【第二十七話】組合からの特命と、止まらない快進撃
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それでは、本編をお楽しみください!
「つまり、ダンジョンはお宝が眠る危険な迷宮というだけでなく、これからの人類のインフラを支える巨大な資源の山だということです」
支部長さんは居住まいを正し、私たちに向かって深く、深く頭を下げた。
「しおん様、あん様。これまでのお二人の功績は、計り知れないほど大きい。巨大クリーチャーの討伐による安全確保、未知の希少素材の発見、そして何より、新エネルギーとなる魔鉱石の鉱脈の発見……。あなた方は間違いなく、この新時代の英雄です」
英雄。
そんな大層な言葉を向けられて、私とあんさんは顔を見合わせて照れ笑いした。
私たちはただ、二人で楽しく連携を考えながら、美味しいご飯と温泉のために素材を狩っていただけなのだから。
「そこで、組合本部からお二人へ、正式な依頼があります」
支部長さんが顔を上げ、熱を帯びた瞳で私たちを見た。
「これからも、どうかこのダンジョンで、魔石や魔鉱石、そして新たな素材をどんどん採取してきていただきたいのです。もちろん、報酬は青天井。さらに、現在開発中の『新装備』が完成した暁には、お二人に最優先で無償提供することをお約束します」
「「新装備の、最優先提供……!!」」
私とあんさんの目の色が変わった。
今まではレンタル品の重い鉄剣や、魔法使いの杖代わりの木の枝など、心許ない初期装備で戦ってきたのだ。
カマキリの鎌で作られた鋭い剣や、蜘蛛の糸で編まれた軽くて頑丈なローブ。そんなファンタジー全開の専用装備が手に入るなんて、胸が躍らないはずがない。
「支部長さん。私たち、これからもバンバン稼いで、ガンガン採取してきます!」
「はいっ! 任せてください、私たちに掘れないお宝はありませんから!」
私たちが力強く宣言すると、支部長さんは「おおおっ!」と感涙にむせび泣いた。
* * *
その日の夜。
私たちは新潟の高級旅館で、祝杯のリンゴジュースを高く掲げていた。
「「乾杯ーっ!!」」
テーブルに並ぶのは、昨日を超える超豪華な海鮮フルコースと、最高級の新潟和牛。
口座に振り込まれた報酬額は、もはやゼロの数を数えるのも面倒になるほど桁違いに膨れ上がっていた。
「私たち、いつの間にかすごいことになっちゃったね」
「うん。でも、やることは今までと変わらないよ、あんさん」
お刺身を口いっぱいに頬張りながら、私はニカッと笑った。
「二人で話し合って、工夫して、強敵を倒して、素材を限界まで持ち帰る! そして美味しいものを食べる!」
「ふふっ、しおんさんらしいね。私も、もっと強い魔法を練習して、どんなモンスターでも倒せるようにならなきゃ!」
誰もが恐れるダンジョンも、私たちにとっては最高にエキサイティングな仕事場だ。
新装備の完成を心待ちにしながら、新潟の夜は更けていく。
最強の魔法剣士と、大火力の魔法使い。
二人の快進撃は、まだ始まったばかりである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
最近流行りの「現代ダンジョンもの」ですが、すでにギルドやルールが整備された数年後の世界が多いなと思い、あえて「誰も何も分からない初日(黎明期)」を書いてみました。
ファンタジー知識ゼロの大人たちが右往左往する中、アニメ好きの女子たちがテンプレ知識だけでうっかり無双してしまう……そんな手探り感とすれ違いを楽しんでいただけたら嬉しいです。




