、そして沈もうとする太陽」 「ボトルが床を転がる」
—「こいつらに紹介してやるよ、坊主。ヒック!」
「ただの浮浪者たちが、ボトルを煽っているだけじゃないか」 「風のせいでよく見えない。視界が狭まる」 「新聞紙が舞い踊る」 「顔に張り付いた新聞紙を引き剥がす」 「目の前には……『大浮浪者』がいた」
—「ようこそ、坊主!」大浮浪者の声が、「廃墟」のビルを包み込む強風の中に響き渡った。ヒック!
「挨拶すべきか、それとも何か見落としているのか?」
—「お前の名前は? ヒック!」大浮浪者が問いかける。
「私の名前は、セ……」
(大浮浪者が言葉を遮る)
—「ダメだ! 名前を言うな、絶対にだ! ヒック!」 —「お前の名前は今日から……ブライアンだ! これからはブライアンと名乗れ!」
(「魔法のボトル」の中身を私に浴びせかける)
「路上の洗礼か?」
—「アルカニストの洗礼は成功したぞ、ブライアン。ヒック。」この偉大なる「アルカニスト」の浮浪者は、厳かかつ滑稽な口調で言った。
ブライアン:偽名のセサール
—「さてブライアン。私はエチル(魔法のエーテル)の至高のアルカニスト。世間では『大公エタノール』として知られているが、親しみを込めて『CHOH閣下』と呼んでもいいぞ。ウインク。次なる任務を与えよう。だが、今はまだ準備ができていない。さあ、行け。並べられたテーブルと丁寧に置かれたボトルに囲まれ、仲間たちと知り合うがいい。ヒック!」
「この浮浪者たちは狂ってる。名前まで変えられて、私はブライアンになった」
「テーブルに座ると、見知らぬ浮浪者が話しかけてきた」
—「彷徨える魂だろう?」
「ああ、その通りだ」
—「気にするな、ヒック。ここにいる全員が、かつてはそうだったんだ。ヒック。」ボロ布の中から謎の声が響く。
「あなたたちは本当に魔法使いなのか?」
—「別の男の声が遠慮なく割り込んできた」 —「ヒック。当然魔法使いだとも。なぜ疑うんだ、ヒック?」
「分かった、確認したかっただけだ……」
「彼らが魔法使いだなんて信じがたい。誰も魔法を見せようとはしないんだ」 「ただ飲んでいるだけ」
「家具のほとんどない廃墟の窓から、再び風が吹き抜ける。新聞紙が舞い、視界を遮る。風の轟音が会話をかき消し、夕暮れが迫るにつれ、言葉は意味を失っていく。夜がどんどん近づいてくるのを感じた」
「もう、嫌な臭いはしなかった」
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